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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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【栄養学】アンチエイジングに良い食事

何を食ったかで人の身体は変わる――いや、替わる(・・・)のですよ。

 身体は代謝を繰り返しています。昨日まであったアナタの細胞と今日あるアナタの細胞とでは、中の素材(・・)は同じでもまったく別のものなのです。早ければ数日、長くても半年程度で入れ替わっていく身体の部品。それを形作っているのは、日々食卓に並べられている食べ物の数々。わたしたちはそれらの命を平らげてわたしという命を繋いでいるのです。


 素材に隔たりがあれば、身体の細胞はうまく交換できなくなります。髪の毛をつくるのに亜鉛やミネラル類が必要ですから、そういった栄養を摂取しなければどうあがいても髪の毛は伸びていきません。だって材料がないんだもの。どんな優秀な職人さんだって、素材や道具がなきゃなんにもできないでしょ? 逆に言えば、職人がどんなにお年寄りになったとしても、材料や道具さえ整えてやればまだまだ素晴らしい作品を作ってくれるかもしれない、というわけです。


 っということで、今回はタイトル通り『アンチエイジングに良い食事』を題材に書いていきましょうか。




 アンチエイジング、つまり『抗老化』ですね。前提として、人間の生理機能は成熟期以降――まあ二十代以降くらいなイメージですか――衰えていきます。それに対抗するため老化しない(・・・・・)手段を講じることをアンチエイジングと呼びます。決して『若返る』的なイメージではないのでご了承ください。時間を戻すことはできない、現代科学の力でも、これはどうしようもない現実なのですよ。


 老化を遅らせる食事はなにか? これがアンチエイジング食を考える上で重要になってきます。キーワードは『今ある健康を維持すること』です。まず「老化ってなんだよ?」的なお話から始めましょう。まず、老化の要因は主に2つです。


① 遺伝的要因

② 体成分の酸化


 『①』はどうしようもないでしょう。ゲノム編集なんて言葉がありますが、さすがにテロメアを伸ばし続けるなんて芸当はできませんし、遺伝子自体が紫外線など外部からの攻撃(・・)によりダメージを受けていますので、遺伝的要因を完全に排除するのは難しいです。『②』に関しても同じことが言えますが、それでも『①』よりは難易度が低いといえるでしょう。今回紹介する『食事におけるアンチエイジング』では、身体の酸化を防ぐってのがメイン課題になります。


 老化スピードを左右するのは、身体に存在する『活性酸素』です。わたしたちは呼吸により酸素を取り込んでいますが、ぶっちゃけ酸素って生命にあまりよくないのです。好き好んで他の物質とくっつきたがりますし、電子をやりとりしたくてアッチコッチ飛び回りますし――ほんとに厄介な存在です。活性酸素は無いほうがいいんですが、生命は進化の過程で「よし、今後は酸素を活用しようと思う。なにか意見あるやつは?」「「「異議なーし」」」っていう議事録を残しちゃってるからしゃーない。


 厚生労働省が設けている『e-ヘルスネット』によれば、活性酸素は『酸素原子を含む反応性の高い化合物の総称』です。体内では酸素を取り込んでエネルギーを生産しますが、その過程でどうしても活性酸素を生み出してしまうのです。それが体組織の脂質、たんぱく質、核酸などを傷つけてしまい、またメンドウな『過酸化脂質』を発生させちゃうんですね。こいつは血管を傷つけて動脈硬化を起こしたり、わたしたちの地図(・・)であるDNAを攻撃してガンを誘発するなど悪逆非道の限りを尽くします。シミ、シワ、くすみだってこいつの仕業なんだぜ?


 活性酸素ひとつでこんなヤベー変化があるの。マジヤバくない? ってことで、食事の話の前にまず『活性酸素を溜めない工夫』について書きます。




 活性酸素は以下のような要因で増加します。


・偏った食生活

・ストレス

・タバコ

・過剰なアルコール摂取

・紫外線

・排気ガス

・農薬    etc...


 この他にもたくさんの要因がありますが、食生活やタバコ、お酒は大きな問題ですよね。ストレスも要因になるので、活性酸素を溜めないためには『規則正しい食生活をして、タバコやお酒を控え、ストレスのない毎日を過ごす』ってのが正解です。が、実際問題これらを習慣化するのは難しい方、多いですよね? ――そんなアナタに、体内に溜まった活性酸素を除去してくれるあちがたい成分と、その成分を含む食材をご紹介しましょう。


 よく「〇〇には抗酸化成分があって~」みたいな言葉を聞くでしょう? ってことで以下の成分をご覧ください。


・ポリフェノール

・カロテノイド


 これらは抗酸化作用の代表的栄養素と言えます。じゃ、さっそく書きますわ。



:ポリフェノール:


 光合成で作られる『植物の色素や苦味、渋みの成分』を総称した名前がポリフェノールです。色素成分をとくに『フラボノイド』、それ以外を『フェノール酸』と呼び分けることもありますね。ポリフェノールはすべて(・・・)抗酸化作用(・・・・・)をもつ(・・・)という素晴らしい栄養素で、すぐ吸収され作用を発揮してくれる根っからの仕事人です。こんなありがたい栄養素を摂取するにはどんな食べ物が良いか?


 まず挙げられるのは『色の濃い野菜』です。色素成分であるフラボノイドが多い濃いめの野菜を食べることで、効率よくポリフェノールを摂取することができます。スーパーで野菜を吟味する時は、ぜひ野菜の色の濃さをじっくり観察してみてください。さらに、以下の食材もおすすめです。


・ブルーベリー

  アントシアニン

・大豆

  イソフラボン、サポニン

・そば

  ルチン

・コーヒー

  クロロゲン酸、カフェ酸

・緑茶、ワイン、ほうじ茶、紅茶など

  タンニン

・カカオ豆製品(チョコレート、ココアなど)

  カカオマスポリフェノール


 ポリフェノール類は『水に溶けやすい』という性質があるため、消化が早くすぐ効力を発揮します。その分すぐ効果が無くなったりしますので、ポリフェノールは毎日摂取する習慣をつくりましょう。



:カロテノイド:


 動植物の『鮮やかな色素』を生み出す成分です。ポリフェノールでも同じことが言えますが、いわゆる『緑黄色野菜』ですね。動植物と書きましたが、動物(人間含む)は基本的に自力で作れない物質なので、やっぱり野菜を食べることが必要になってきます。こちらも『カロテン』と『キサントフィル』に分けることができ、おおまかにビタミンAの材料になるのをカロテン、それ以外をキサントフィルと呼ぶようです。


 カロテノイドが欲しいなら『色鮮やかな野菜』を食べましょう。トマト、赤ピーマン、その他モロモロの色鮮やかな野菜は、それだけカロテノイドを豊富に含んでいます。例によってスーパーではより鮮やかな色をした野菜を吟味していきましょうね。カロテノイドを摂取するなら、主力は野菜類になります。


・にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど

  α-カロテン、β-カロテン

・トマト、すいか

  リコピン(リコペン)

・赤ピーマン

  カプサンチン

・エビ、カニ

  アスタキサンチン

・卵黄

  ルテイン

・褐藻類(もずく、こんぶなど)

  フコキサンチン

・レバー

  ゼアキサンチン


 カロテノイド類は『油に溶けやすい』という性質があるため、油と一緒に摂取すると吸収率が高まります。献立にお肉が登場するのでしたら、併せてこれらの食材を用意してあげると余計な活性酸素を生み出さなくなるかもしれませんね。




 この他、抗酸化作用をもつ食材は多々ありますが、それまで書いちゃうと情報の暴力になるのでここで打ち止めにしましょう。とりあえず、抗酸化作用に関しては上記ふたつを覚えれば充分です。


 活性酸素は老化の元。それらを除去するこれらの栄養素をうまく取り入れ、ぜひともアンチエイジングな身体を身につけていってください。


 アナタの心身の健康を祈っています。

ご存知の通り、アンチエイジングは食事だけじゃ難しいのですよ。ってことで……


『食事×運動×睡眠』でよろしくお願いします。

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