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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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宇宙が存在する"必要性"がわからない

宇宙ってロマンの塊すぎるよねー。

 この宇宙には4つの力があるといいます。


 ――強い力

 ――弱い力

 ――電磁気力

 ――重力


 力はそれぞれ対応する粒子により生まれ、わたしたちを構成する物質を形作っています。その相互作用をもって、宇宙という大きな入れ物が成り立っているのです。


 ちょっと哲学的な疑問になりますが、宇宙っていったいなんなのでしょう? なんで素粒子なんてものがあり、なんで素粒子は現在の"宇宙"をつくっているのでしょう? そもそも、宇宙や素粒子なんて存在が必要な理由があるのでしょうか?


 天文学、宇宙物理学、量子力学など、現在"宇宙"を研究する学問は進化しまくっています。そのなかでも『宇宙の起源』ってのはものすごーく重要な問題ですよね。ってことでまず多くの人が信じてる(・・・・・・・・・)宇宙のはじまり(・・・・・・・)について整理してみましょう。




 前提として、現在の宇宙は『加速膨張し続けている』ことがわかっています。時間が経つにつれ膨らんでくってことは、より前の時間帯では『小さかった』ということが推理できますね。で、さらに時間を巻き戻していくと、やがて凝縮され尽くした1点になる、ということも予想できると思います。それこそ、いまここにある宇宙の起源だと思われます。


 今から138億年前、宇宙はまさに『無』の状態だったのです。ほんとうの意味で()です。時間や空間という概念さえ存在しないような[無]に、あるとき突然10のマイナス33乗センチメートル以下『10(-^33)cm』以下のめっさとんでもない極小サイズの『宇宙』が生まれました。プランクスケールレベルの世界なので、わたしたちが思いもよらないイベントも起こり得る世界です。


 あるとき、なんかわからないモノが、わたしたちの知る法則外の世界で生まれたってのが『宇宙の誕生』です。これもうわかんねーな。


 で、コレ(・・)が生まれた後すぐ――10(-^34)秒ほどの時間で――爆発的に膨れ上がる現象が起こりました。これがいわゆる『インフレーション』です。わたしたちの身体にひっつくノミレベルの大きさが、一瞬で銀河系よりはるかに大きなサイズへと変貌しました。


 さらにさらに、膨張した宇宙は『真空の相転移』により膨大なエネルギーが生まれます。えーっと、この世界は省エネ(・・・)でありたい法則があります。電子に強い光を当てると一時期メッチャ光りますが、当て続けなければ電子はそれらのエネルギーをすべて手放してしまう。法則的に、この世界は必要最低限のエネルギーだけ持っておきたいわけですね。それは真空という空間(・・・・・・・)にも当てはまります。一挙に膨張した時空が基底状態になるべくたくさんのエネルギーを放出したというイメージ。そうすっと、銀河より大きいサイズの『超超超超高エネルギーの火の玉』がそこに生まれることになります。じゃあもう爆発するしかないよね? ってことで起きたのが『ビッグバン』です。


 風船のような宇宙が、内部で爆発した火の玉によりさらに膨れ上がる。こうして宇宙はさらに大きく成長しました。ちなみに、ビッグバンは現在も続いてるそうですよ?


 素っ頓狂な理論に見えますが、たとえば『宇宙マイクロ波背景放射(輻射)』や現状宇宙が膨張している事実など証拠はたくさんあります。背景放射を見ると、宇宙に広がった原初の光はすべての空間にほぼ平坦にひろがっています(ググってみてください)。まあ熱いトコと寒いトコで3絶対温度程度の差はありますが誤差だよ誤差。ほぼ平坦に広がってるってことは『はじめは"1点"だった』と考えるのが自然ってのは冒頭でも書いた通りですね。


 これはもう確実だろってことで、現在の宇宙論はこれらの理論をもとに「こういうインフレが起きたんじゃね?」とか「ビッグバンはこういうモデルのほうが正しいんじゃない?」的なイロイロなモデルを考える研究が続いております。現状ある説だけで数千にも登るんだって。




 ザックリですが『宇宙誕生』についておさらいしてみました。見れば見るほど不可思議なインフレーションという事象。なんか知らんが最初にまず『無から生まれたなにか』があったってイキナリすぎない? みたいな感じですよね。そうそう、さらに混乱させるようなコト書くと、さっき宇宙膨張を風船に例えましたが、実際の膨張はドコを中心にしたわけでなく『すべての場所を中心に等しく相似的に膨張してる』イメージです。風船という限りある空間は考えずに、とりあえず『無限に続くゴムヒモ』をイメージしてください。それが伸びてって伸びてって――そんな表現が最も近いかもしれません。


 とはいえ、インフレは「そう考えたほうが自然だろ」という推理であって、確実にソレを観測できたわけではありません。なので『宇宙以前』だって存在する可能性があります。っていうか、実際そういう説もたくさんあります。多元宇宙とかビッグクランチとビッグバンのくりかえしとかイロイロあるので、興味ある方はググってみてください。


 宇宙以前があるかもしれない。そこにはわたしたちにとって思いもよらない法則があるのかもしれない。そもそも『物理学』や『量子力学』すら通用しない世界が待ち受けているのかもしれない……研究者たちはそんなややこしい問題にも直面しているのです。そもそもエネルギーとはなんなのか? なぜ宇宙なんて存在がここにあるのか? 宇宙という存在にどのような意味があるのか? ――その疑問に答えてくれる人はいませんし、なんなら学者さんたちがいちばん知りたい問題なのかもしれません。


 宇宙が存在する理由と聞くと、なんとなく『反物質』というワードを思い出しましたね。インフレからビッグバンのすぐ後に、物質は逆の性質をもち、ぶつかると対消滅を起こす反物質と生き残りをかけた壮絶バトルを繰り広げました。結果は今わたしたち『物質の勝ち』なのですが、ほんらいなら同じ数あるはずの反物質がなぜ負けたのか? なぜわたしたち(物質)が存在できてるのかはぜんぜんナゾなのです。


 そもそも『反物質』が存在しないということでしょうか? じゃあ反ニュートリノや反電子とはなんでしょう? 記憶違いでなければいいのですが、たしか雷で反物質が作られた的な話を聞いたこともあります。あと、真逆とはいえ完全に逆の性質をもつわけでもないので、こういった誤差が現状の宇宙を生み出している可能性も考えられます。


 ――結局、宇宙のことを考えると『わからないことがおおすぎる』という結論に達してしまうのです。




 あれ? 宇宙について書くつもりが『宇宙ってなんなんだろうね』っていう独り言で終わっちゃった感があるぅ……まあいいっか。


 えー、宇宙にはロマンが溢れています。SF作品では必ずといっていいほど宇宙要素がてんこ盛りですし、ループものや異世界転生にもこれらの知識が役立つでしょう。そういった物語を描きたいアナタ、ぜひ宇宙に関する本を手にとってはいかが? 書店ではたくさんの本が、アナタの手に渡る瞬間を心待ちにしているはずです。


 アナタの創作の助けとなれば、あるいは好奇心を刺激するキッカケになれれば幸いです。

宇宙の終焉に興味ありませんか?

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