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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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【栄養学】ビタミン・ミネラルに関してありガチな罠

主要成分じゃない。だけど、縁の下の力持ちで、身体に無くてはならない成分の話、やっていきましょう。

 三大栄養素といえば『糖質・脂質・たんぱく質』です。基本的に、人間という生き物はこれらの栄養源をエネルギーに変換して生きてます。人間というか、まあだいたいの生物はこれらの物質がエネルギー生産物質ですね。


 そこに、今回話題に挙げる『ビタミン・ミネラル』をあわせて五大栄養素と呼びます。食物繊維もあわせて六大栄養素だ! みたいな話もありますが、そこまではテストに出ないと思うので覚える必要なありません。たぶん。


 糖質、脂質、たんぱく質は、生命を維持するためのエネルギー源となります。しかし、ビタミンやミネラルはこれらとほぼ関係ない物質と言えるでしょう。しかし、みなさんが良く知ってるように、これらの栄養素はとても大切なもので、あちこちで「ビタミン・ミネラルを取り込むために、野菜を毎日食べましょう!」的なセリフを聞いていると思います。


 ビタミン・ミネラルってどんな物質なの? なんで野菜や魚を食べるとそれらを摂取できるの? そもそもこいつらは、身体にとってどんな役にたってるの? ――本日は、こんなお話をしていきましょう。




 多くの方が勘違いされていると思いますが、ビタミンやミネラルは摂取すればするほど良いというわけではなく、逆に『過剰症』を引き起こすこともあります。


 たとえば『ビタミンA』なんかは、摂取量が少なすぎると皮膚や粘膜の乾燥を引き起こしたり、成長の遅れなどが見られる場合があります。過剰に摂取すると、今度は頭痛や吐き気などに襲われ、妊娠初期のお母さんの場合、胎児に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。


 もっとわかりやすい例として『塩化ナトリウム』があるでしょう。ざっくり書いてしまえば『塩』です。世の中減塩ブームだったりしますよね。塩を過剰に摂取すると、みなさんご存知のとおりタイヘンな高血圧になってしまいます。健康診断で引っかかった方は、おそらく「塩分控えめの食生活にしてください」なんてお医者さんからアドバイスをもらったのではないでしょうか?


 減塩と言っても、摂取量が少なすぎれば食欲不振や吐き気などを催す場合もあり、やはり適度な摂取が望まれるところでしょう。なんでもかんでも削りゃいいってもんじゃないのよ。


 とりあえず、みなさんが勘違いしガチな点を書いてみました。勘違いしていた方は以後お気をつけて、知っていた方は確認としてご覧ください。じゃ。次は「ビタミン・ミネラルってなんだ?」的なお話に入りましょう。




 ビタミン・ミネラルは以下のような役割を果たしています。今後、それぞれの項目ごとに詳しく解説していきます。


ビタミン:人体の"機能"を正常に保つための物質

ミネラル:主要四元素以外の総称 = 無機質


 ビタミンは、三大栄養素と異なり、体組織やエネルギーとしてはほとんど使われません。主たる役割は以下のふたつです。


・様々な生理機能(・・・・)の維持

・エネルギー生産、体組織作成のための代謝(・・)


 で、これらは自力で合成不可能なので、必然的に食事から摂取する必要があります。だからこそ、厚生労働省が定める『日本人の食事摂取基準』において目標値が記載されているわけですね。


 言うて、そこまでたっぷり食べる必要はありません。ビタミンは微量栄養素と言われるくらいで、必要量と言えば、多くても一日ミリグラム単位。が、足らなきゃそれはそれで欠乏症が待ってるんだからめんどくさい。ビタミン摂取量の目標値を知りたい方――っていうか、ここで書き連ねた内容に興味ある方は、下記のサイトにアクセスしてください。ビタミン・ミネラルだけでなく、三大栄養素についてもしっかり網羅されています。


厚生労働省:日本人の食事摂取基準 2020

ttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html


 ビタミンには『水溶性・脂溶性』があります。ざっとまとめましょうか。


・水溶性

 ビタミンB群,C

・脂溶性

 ビタミンA,D,E,K


 昔は『脚気』とか、ビタミン不足による病気がチラホラ見られたのですが、現在は逆に飽食の時代ですから、欠乏症的な病気は少なくなりましたね。しかし、飽食の時代は、知らずのうちに食生活の乱れを生み出します。結果、ビタミンを含まない食材ばかり食べて『潜在性欠乏症』と呼ばれる状態にならないよう気をつけなければなりません。


 サプリメントで補うってのも手ですが、それだと特定のビタミンばかり摂取しちゃうことになるので、やっぱ野菜や魚を食べましょう。基本的に、水溶性ビタミンはソッコーでおしっこになるのですが、脂溶性ビタミンは肝臓などに蓄積しちゃうのでね、まあ気をつけて生活しましょう。以下、例としてビタミンをひとつ紹介します。


ビタミンD


・骨形成、骨石灰化を促進

・神経伝達、筋肉収縮、血液凝固に関連


 骨の健康と深く関わるビタミンです。主に『魚・きのこ類』に含まれ、卵などにも多く含有。摂取したビタミンDは肝臓にて貯蔵。肝臓や腎臓で『活性化ビタミンD』に変換され、カルシウムとリンの吸着を高め、骨にカルシウムを沈着させ強化してくれる、子どもにとってありがたい栄養素です。


 また、甲状腺・副甲状腺ホルモンと協力して、血中カルシウム濃度を安定させる働きもしています。ビタミンDは自力生産も可能であり、人間は日差しを浴びると、皮膚表面近くで『コレステロール』が紫外線に反応し、ビタミンDを作ってくれます。


 人間だって光合成するんだからね!



 っということで、えーみなさんよく日差しに当たりましょう。日本人の食事摂取基準データによると、よく晴れた日は二十分ほどでも良いので散歩すると、身体がせっせとビタミンDを作ってくれるようです。


 習慣化をおすすめします。じゃあ次はミネラルについて書きましょう。




 ミネラルは、人体が主要成分とする『酸素・炭素・水素・窒素』以外の元素を総称したものです。別名『無機質』なんて呼ばれていますね。人間は約60種ほどの元素で構成されているとありますから、ミネラルと言ってもその種類や働きは豊富です。言うて、量的にはたった4%しか含まれてないんだけどね。主たる役割は以下のふたつ。


・身体の構成成分(・・・・)

・体液の恒常性(・・・)の維持


 三大栄養素ではムリな硬い物質、たとえば『歯』とか『骨』をつくる材料になります。また、三大栄養素と協力して、身体の構成成分になることもあります。


 恒常性、これはホメオスタシスとも呼ばれますが、身体ってのは勝手にバランスの良い状態になってるわけじゃありません。身体の水分量、細胞の状態、それらモロモロを『常に一定に保つ』というのはとんでもないパワーが必要となります。それらを司っている物質こそが、ミネラルなのです。また、イオン化したカルシウム、ナトリウム、カリウムなどは、脳の神経伝達にも深く関わっています。ミネラルがいかに大切な栄養素なのかがわかりますよね。


 ということで、毎度ながら紹介している『日本人の食事摂取基準』では、ミネラルに関してより細かい摂取基準が儲けられています。


・推定平均必要量

・推奨量

・目安量

・耐容上限量


 ビタミンも同じですが、多すぎても少なすぎても身体によくない。だからこそ、日々バランスの良い食生活を送ることが重要なのです。お医者さんに入院すると、だいたいこれらを考慮した献立が提供されますので、試しに入院してみてはいかがでしょうか? ――手段は各自で考えてください。じゃ、例としてひとつミネラルを紹介しますか。



・赤血球の材料

・酸素と結合し、運搬と貯蔵に関係


 上記の役割だけで「あ、コレ身体に必要な物質だわ」となりますわね。主に『レバー・小魚・貝類』に多く含まれる他、ほうれん草や小松菜にも豊富です。吸収された後は各種臓器、もしくは骨髄に蓄積され使われる時を待っている感じです。


 鉄の65%、多くの部分は『ヘモグロビン』と結合します。赤血球の構成物質ですね。酸素を全身に運ぶ役割を果たすのですが、一酸化炭素と出会ってしまうと、ヘモグロビンは酸素でなく一酸化炭素と結合してしまうため注意が必要です。あんまりタバコを吸わないようにしましょう。


 筋肉にも、ヘモグロビンが4分割されたような『ミオグロビン』ってヤツと結合し、酸素の運搬や貯蔵を行います。あとは代謝にも少し関わりますかね。そのほか30%程度は体内の各所に貯蔵されているのですが、出血などで血液が減った際はすぐ動員され、続けて酸素運搬作業を担ってくれます。


 赤血球は120日程度で寿命を迎えますが、蓄積された鉄はまた再利用されます。なので、鉄分の摂取量はそこまで必要ないのですが、こと女性に関しては『月経』などより大量出血しますので、その分だけ鉄が必要になります。女性や育ち盛りの子どもは、鉄分の吸収が速いのですが、上記の事情などで減ってしまわないよう、しっかり食べていかなければなりませんね。


 成人男性(18~29歳)の場合、一日『7.5mg』が推奨量です。女性(18~29歳)の場合『10.5mg』が推奨量です。上記食材などを参考に、不足しないよう毎日バランス良い食生活を心がけましょう。




 なんで野菜や魚を食べるとそれらを摂取できるのか? ――単純に『そいつらがたくさんビタミン・ミネラル』を持ってるからですね。あ、もちろんお肉にも含まれています。っていうかお肉は栄養という栄養がメッチャ豊富に含まれている良い食材だったりします。が、いかんせん栄養過多なんですよ。それらの栄養素も摂取できるけど、脂質などの栄養素がとんでもない量なので、お肉だけでビタミン・ミネラルを賄おうとすると、おそらく脂質摂取量が笑えてくるレベルになると思います。


 まあ、ぜんぶエネルギーとして使えるならそれでいいんですけど……プロスポーツ選手だってそんな発散できないと思うんだよなぁ。なので、ビタミン・ミネラルは基本野菜や魚などに頼りましょう。また、野菜には『ファイトケミカル』とかいう強い抗酸化作用をもつ武器が含まれています。毎日食ってりゃ体内の活性酸素を除去してくれるので、野菜を食わない手はないと思うの。


 厚生労働省のサイトを覗いてみると、野菜は「一日350g以上食べようぜ!」って掲げられているんだけど、毎日それをクリアしなきゃとなるとかなーりめんどくさいよね。なので、これらの目標をクリアするんじゃなく、野菜を楽しく(・・・)料理しよう! と考えるとイロイロ可能性が見えてくるかもしれません。野菜に酢を入れてそのまま食べたり、お味噌汁の具にしたり、煮物やソテーのお供など、野菜は様々な可能性があります。


 アナタにはアナタの食生活がある。楽しんでビタミン・ミネラルを摂取していきましょう。最後に、もういっかい『日本人の食事摂取基準』を記載して終わりにしますか。


厚生労働省:日本人の食事摂取基準 2020

ttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

生で食うのがイチバンよ。

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