【学校に通う人必見】教育相談とスクールカウンセリング【臨床心理学】
学校に通う児童・生徒たちの「こころの相談」に関するサポート体制を紹介。
小学生、中学生、高校生、年齢を問わずためになる知識が詰め込まれています。アナタの学校にも『スクールカウンセラー』がいると思いますよ?
『心理学』というと、なんか「他人の心を読めるんだな!」とか「相手を思うがままに操ることができそう!」なんていうイメージがあったりすると思いますが、世の心理学者はそういったことをぜんっぜんできませんのでご安心ください。
っていうか、心理学を学べば学ぶほど『他人の心は読めないしわからない』ってことがよくわかってきます。でもまあ、そうですねぇ……相手の心を読むとはちょっと違うのですが、ソレっぽい技術はあります。気になる方は『コールド・リーディング』でググってみてください。今回はそういう話ではなく、アナタたち、若い世代にぜひ知っておいてもらいたいお話となります。
心理学はれっきとした『科学』です。様々な研究をすすめ、それによって得られた知識を様々な世界で応用します。人の心が弱ってしまったとき、どうアプローチすれば良好な状態へ近づけるか? っという実践だって心理学のひとつなのです。これを『臨床心理学』と呼びます。
世の中にはたくさんの『こころに逆境を抱えている人』がいますね。老若男女実に様々ですが、今回紹介するのは未成年に関して、それも『学校生活』にかかわるアレコレをサポートする『教育現場』にターゲットを絞った分野になります。教育領域でのコミュニティ活動は、その後の人生を左右するかけがえのない時期です。そんな時間を健全に過ごしていけるため、教育現場では様々な心のサポート体制が敷かれているのです。
本日はそんな『教育現場の臨床心理』を書いていきましょう。あ、若くない方にも有益な内容ですので、どうぞこのままお読みください。
『教育相談』というワード、学校に通う方なら耳にしたことがあるのではないでしょうか? 児童、生徒に対し、教育現場では以下のような問題解決へのサポート活動を行っています。ひとつひとつ書いて行きましょう。
・学校内教育相談
・自治体や教育委員会管轄の"教育相談施設"
・スクールカウンセラー
・特別支援教育
『学校内教育相談』について。臨床心理的なテーマで書いていますが、学校内教育相談は、かならずしも心の相談に限らず、ありとあらゆる相談事を受け付ける活動です。勉強のレベルが高すぎるから補習してくれとか、学校の教育カリキュラムに無い分野も学びたいから、なんか情報がほしいとか、そういった相談も受け付けております。もちろん、イジメや家庭内暴力など、こころの問題に関する相談も受け付けており、この役割を担うのはスクールカウンセラーのほか、担任の先生や生徒指導担当の先生、養護教諭などが割り当てられています。
他の要素もそうですが、だれが『学校内教育相談』の役割を担っているのかわからない場合、学校の『校務分掌』を先生に聞いてみてください。校務分掌ってのは、学校内で誰が何を担当するかを割り当てた名簿になります。だいたい担任だと思いますが、まあ気楽に聞いてみてください。
とくに、先生方は生徒と触れ合う時間が長いだけに、生徒たちの変化に気づきやすいのです。どうせわたしのことなんて……とか思ってるそこのアナタ、先生はそういった変化を感じています。あとは、アナタが打ち明けるだけかもしれませんよ? 学校内においては『保健室』も重要な役割を担っていますね。学校によっては保健室に登校することも認めており、身体においても、心においても『保健』を大切にしている教室なわけです。
『自治体や教育委員会管轄の"教育相談施設"』について。ここは学校で相談しにくい事を相談する時に活用できます。不登校児を受け入れる『教育支援センター』なども各自治体に存在しており、学校に通わずとも、こちらに通うことで卒業に必要な単位を取得することができます。本人や保護者の申込みの他、学校や教育者の依頼でこちらを紹介されることもあり、幅広い受け皿をもっているのも特長です。
心理職の資格として『公認心理師・臨床心理士』などがありますが、教育支援センターでも職務にあたっており、相談員として子どもたちと接しています。ただ単純に職員がいる、というわけではなく、ちゃんとした専門家がいるというのは安心できることですが、心配事もあります。
教育支援センターは、あくまでも支援が主な役割です。センターでお世話になっているうちにここが『唯一の居場所』になってしまい、いざ進学した時、進学先で再びつまずいてしまうケースも残念ながら存在するのです。なので、教育支援センター(適応指導教室)がその子にとって社会のすべてにならないよう、配慮しながら付き合っていく必要があります。
『スクールカウンセラー』について。これは『学校教育法施行規則』という法律によって定められた、学校に通う児童、生徒たちの『心理に関する支援』に従事する方です。こころの問題を抱える児童生徒、保護者も交え、個別面接やグループ面接などを活用し、子どもたちを支援していく職員になります。
だれでもスクールカウンセラーになれるわけではなく、やはり『臨床心理士・公認心理師』などの資格や、精神科医であったり、大学教員資格をもつなど、一定の条件をクリアしなければなりません。
あまりに厳しすぎるという意見があったため、2000年代から『スクールカウンセラーに準ずる者』的な枠も設けられましたが、依然として高いレベルを要求されています。このヘンは、文部科学省内部で検索してみてください。
言うまでもなく『心理の専門家』ですから、臨床心理に関する幅広い知識で子どもたちを支援できますね。また、彼らは先生に対する支援も行っております。先生だって人間です。どうしたって「どうやったらあの生徒とうまくやってけるのだろう……」とか「あの生徒はなかなか心を開いてくれないなぁ」とか「あの生徒と付き合いたいなぁ」なんて悩みをもっているかもしれません。最後の悩みはアウトですが、そうでない場合はスクールカウンセラーが相談に乗ってあげることもあります。
また、先生が『教育相談』で生徒を支援している時、支援活動を支援することも行います。こういった、専門家が専門家に対し助言を与える事は『コンサルテーション・リファー・コーディネーション・コラボレーション』とイロイロな用語や表現がありますが、とりあえずそういうこともやってるんだなぁとイメージしてください。
スクールカウンセラーは大忙しです。まだまだやれることはたくさんあって、たとえば学校外の専門機関(児童相談所や各種医療機関など)と連携したり、場合によってはスクールカウンセラーの判断で警察の助力を願うこともあります。スクールカウンセラーを活用してくれるための広報活動なども仕事のひとつですね。
ほかの活動もそうですが、総じて相談を受けた職員は『守秘義務』が発生します。しかし、いくら秘密を守るからといって、その子の命が危ない! とかそういうレベルになったら話は別ですよね? まさか、秘密を守るためなら子どもの命なんてどうでもいい、なんてこと言えないじゃん? ――ということで、ある条件下においては、保護者に相談したり、警察に打ち明けて対応してもらったりすることもあります。子どものプライバシーを遵守しつつ、学校全体の守秘義務や緊急対応なども考えなきゃいけない。スクールカウンセラーって給料に見合わn、あ、ちがった。えーっと、とても重大な任務を背負っているのですね。
『特別支援教育』について。社会参加に壁がある子どもたちの適切な教育、自立、社会参加に向け、子どもひとりひとりのニーズに合わせ、様々な困難を乗り越えられるよう支援していく活動です。2006年に『学校教育法』が一部改正されたことをキッカケに、特別支援教育も大幅にパワーアップしました。
とくに名前があがるのは『発達障害』ですが、その他にも視力や聴力などに障害を抱えていたり、身体的な障害を抱えている子たちへの対応も含まれています。かんたんに発達障害と書いていますが、そのなかみは『高機能自閉症・学習障害・AD/HD』などまあ多岐にわたります。これについて書くともう5000文字くらい必要になっちゃうので省略するとして、特別支援教育を担当する方は、子どもたちがどのような発達障害になっているのかを見極める『アセスメント』も行う必要があります。
アセスメントをして、子どもの障害に合わせた『専門家としてのアドバイス』を行い、質の高い教育を目指します。しかし、このアセスメントってのが難しい。子どもがどんな壁に悩まされているのかを見極めるのって、実はその筋のプロでも難しいんですよ。たとえば『IQテスト』とかあるじゃん? それをやって低い点数だとしても、じゃあ『=学習障害』ですねというわけではなく、実はテストという緊張感から、本来の実力を発揮できなかったという場合も考えられるわけで、安直に決めつけるわけにはイカンのです。
子どもの能力を見極める慧眼と深い専門知識、どちらも兼ね備えているのが特別支援教育者ってわけですね。
子どもは『国の宝』と呼ばれることもあるそうです。この先ながーい人生が待っているのに、大切な時期に心の問題でつまずいてしまった、っていうのは悲しいですよね?
大人たちは、そんな子どもたちを支援するためたくさんの活動をしているのです。もし、今アナタの心に問題を抱えているのでしたら、騙されたと思って先生やスクールカウンセラーに相談してみてはいかがでしょう。人は相談するだけで心が軽くなったりします。こういった活動をしてる方々は、漏れなくアナタの話を真摯に受け止め、アナタのためイロイロな支援を用意してくれます。アナタが打ち明けたい想い、ぜひ、スクールカウンセラーに相談してみましょう。
最後に、教育相談に関する情報が目白押しな『文部科学省』のページを紹介しておきます。先頭に『h』の文字をプラスしてください。
アナタの心身の健康を祈っています。
文部科学省:トップページ
ttps://www.mext.go.jp/
わたしもスクールカウンセラーに甘えたい。




