↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/40

第1階 復活の布石

俺は死んだ。

――なのに、ダンジョンとして目を覚ました。


自分の体内に、冒険者が入り込んでくる。


そして俺は――モンスターを生み出す。


侵入者が来た。


◇◇◇ 侵入者 ◇◇◇


「ファイアーボール!!」

「―――!」

炎の球は、確かにレッドコボルトに命中した。

が……まったく効いていない。

むしろ……コボルトは笑っていた。


「ダメだ!通用しない!

――俺が行く!!」

剣士の男が、前へと出る。


ガンッ!!


「何!?」

コボルトに剣は届かず…弾かれた。


「岩かと思っていたら、動いた!

 ――ボムロック!」


「俺の出番だ!」

巨大な斧を持った男がボムロックに向けて振り被る。


バーーン!!


「痛って!

――何だ!?黒い球が飛んで来た!?」


「下がって!ピクシーの魔法よ!」

女性魔法師が声を上げる。


「ダメだ!撤退しよう!」

「賛成ね…もう、どうなっているのよ!」


◇◇◇ ダンジョン ◇◇◇


「うーん、もう一つ工夫が欲しいんだよな〜。

 このパーティーは。」


俺はこのダンジョン。

体内にやって来る冒険者達を日々、育成している。


「まったく……ダンジョンの中で火魔法を使うなよな。

 ―――熱いんだっつうの!

 燃えたらどうすんだ!」


外から見たダンジョンは不気味な存在だった。

が、内側となると案外とのんびりしている。


「お、また違うのが来たな。

 ―――"蒼き閃光"だ。」


ここは、俺が所属していたパーティー。

よく来るよな…


魔法使いのユイ。

盾使いのダイキ。

槍使いのエイレン。

そして…死んだ剣士の俺。


四人組のパーティーだった"蒼き閃光"

今は三人組。

もう一人、誰か入れたら良いのにな。


まぁ、入れたら入れたで、なんか寂しい気もするけど。


ユイが得意なのは、水魔法。

よし、水魔法に弱い……

ボムロックを出そう。


「よいしょっと。」


俺は体内を動かし…一体の魔物を生み出した。

マジックポイントが一つ減る。

えーっと…配置はこの辺で良いかな。


「ウォータボール!」

ユイの水魔法……相変わらず美しいな。

さっきの火魔法をぶっ放し続ける魔法師とは雲泥の差だ。


ユイはすんごい頑張り屋で…

俺は好きになってしまった。


「もう一丁、ボムロックっと。」


コレで経験値を積んでくれよ。

魔物を生み出すのは簡単。


だけど……強い魔物を出すと、

マジックポイントの消費が大きい。

――そして、ポイントの残りが少なくなると眠くなる。


ボンッ


生み出したボムロックはユイの魔法により蒸発した。


「ユイ、ナイス!」

ダイキとハイタッチしている姿が可愛い。


けど……俺もハイタッチしたいな。


ダンジョン内にあるオブジェクト、

《木の枝》を動かしてみた。


「え?何!?」

「枝!?魔物の類か!?」

ダイキがユイとエイレンの前に立ち、盾を構える。


「違う、違う…俺だよ、俺。

 ――ハイタッチしようよ。」


って、分かる訳無いか…


その時、ユイの右腕に光る腕輪が見えた…

「あ、あれは…俺の腕輪。」


ユイが、そっと俺の腕輪を撫でるのが見えた。

それを見た瞬間、俺は苦しい気持ちになる。


「くそー、何で俺はダンジョンなんかになっちまったんだ。」


「ユイを…早くこの三人を育てないと…」

俺はピクシー2体を生み出した。


ピクシーは、魔法攻撃が得意な魔物。

飛行する為、動きを捉えにくいのが特徴。


「しっかり連携しろよ!」


盾役ダイキが前に出て、

背後からユイが魔法攻撃。

エイレンが……いや、エイレンも前に出て槍を振り回している。


「いや、違うだろ!

 ――エイレンも後に下がって、ユイの魔法をかわした所を上手く狙ってだなぁ。」


エイレンは、さらに槍を突き出す。


「あー、駄目だ。もう少し工夫しなさい。」

俺はマジックポイントを利用。

3体目のピクシーを生み出す。


しばらく戦闘した後…

"蒼き閃光"の3人は逃げ出した。


「また来いよー。」

手を振りたいところだが、どれが手なのか分からない。

自分の体なのに変な感覚だ。

とりあえず《木の枝》を振って見送った。


この体になったのは数ヶ月前。

突然、現れた大型のトロールから俺はユイ達、"蒼き閃光"のメンバーを逃がした。


最後に逃げた……


……つもりが追いつかれて。

頭に強い衝撃を受けた事を覚えている。


死んだ時、女神様の声を聞いた。


「死んじゃったわね。

 ――でも、生き返れるわ。

 ――次が――来たら――頑張ってね。」


とても清らかな声だった事は覚えている。

だけど……断片的な言葉しか記憶が無い。


『生き返れるわ』


その部分だけは、しっかりと覚えている。

でも、どうやったら??

肝心な部分が分からない。


頭をヤラれたからかなぁ。


――だが、女神様の言った事だ。

きっと良い事をし続けたら…

見守ってくれている筈。


「うん、きっとそうだ。」


氷に閉ざされたダンジョンの15階層、

――そこに俺の体は冷凍保存されている。


いつか……生き返る為に、俺は"蒼き閃光"を育成する。

そして15階層で、俺の体を発見して貰う。


「ユイに賭ける。」


――俺は、仲間を最強に育てて生き返る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。