【犬・分類】するってーと、犬はけっきょくネコなのかい?
犬って生き物を歴史や分類的な観点から見た話。
むかーしむかし、人間という生き物はご近所に暮らす『犬』という生き物に興味をもちました。そして、犬という生き物も『人間』という生き物に興味をもちました。
人「アンタらこのヘンの? ちょっちいっしょにひと狩りしない?」
犬「いいね!」
――まあそんな会話があったんかどうかは知りませんが、数ある『人間と犬が親密な関係になったきっかけ』説の中にはこういうものもあります。犬が人間に叱られない範囲で残飯漁りをしてたかもしれないし、やたらフレンドリーなにんげんがやたらフレンドリーなわんわんとパリピな関係になったかもしれません。まあきっかけなんてひとつとは限らんし、これらが入り混じった結果徐々に人間と犬が付き合い始めたんじゃないでしょうかね。
当時は犬じゃなく『オオカミ』なんだけどね。現状絶滅した『ハイイロオオカミ』の一種から派生して犬になったという話が定説となってるようです。
さて、わたしたちにとって身近な存在である犬ですが、こやつの正式名称っていうか、分類的なお名前は『カニス・ルプス・ファミリアーリス』といいます。中盤までのカニス・ルプスは『オオカミ』の学名だね。綴は以下の通り。
Canis lupus familiaris.
本日はわたしたちの隣人、いや隣犬? なわんこたちの分類やこれまでの歴史的なあたりを書いていこうと思います。たぶん以前どっかで『犬の歴史』とか『人間と犬の出会い』に関する話を書いた気がするけど、まあなるべく重ならないよう書いてくわよ。
『犬』っていう生き物が誕生した経緯はなんでしょう? いくつか説がありますが、個人的に支持したい説は『15,000年前のアジア説』ですかね。いろんな犬種のいろんなDNAを解析した結果、そのヘンを生息地とするわんこたちが最もオオカミに近い遺伝子だったんだよっていう研究があり、なかなか有力な説だと思います。ただ、15000年前って数ある説のなかでは新しいほうで、世界各地に存在する人がつくった遺跡のなかには、45000年前のものにイヌ科動物の骨が出土しています。
まあ食用だったのかもしれんけどね。ちなみに、現在でも中国などのアジア各国では犬を食う文化があるそうです。わたし自身犬が大好きですが、好奇心的な意味で犬を食べたいかもと思ったりします。いや、ご近所さんの犬をそういう目で見てるわけじゃなくて、あくまで食用としてのアレです。ブタちゃんだって飼ってる人いるでしょ? 魚や植物だって観賞用でも食用でもあるわけだしね? ――これ以上は脱線しちゃうのでやめときましょう。
さて、世の中に『哺乳類』が誕生したのは2億年以上も前。恐竜さんたちがキャッキャウフフしてた時代に遡ります。初期は千葉県所在のクセに施設名に『東京』の字を使ってるテーマパークでおなじみのあの動物に近い形状でしたが、そのうち恐竜が絶滅して食料調達が容易にできるようになった結果巨大化。現在地球上には様々な大きさの哺乳類が闊歩しております。
ちなみに、人間は哺乳類全体で見るとわりと大きいサイズ側です。
哺乳類と呼ばれてますが、生物の分類では『〇〇綱』って書きます。いちど階級ぜんぶ書いときますか。以下、生物学的な階級です。
生物
ドメイン
界
門
綱
目
科
属
種
ぜんぶ説明する文字数がアレ(ってかわたしにそんな知識ないッス)ので『こういう名前付けがあるんだな』程度に受け取ってください。あと細かいけど『下綱』とか『上目』とかあるけどそういうのは専門家じゃないとわからんでしょ(投げ
人間も犬も哺乳綱なので、わたしやアナタ、そしてアナタの隣で寝てるわんわんも、すべて2億年前に誕生した輩がスタートです。でそっから様々な『目』に派生してくんですが、犬が属する食肉目はだいたい6500万年前に枝分かれしたとされています。食肉目は別名『ネコ目』。つまりイヌとネコは同じ種目に属しているのさ。ってことで犬派も猫派もなかよくしよーぜ!
原始的な食肉目として『ミアキス』が有名ですね。場合によっちゃ生物学のテストに出るかもしれんから覚えといたほうがいいかもよ。
さて、なかよくしよーぜと言った矢先ですが、ここからわんわんとにゃんにゃんは『イヌ亜目』と『ネコ亜目』に分かれることになります。ってか食肉目からはぜんぶこの二種類に枝分かれ。ネコ亜目は我らがアイドル猫ちゃんのほかにもマングースやハイエナ、ヒョウとまあまあネコっぽいヤツらが仲間になります。じゃあイヌ亜目もそうなんか? って問われると――うーん。
ちょっと聞きたいんですけど、アナタにとって『クマ』って犬の仲間に見えますかね?
レッサーパンダはどう?
スカンクは?
アライグマは?
アザラシにセイウチ、アシカは犬の仲間に見える?
見えないよね。うん、まあぶっちゃけ見えないでしょう。イヌ亜目の特徴としては『引っ込まない爪』があります。まあキツネはちょっち引っ込めるけど完全じゃありません。あと『肉以外もわりと食う』っていう特徴もありますね。アナタのおうちにわんちゃんがいらっしゃるならわかるでしょ? あいつら何でも食うよなぁ(遠い目
まあこいつらは『イヌ』とは別方面の枝なのでそこまで深い関連性はありません。ただ、食肉目くらいまで遡ると同じ血統なんだよというトリビアでした。
さあ、そろそろイヌっぽくなってきます。っていうか『イヌ科』の登場ですね。だいたい4000~5000年前くらいにはじまって、そのなかでも原初とされるイヌ科には、オオカミにイタチのような外観を混ぜ込んだっぽい『ヘスペロキオン』という生き物がいます。先生、ぜひテストに出して生徒たちを困らせてください。
イヌ科最大の特徴として『趾行性』があります。いわゆるひとつの『つま先立ち』です。アナタの家で暮らすわんこも、ご近所のわんこも、そしてわたちの隣で寝てる黒ラブもぜーんぶつま先立ちです。この足の形は長時間の活動を可能にする上、強力なバネにより地面を蹴るタイプの瞬発力を生み出しています。この能力を活かすため、実はわんちゃんの後ろ足はすべて『4本』なのです。ちょっと確かめてみてね。
あ、そうそう。この時代はまだこういった生き物はほそぼそと暮らしていたので想像以上に小型です。上記ヘスペロキオンくんは体長わずか40センチほど。生き物ってのは生きる余裕が生まれた時はじめて大型化してくので、まあ当時は厳しい環境だったんだなぁって想像しときましょう。
で、イヌ科には『タヌキ・キツネ』など馴染みあるやつらが多いのですが、そのなかでは『南米メインのイヌ属』と『イヌ属』に分けられています。理由は気にしなくていいです。なんか分類したら遺伝的にこうだよね? ってなったからこうなりました。
わたしたちの友である犬は『イヌ属』に含まれます。およそ700万年前に分岐したとされ、ほかに『オオカミ・コヨーテ・ジャッカル・ドール・リカオン』などが所属していますね。これらを見比べると、なんとなーく『犬感』があるように感じますね。
イヌ属の特徴は『集団をつくることもある』ってことです。社会性が育まれた動物なんですね。とはいえゼッタイに集団を作るものでもなく、単独で狩りを行ったり必要であれば集団で暮らすなど、ある程度幅があるようです。さらにイヌ属は『なんでも食う』ってのが特徴。今までの分類以上になんでも食いまくりで、ふつうの肉食から果物、野菜までなんでもござれ。なかなか強力な消化器官を有してるようですね。
あ、消化器の強さでいうと肉を消化しなきゃイカン肉食専門獣のが強いか。
残る分類は『種』のみですね。これは『オオカミ種』に属しています。つまり『オオカミ』だけをダイレクトに指すものですね。およそ100~150万年前に分岐したとされ、オオカミは現状地球上に存在する『イヌ科』のなかではかなり大きい部類にあり、ピンと立つ耳、ツンと突き出した鼻、もふもふの毛並みが特徴的です。
日本のオオカミは絶滅してしまいましたが、実は世界でも『絶滅の危険があるから注意してね』っていうカテゴリになってます。くわしくは『国際自然保護連合 オオカミ』でググってください。
そして、諸説ありますが今から約15000年前に人と出会った結果、オオカミは『犬』という新たな種類をつくることになりました。
犬の分類を突っ走り解説したけどどうでしょう、うまく説明できたでしょうかね? まあこういう話はどこにでも書かれてたりするものなので、好奇心がうずうずしてきたらネットで検索するなり本屋でなんか購入するなりしてみてください。好奇心は人間がもつ大きな特徴でもあります。
オオカミにとって、人間はどういう生き物だったのでしょう? そしてオオカミが『犬』になったとき、当時の犬たちにとって人間はどういう生き物だったのでしょう? 当時の遺跡の話を読むたびに、人間と犬がどれほどの絆で結ばれていたのか想像尽くしがたいものです。
アナタは犬、すきですか? わたしはすきです。だいすきです。毎日げんきをくれるわんわん。暗闇のなか、赤い舌を垂らしてわたしを驚かせる黒ラブ。はやくいこーぜ! とさんぽを急かすのも、アナタに甘えて体当たりを仕掛けてくるのもぜーんぶステキな思い出になります。
どうかその時まで、ずっと幸せに過ごしてほしいものです。
犬もダイエットすんのかな。




