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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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はたらく細胞と肺炎球菌

はたらく細胞の視聴感想と知識のおさらい&解説的な内容にしてみたつもりです。楽しみながら学習できるアニメっていいよね!

 細胞は毎日はたらいている。アナタが望む望まないに関わらず、交感神経が覚醒を促しアナタを睡眠から呼び覚ます。気だるさを覚えたアナタはぐっと背を伸ばして眠い目をシパシパさせつつベッドから足を出します。まだひんやりしている空気はアナタの目をさらに覚まさせ、陽の光でアナタの身体は1日の始まりを感じる。


 赤血球は睡眠につられて活動を停止するなんてことはしない。副交感神経が優位に立っている状態であっても、身体は常に酸素を求めている。好中球は外敵を発見次第駆除にあたり、場合によっては過剰に反応してアレルギーの症状を生み出してしまう。その典型例が花粉症だ。日本の花粉飛散量は最高にマッハであり、毎年花粉の季節になるとマスクをして病院や薬局に通う人々が増加する。アナタが望む望まないに関わらず、身体は己が果たすべき課題をクリアするために一生懸命に働いている。そんな"彼ら"に対して、わたしたちはいったい何ができるのだろう?


 そんなことを考えさせてくれる良質なアニメ、あります。


 ということで、本日もやってまいりました『はたらく細胞』の感想コーナー。2期はすでに終了しており、本日はわたしの地元のテレビ局である『とちぎテレビ』でやってた前期の第1話『肺炎球菌』を視聴しつつ、そこで紹介された知識などの補足や解説なんかができればいいなと思います。


 じゃあ、やっていきましょうか?




 冒頭。人間の体の中には、約兆2千億個もの細胞が一生懸命はたらいていると。


 赤血球ちゃん登場。いやあなつかしい描写や。ヘモグロビンを多く含むというかほぼヘモグロビンみたいな。90%くらいあるのでね。それの4分の1だけのものを『ミオグロビン』なんて言ったりもします。


 ケッカンナイヒサイボーガー


 血管内皮と言いまして、血管を包んでいる内皮があるのですね。それが破られたってことは、そこで内出血したということですね。さあ雑菌野郎が現れましたよ。で、例によって好中球にぶっ殺されます。容赦ない殺戮によって細胞たちから恐れられている、みたいな描写だけどそれは1話だけしかほぼ見られないのでまあ気にしない感じ。


 えー、好中球は無線で連絡をとっていますが、実際はある種の化学物質によって他の好中球と連絡をとることが可能です。ただし、好中球は『抗原提示』という「こういう雑菌野郎がいたぞー!」と樹状細胞に連絡する機能はございませんのでご了承ください。


 ちなみに実際の好中球は雑菌野郎よか数倍もでかくて、メインウェポンはナイフ(おそらく活性酸素とかサイトカインの表現だと思われ)じゃなくて『貪食』です。おいしく頂いて好中球内部の酵素によって分解していく感じですね。


 あ、1匹逃げ出したね。


 赤血球は迷子のようです。で、脾臓とかリンパ管とかに入ろうとしてやがります。キミは入っちゃダメなところだからね? ヘタすりゃT細胞たちに外敵認定されちゃうからね?


 リンパ管は『リンパ球』たちのすみかです。基本的にこいつらは抗原提示されて出動するタイプなので、いつもはリンパ球内に生息している感じです。


 と、雑菌野郎が赤血球と偶然でくらす。赤血球間一髪のところで溶血を免れる描写。ヘモグロビン90%の赤血球は非常に溶けやすいので気をつけてね!


 で、菌は莢膜(きょうまくを張って逃げましたね。実際の莢膜は菌の周りにバリアのように張り巡らせて、好中球たちの攻撃や貪食を防ぐ役割をもちます。まあ、攻撃をのらりくらりと裂けながら逃げていくような感じですね。


 で、逃げられました。その莢膜が赤血球をキャッチして好中球との逃避行が始まるわけです。いや逃避行じゃないけど。


 で、好中球は肺炎球菌と同定しました。これは重要ですね。敵を知り己を知れば百戦殆うからずな感じで効率的な撃退法でやり始めます。


 さあ肺へ向かいましょう。途中樹状細胞や血小板との出会い。血小板ちゃんはかわいいなぁ。いやしだなぁ。あのねあのねだなぁ。


 幼稚園児の理由は実際に小さいからですね。血餅(けっぺいをつくってキズを塞ぐ役割をもっているのです。赤血球や好中球を巻き込んでね。


 さあ、キラーT細胞の登場です。T細胞のひとつで、雑菌野郎を殺すだけでなく『自分の身体の細胞を殺す』という役割ももっています。自分の細胞を殺す? なんでそんなことが必要なんだ? と思われますが、たとえばウイルスにとりつかれた細胞などを殺すために働きます。まあ好中球もいっしょなんだけど、ようは古くなって使い物にならなくなった細胞の処理係も兼ねているという感じですね。


 それを巧みに避けていくのが『ガン細胞』だったりするのです。あいつらマジで厄介だからなぁ。まあT細胞系は自らの細胞をぶっ殺すのがメインなので、外敵駆除は好中球がオハコです。今回働いたとしてもそこまで活躍することはないでしょうね。


 で、赤血球がセンパイのアドバイスを受けつつやってきました肺。個室に入っているとなにやら運搬していた二酸化炭素に異変が――は、肺炎球菌が!!


 実はこれ実際にありえる描写で、細菌は赤血球に隠れたりして一時的に安全を確保する、みたいな悪知恵が働きます。しかし好中球さんのが一枚上手でした! レセプターの反応を頼りに肺炎球菌の居場所をつきとめ『遊走』を駆使して至近距離まで迫る!


 好中球の遊走性はマジで格別。化学物質を飛ばして肺炎球菌の動きを止めたり、莢膜で好中球の攻撃を防いだり、わりとリアリティのある戦いをしてるんだよね。


 さて、好中球は肺炎球菌に対し『あの手』と言ってきましたね。そしてアラームが鳴って肺炎球菌を何らかの膜が多いしっかりキャッチ。言うまでもなく、これは粘膜です。肺ってのは空気を溜め込むという都合上、どうしても外の雑菌をも一緒に吸い込んでしまいます。鼻、気道、それぞれに繊毛や粘膜分泌などで外敵駆除をしています。くしゃみや咳は身体が反射的にやってることなのでむやみにガマンしないほうがイイですよ。我慢するってことは、アナタの身体から雑菌野郎を排除しないことを選んだってことですからね。


 しっかり「ぶぇええっくしょい!!」しましょう。


 で、いい雰囲気になったところで「わたしたちまた会えるよね?」的な展開。いえ、通常は無理です。なにせアナタ方数が圧倒的なので、いくら50秒で体内を1周する赤血球と遊走性に優れた好中球とはいえもう一度出会うなんて確率は天文学的なアレなのではないでしょうか?


 まあ、アニメの都合で何度も出会うのですがね。赤血球は細胞のなかでも一番数が多いので周で出会えるってもうアレですわよ。愛し合ってるとしか考えられないわよ。おまえら爆発しろ。


 あ、好中球をはじめ免疫細胞たちは自分を活性化させるヤツ = 雑菌野郎なので、もし好中球と赤血球の恋愛的なアレがはじまったら赤血球さん速攻で好中球さんに溶血させられる未来が見えるので同人誌でもやめてください暗い未来しか待ってませんがな。




 さて、本日は久しぶりに1期の1話を見ましたが、要点はおさえているけど細かい部分で忘れている感じ。これも人間の記憶力の構造上仕方なきことなので、今回また視聴した記憶をどうにかして長期記憶に留めるよう無意識に努力したいと思います。


 楽しみつつ学習できる。しかも自分の身体のために考えるキッカケになる。こんな素晴らしいアニメがあるのか! という衝撃。作者がは妹の学習のために描いてあげたってエピソードがまたほのぼのする。これからも楽しく学べる漫画を描きつつしっかりがっぽり稼いでくれることを祈ります。


 みなさんも、これをキッカケに自分の身体について今一度考えてみてはいかがでしょうか? 現時点で考えてるよ! って方はさらに上の次元を求めてみましょう。いっそのこと目標なんて掲げてみてはいかがでしょう? 1週間の献立を考えて必要な栄養素を摂取する喜びに震える……これもうプロだな。


 アナタのさらなる健康増進を願っています。

禁断の愛。もしこの想いを打ち明けてしまえば互いの未来に暗色がたちこめる。すれ違うふたり。たとえ溶血の未来が待ち受けていたとしても、わたしはアナタと――映画化はよ

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