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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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【歴史】手話入門の入門【言語】

福祉な観点でみなさんご存知の手話ですが、これ実はバリエーションがあるってご存知でした?

 先天的、後天的な事情で耳が聞こえない方がいらっしゃいます。他人の声が聞こえず、場合によっては聴覚で情報を入手したことがないため喋ることもむずかしい方のため、コミュニケーションツールである『手話』という技術が誕生しました。


 個人的にかるーく調べてみたのですが、手話の根本的な歴史は不明のようです。とりあえず文明開化が進んだ明治時代から『手で話す』という概念が広まったものの、それ以前から手話っぽいなにかでろう者同士がコミュニケーションをとっていた的な事情はあったようですね。手話はその後もほそぼそと続きましたが、お国の「聴覚障害者でも"日本語"を喋れるようになれ」という方針により、聴覚障害者は『口語法』という、口の動きで言葉を読み、自らもその動きをマネしてしゃべるような訓練が行われていきます。結果、一時期手話という存在は忌避されるような感じになっていきました。


 戦後になり、ようやっと手話の素晴らしさや利便性、有能性に注目が集まり、少しずつろう者の手話人口が増えていきます。まあ上記のような問題もあり、なかなか聴覚障害者は肩身の狭い思いをしていたようですが――このあたりの苦悩は『()む』という映画作品で詳細に騙られています。わたし個人でも視聴感想を書いているので、気になる方は『【映画視聴感想】耳が聞こえなくてもがんばる! という"聞こえる人"側からのバイアス【咲む】』をチェックしてみてください。


 日本で『手話は"言語"だよ』と認められたのは2011年のことです。そんな波乱万丈の時代を生き抜いた『手話』というヤツな何者なのか? ここでちょっと語っていきたいと思います。ちなみに、視覚障害者のことを『ろう者』、その問題もありしゃべれない方を『ろうあ者』と呼び替えることもできます。保健のテストに出るかもしれないから覚えといてね。



 いきなりヘンなコトを書きますが、アナタがしっている『手話』は手話ではありません。日本で使われている手話は2種類あったりします。


 多くの方が知っている手話は『日本語対応手話』という言語です。名の通り日本語に対応した手話で、たとえば「わたしの名前は太郎です」を手話で表現したいとき、そのまま『わたし → 名前 → 太郎 → です』という流れであらわします。このヘンはてきとうな動画で試し観してください。


・YouTubeチャンネル、こだYouTube手話サークル より

ttps://youtu.be/afrzE-UCgzE


 動画を見て気づいたと思いますが、同じ手話でもバリエーションがあったりします。東日本と西日本で『名前』を表す動きが異なったり、日本語と同じように方言もありますね。


 このように、日本語に沿ったルールで表現していく手話が『日本語対応手話』です。続けて、むかーしのろう者が使ってきた『日本手話』を紹介しましょう。


 日本手話はろう者が昔から使ってきた由緒ある手話でございます。本来の手話といってもいいですし、日本語対応手話の母語なんてカッコイイ表現もできるかもしれませんね。


 日本語とはまったく異なる特性や文法をもっています。で、ぶっちゃけ日本語の文法は無視します。が、日本語という(・・・・・・)別言語に(・・・・)合わせてない(・・・・・・)ぶん幅広い表現があり、表現が豊かになっています。いるはずです、わたし手話知らんけど。ろう者の人がそう言ってるんだから信じよう。差を感じたいという方、下記の動画が参考になるかなと思います。


・YouTubeチャンネル、Mitsue_deaf より

https://youtu.be/ijADA4kQwgg


 個人的に『わざわざ言わなくてもイイことを省き、要点をかいつまんで表現してる』感じがしました。コミュニケーションってのはつまり相手にイメージさせる(・・・・・・・・・・)ことですから、日本手話はその点を重要視した言語なのでしょう。そのぶん自由度があり、個々により表現のしがいがあるということなのでしょう。あと『モノの動きや位置、形や大きさ』などを表現する『CL構文』という文法もあり、日本手話は使う人のセンスが問われそうだなと思いました。


 歴史的な経緯のとおり、手話はもともとご近所ろう者さん同士がコミュニケーションをとるための手段でした。当然ながらグループにより表現はバラバラです。言ってみりゃ『チームスポーツで使うサイン』みたいなものです。自分たちだけが通じて他人には通じない、当時孤立(・・)していた彼らからすれば、それだけできれば充分だったのでしょう。手話という文化が広がっていくにつれご近所や地方の手話が合体していき、現在の日本手話のような形になっていきました。


 コミュニケーションツールとしてはこちらのほうが良い手話なのかもしれません。まあ個人的な感想ですが。




 ここまで日本手話を語っておきながら、実際に使うならどっちがいいと問われたら『日本語対応手話』を選ぶんですけどね。しゃーない、使用人口が段違いだもの。手話ニュースや記者会見などの隅っこにあらわれる手話通訳士さんが使ってる手話も日本語対応手話ですし、地方にたくさんある『手話教室』で教えてる手話もだいたい日本語対応手話です。


 日本語対応手話は、とくに『健常者が手話を学ぶとっかかり』として最適なのです。だって普段自分が使ってる文法や言葉をそのとおり使えるから。ためしに日本語を『英語文法』に合わせてしゃべってみてください。なんかヘンな気分になるでしょ? ――日本語対応手話はそういった違和感を覚えることなくスムーズに手話を学べる、どっちかってと健常者に最適の手話だったりするんですね。手話通訳士は日本語対応手話の通訳をするので、日本手話専門の方からすると「それぞれの"単語"はなんとなくわかるけど"意味"がわからない」という感じになる流れもあったり、わりとややこしい話なのです。


 言うて、実は日本手話と日本語対応手話、どっちもそこまで違う言語というわけではありません。ろう者の中には日本手話と日本語対応手話を並列して使う方もいます(というか多いです)し、普段の生活のなかでそれらを意識して区別してる方は少ないんじゃないでしょうかね。まあなんやかんや書きましたが、手話に関してまずは『日本語対応手話』から入ったほうがスムーズだよということです。




 2010年、国際連合障害者権利条約では「手話はれっきとした言語なんだぜ」と宣言されています。世界でも手話を公用語としてる国もありますし、日本でも今後ますます手話の認知度が広まっていくでしょう。


 言うまでもないことですが、アメリカにはアメリカの、フランスにはフランスの、中国には中国の手話があります。もし興味ある方はそちらの手話も調べてみてはいかがでしょう? 意外と日本の手話に通じる何かがあるかもしれませんよ(日本手話語族)?


 世の中にはたくさん、ろう者が登場する作品だったり、聴覚障害者が活躍する作品が登場してます。そういった作品に目を通し、ろう者ならではの世界観を確かめてみましょう。今までの自分にない新たな視点を知る、それだけで人間は大きなインスピレーションを得られるものです。


 声を必要としないコミュニケーション、いいですよね。

話中に紹介した『咲む』は、ろう者の監督が自ら指揮をとり様々な障害をもつ方とともに作り上げた珠玉の作品です。ぜひ観てみてください。

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