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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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【心理術】他人のホンネを推察しよう

人間関係ってむずかしいよね。そんなときは、心理術を駆使して相手のホンネを知った上で、相手の心に合わせた対応をするといいんじゃないかな。

 心理学ってのはれっきとした『科学』です。仮説をたて実証するためのモデルをつくり、そこから得たデータを検証した上で論文化、査読をする方がそれらの方法に誤りがないか、正しい結論を導き出しているかをチェックし、さらに同じ条件の実験を複数行った上で、やっと『エビデンス』というのが積み上げられていきます。逆に言えば、どんだけ有名な論文や説をひっさげても、度重なる検証で異なる結果が導き出された場合、それにエビデンスが無い可能性のが高いってことです。


 科学の進歩が著しい一方、とくに科学的根拠が無いにも関わらず浸透している知識や概念もありますね。人間関係に関するあれこれテクニックなんてその最たるモノだと思います。人間の心なんてシロモノですから、どうすれば相手と仲良くなれるかなんてわからないじゃないですか。


 たしかに人間関係とかソッチ系統は『社会心理学』とか『行動心理学』的な分野でしっかり研究されてます。けど、人の心を解き明かすには、数百年程度の歴史ではまだまだ先が遠すぎる。どうすれば良好な人間関係を築けるかという意味では、心理学のすべてを駆使しても難しいものがあるでしょう。とはいえ、エビデンスの強さ(・・)に差はあれど、少しずつ人間の心は明らかになっています。


 今回のテーマは『心理術』です。心理学じゃありません。上記の心理学研究によって浮かび上がった「人間ってこういうときこういう心理になるよね」的なアレコレを集計して、それを応用して人間関係に活かせそうなテクニックをまとめたのを心理術と呼びます。アナタがなんとなーく知ってるレベルのあんな仕草から、初めて知るレベルのこんな仕草まで幅広くご紹介していきましょう。




 まず、人間の心を推察する『情報はあちこちに転がってる』ってのを覚えときましょうか。基本的に、他人が何を考えてるかなんてわからないが正解(・・・・・・・・)なんですけど、ちょっと観察すれば、相手の心が見え隠れするような情報はあちこちに転がっています。今回は相手の動きを観察し、ホンネを推察する術を紹介していきましょう。


 『なだめ行動』という言葉があります。人が不安や緊張を覚えたとき、それを和らげるため身体のあちこちを触れたり、弄ったり、なんらかの行動を起こすする行為です。


 よく表れるのは『唇』です。舌で唇をなめる、指で触れる、手で覆い隠す……これらは不安や緊張を和らげるほか、隠し事がある場合、考え事をしている場合も唇に触れる傾向があります。相手とビジネスライクな会話を繰り広げている時、このようなしぐさを察知したら「冷静になって、次に話す話題を探しているのかな?」と推察するのも良いでしょう。ちょっとヤラしい手段ですが、その仕草は考え事や緊張してる合図なので、心を休ませないためさらに畳み掛けるなんてこともできます。


 唇を話題に挙げたので、ついでに『言葉』にも言及しときますか。まあ口ぐせと言い換えることもできます。たとえば「すみません」が口ぐせの方は依存気質の傾向があります。心理学で『迎合行動』とも言うのですが、要は『相手のふところ(・・・・)に入りたいなぁ』っていうアレです。わたしは威圧的な人間じゃないよ、ちゃんと謝ることができる人間だよ、だから仲良くしようね。的なイメージですね。


 「ふつうは~」という口ぐせ。これは『わたしの意見』ではなく『一般的な意見』という表現にすることで、自分の自信の無さ(・・・・・)をカバーしている心理の表れです。責任逃れの常套句とも言えますが、単に考えるのがメンドクサイ症候群を患ってる場合もあります。自分に自信をもって、しっかり意見を言えるようにしたいですね。


 「別に……」――上司のみなさん。部下からこんな口ぐせが飛び出したことはありませんか? これは『言いたいことがあるけどガマンしてる』心の表れです。その部下の意見、普段からちゃんと聞いていますか? これが口ぐせになっていると、普段から「どうせ言ってもムダだろうなぁ」なんて思われているかもしれません。きちんと部下の意見も聞いてあげてください。


 友人とのおしゃべりは好きですか? もし、その友人が相槌をうったり「へー、なるほど~」なんて言葉が頻発するようになったら、アナタの話に飽きがきてるかもしれません。お友達の『アナタの話聞いてますよアピール』に安心する前に、急いで話題を変え友人の気持ちを切り替えてあげましょう。相手の話に興味がある時、人は『前傾姿勢』になり相手に身を乗り出します。ちょっとわかりにくいですが『瞳孔が開く』のも興味アリのサインです。逆に、妙にカバンを漁る時間が増えたり、やたら頷く動作が増えたり、周りを見渡す仕草が見えたら飽き(・・)のサインです。さっさと話題を切り上げるか、他の話題に変更しましょう。


 この他にも、口ぐせから見える心理はたくさんあります。ちょっと周りの人の口ぐせを観察してみてください。ほんのりと、そういうホンネが見え隠れするのではないでしょうか?




 相手が自分に興味関心を持っているか知りたい時、ちょっと『足元』に着目してください。つま先がアナタの方向に向いていたら、アナタへ興味を示している証拠です。逆に、相手のつま先が横方向に向いている時は、アナタを無意識に避けているかもしれません。また、つま先が『出口』方目に伸びている時は(はやく帰りたいなぁ……)という心理がニョキッっと出ています。軽い挨拶程度に済ませておき、その場は退散したほうが賢明ですかね。


 電車の座席に座るとき、足を開くのは自分のなわばり(・・・・)を確保したい心理の表れです。スペースを確保して安心したい、相手に近づいてほしくないという心理が働いている、場合によっては不安を感じている場合もあります。足を組むのもまた不安を抱えている場合が多く、また完璧主義な性格の場合もこのスタイルが多いようですね。足を組むまでいかず、片膝の上に乗せるスタイルの場合、自分を大きく見せたい、いわゆる自己顕示欲が強い傾向にあるようです。偏見かもしれませんが、海外の討論番組を見ると、よくこのスタイルで談笑する政治家やタレントの方が多いように思えます。まあ『自信をもって話をしたい』という場合、このスタイルをすると良さそうですが、会議中にヒザに片足乗せるなんてことした日にゃあ、もう「おまえ何様のつもりだ?」なんてお説教くらっちゃいますよね~。





 こういうお話をする時は『目は口ほどに物を言う』という言葉もある通り、目や視線に関する心理を紹介したいところなのですが……目はねぇ、アリすぎてまとめられないんですよ。同じ動作でも場合により心理が異なります。たとえば『目をそらす』ってのは退屈、相手の話に飽きたという場合出る行動ですが、ほかに考え事をするとか、ウソをついているとか、聞こえた音に耳を傾けている場合でも目を逸したりするんです。そらす方向による心理的変化もイロイロありますし、もう目だけで1作品できちゃう感じなんです。なので、今回は目や視線に関するお話は避けときます。まあ、気が向いたら書くかもしれないですね。


 言うまでも無いでしょうが、これらは心理学の研究により「こうなんじゃね?」とされた説の数々です。当てはまる人が大多数と思われますが、必ずそう(・・)というわけじゃないのでご注意ください。


 アナタはホンネを知りたい相手、いますか? もしいるのでしたら、ちょっと相手のしぐさや行動、服装などを観察してみてください。そうすると、その人が隠しているアレやコレの心理、つまり心のウラガワ(・・・・・・)が見えてくるかもしれません。まあ、知ってどうするんだっていう感じですが、それはまあ、アナタ次第です。決して悪用しないよう、うまく活用してくださいな。

相手を観察するアナタも観察されています。

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