腸って大切_その2
腸に必要な栄養素ってなんでしょう? そして、わたしたちはその栄養素をちゃんと摂取できているのでしょうか?
あ、みなさんちゃんと『腸活』してます?
腸の健康は心身の健康へ直結する。っということで本日もやっていきましょう腸の健康シリーズ第2弾。本日も医学博士でいらっしゃる『松生恒夫』氏著作『腸の老化を止める食事術』より、わたしなりの知識や解釈を踏まえながらご紹介していく腸のお話、本日は良さげな食べ物もいくつか紹介してみましょう。
腸内環境をよくするには、なんといっても『食物繊維』です。一般的に販売されている商品のうち、成分表示に『炭水化物』という項目がありますが、この炭水化物はつまり『食物繊維+糖質』ということ。糖質という言葉に思わず購入をためらってしまうと思いますが、炭水化物を摂らないということはすなわち食物繊維を摂らないということになりますので、炭水化物を含んでいる食べ物はいっぱい食べたほうが良いでしょう。
ただし糖質が多いのは困りますよね? ですので、成分表示を見て『炭水化物 → うち糖質』みたいな書き方をしている商品を選びましょう。これで摂取する糖質の量を把握することができます。さて、食物繊維ってばどのような働きをするのでしょうか?
実は、この食物繊維は腸内細菌(乳酸菌などの善玉菌)によって分解され、腸のエネルギー源となる"酪酸"や"プロピオン酸"などの『短鎖脂肪酸』を作り出してくれるのです。とくに酪酸は小腸、大腸共に主要なエネルギー源になり、腸内環境の改善や免疫力の上昇に一役買うなどまさに『腸の救世主』的な存在と言えるでしょう。これは腸内フローラを改善しキレイな腸へと導くことに繋がります。
同じ食物繊維でも、よく水に溶けるタイプの『水溶性食物繊維』は胃腸内をゆっくり進み、上記の反応を起こさせ血糖値の調整まで行ってくれるという報告があります。水に溶けてゲル状になるため消化吸収を穏やかにし、コレステロールを一緒に巻き込んで包んでくれる良い働きがあります。いわゆる『腹持ちが良い』というのも特徴です。
では水溶性食物繊維だけを食べれば良いのか? そんなことありません。次に紹介する『不溶性食物繊維』も良い働きがあります。硬くて消化されにくい不溶性食物繊維は胃腸で水分を逆に吸収し大きく膨らみます。そうすると刺激された腸が活発に動きだし排便を促してくれるようになります。発酵すると善玉菌の活動も活発にしてくれるので大腸の環境改善にも大きな影響を与えるでしょう。
大切なのは『バランス』なのです。おおまかに不溶性を2、水溶性を1の割合で摂取すると適切のようです。では、次に具体的な食べ物についてご紹介していきましょうか。
といっても、毎日野菜や穀物中心の生活を心がけているのでしたらそこまで気にする必要はありません。
野菜や豆類、穀類をバランス良く食べているのでしたら、いまごろ腸内の乳酸菌はとても喜び勇んで活動していることでしょう。欲を出すのであれば、野菜はできるだけたくさんの『色』を用意しましょうか。
野菜の色素には強い抗酸化作用があり、身体を酸化から守ってくれます。色ごとに良い効果も様々ですので、例えばピーマンだけでなくパプリカ。緑ものだけでなく葉物に紫キャベツなどちょっとした工夫をこらしてみましょう。
不溶性、水溶性の食物繊維を共に含んでいるものは『野菜、きのこ類、海藻、穀類、果物』などです。ただし、これらの食品のなかにはよく噛まないと胃液で消化されずに残ってしまう場合がありますので、人間の一番初めの消化器官である『口』の段階でしっかりと消化しておきましょう。よく噛んで、唾液をだして、いい感じにアシストした後で胃袋にシュート!
不溶性食物繊維に関してはこれで良いでしょう。この流れで水溶性食物繊維にシフトしていきたいところですが、ここでひとつ注意してもらいたいことがあります。
すなわち『糖質』です。
白米やパンなど、現代おなじみとなっている主食はぜんぶ『白い物』――つまり、糖質をたっぷり含んでいる食材なのです。
白米はそれこそ『エンプティフード』とまで揶揄される高カロリーの塊です。他にもファストフードやスナック菓子などは全て人間の味覚や欲求にダイレクトアタックしてくる非常に厄介な相手。これらを日常的に食べているのなら上記の健康食を実践していたとしても効果はいまひとつ、ヘタすりゃ意味ないレベルにまで落ち込みます。
ここでおもしろい実験の話があったのでご紹介。動物実験用のラットに『エサを食べると電気ショックを与える』というまあ残忍鬼畜な実験を行っておりました。結果は言わずもがな、食べたら電気ビリビリなので手出しできないラットばかりです。しかし、電気ショックを受けてもなお食べ続けるラットがいたのです!
根性ある? いや、実は事情が違うんですよ……そのラットが食べていたのは『当分&脂肪分たっぷりのチーズケーキ』です。糖と脂、こいつらのためならばラットは電気ショックという痛みに耐えてまで貪りたい! という思いに駆られたのですね。これは、いかに糖と脂が『夢中にさせる』栄養かを示す良い材料です。深く掘り下げると脳科学的な話にまで飛んでいってしまうのでこのへんで、気になる方は『糖 ドーパミン』あたりでググるとでると思います。
なんといっても『白い主食』は避けましょう。白米、小麦粉、ケーキ、アイス、ピザ、炭酸飲料、ラーメン……知らず識らずのうちに、アナタはこれらを食べすぎていませんか?
さて、水溶性食物繊維の話にいきましょう。場合によっては元から白い主食のヤバさを考えて、白米から『玄米』へシフトしている方が多いかもしれません。ええ、とても素晴らしいです。拍手喝采です。尊敬します。
ただ、もう少し欲を言うのなら――ひとつ『もち麦』を試してみませんか?
大麦の『大麦βグルガン』という物質は水溶性食物繊維の一種です。著書の文章をそのまま書けば、大麦βグルガンには『血糖値の上昇抑制、血中コレステロール値の低下、血圧降下作用』等の効果があります。2006年、アメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)が『冠動脈疾患のリスクの低下に役立つ』と製品に表示することを許可する程度には信頼性がある物質のようですね。
近年では抗酸化作用や感染抵抗力の上昇効果まで報告されているようですので、これを機会に白米の方はもち麦に、玄米の方も場合によってはもち麦と併用して食べてみることをオススメします。
他の食材として『キウイ』が強力です。水溶性食物繊維を理想の量含む上に、ビタミンCをはじめとした豊富な栄養素まで取り揃えた万能フルーツは、ぜひ積極的に食べてほしいと著者も太鼓判。さらにオリーブの実を直接すり潰して採取された『エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル』をふりかければそれはもう最高の『腸活食』になります。
他にもリンゴ、プルーン、干し柿などがおすすめですが、食べすぎて糖の摂取量が限界突破しないよう気をつけてください。WHOは『糖の摂取量は、1日総摂取カロリーの5%ほどが理想』とか言ってますねぇ、男性だと25グラムほどですが、これ缶コーヒー1杯でもわりと……まあ、あくまでもひとつの基準ということにしておいてください。
覚えてもらうよう何度も繰り返しましょう。腸の健康は心身の健康へ直結します。アナタの身体になるものなのですから、できるだけ厳選したいのが人情ってものですよね? 腸のため、自分の健康のためにどのような食品を選べば良いのか? ――ある意味では、一生の課題なのかもしれません。
ここに書いた内容が、アナタの健康に一役買うことを願います。
いうて、たまには暴飲暴食もいいよね!




