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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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腸って大切_その1

良い食生活は腸の健康を保つ。腸の健康は身体の健康を保つ。つまり食生活は大事。

 みなさま、最近腸の調子はどうですか? ――ちょうですかちょうですか、すっごく調子がいいですか。


 あ、ブラウザバックはまだ速いです。もうすこしお付き合いください。


 えー、腸の健康は身体全体の健康に直結します。なにせ身体に栄養を提供する消化器官の主役ですからね。遺伝子がタンパク質を作ってくれるのも、消化器官が身体の中に栄養を吸収してくれているからこそ成り立つ機能でございます。その腸がもたらす影響は測りしれず、現在心理学など他の分野の学者さんからも「腸ってすごくね?」と言われるような世界です。


 突然ですが、腸にはどのくらいの数の菌がいらっしゃると思いますか? ちなみに人間の細胞の数は約37兆こあります。これをヒントにぜひ考えてみてください。ちょっと下をみるとすぐ答えが書いてありますよ。


 ――――――


 ――――


 ――




 答えは『約100兆こ』。どうでしょう? 当たってましたか? 当てた方はすごい! ということで本日は『松生恒夫』氏著作『腸の老化を止める食事術』から、わたしなりの解釈や知識を動員して内容をまとめてご紹介したいと思います。著者である松生恒夫氏は医学博士であり、これまで4万人を超える患者さんの大腸内視鏡検査を行ってきた生粋の"腸内環境仕事人"です。個人でクリニックを開き、食事の指導や漢方、そして音楽療法など幅広い手段で患者さんと向き合っていらっしゃる素晴らしい先生のようですね。彼の著作は他にもあるので、興味ある方はぜひ書店にてお買い求め頂くか、ググってみるなんてことしていただければ幸いです。


 今回は『腸ってなんだ?』的な話ができれば良いかなと思いつつ、じゃあ書いていきましょうか。




 腸の前にまず『消化器官』的な話からザックリやっていきましょうか。さて、食べ物を消化する際、食べ物が一番初めにお世話になる消化器官ってどこでしょうか? 答えは『口』です。そうです、口って立派な消化器官なんです。食べ物をその食べ物のままごっくんしたりはしませんよね? 舌で転がし歯で噛み砕いて、3つの唾液腺から分泌される唾液が消化の働きを果たしています。まあ、消化っていうより消化を助けるってイメージですね。実は人間無意識に舌を動かしてうまい感じに噛み砕けるよう調整しているのですが、具体的にはわたしもノータッチなのでこのへんで。


 さて、いい感じにぐちゃぐちゃにした食べ物は「ごっくん」して『食道』に流れていきます。この際も咽頭が呼吸器官と消化器官を仕分けする弁のような役割を果たして食べ物を食道へと導いてくれます。ごっくんするときに呼吸できる方、まさかいませんよね?


 そのまま『胃袋』に導かれた食べ物は、そこで消化の第一段階を迎えます。胃液は強力な酸性の液体で食べ物を続々と消化していきます。ここでドロドロの状態になるのですが、実は人間の胃液って他の肉食動物よりは弱くて(まあ当然なんですが)、どちらかというと数量で攻める的な胃液だったりします。それでも生き残っちゃう輩がおりまして、それがあの有名な『ヘリコバクター・ピロリ菌』ですね。はたらく細胞でも出てきやがったあのヤロウです。身の回りにアルカリ性の酵素を出すとかマジで勘弁してくれよ。


 食べ物は3~6時間ほど胃袋のゆりかごに揺られています。その後、出口である『十二指腸』へと向かうわけですが、ここは『腸の入り口』とも言えますね。ではここからが本番ですよ。




 胃袋の出口である十二指腸を抜けた食べ物は『腸』に到達します。人間の内蔵模型などを見たことがある方は腸の構造に「え、なにこれ」という感想を浮かべるかもしれませんが、腸ってわりとぐちゃぐちゃな構造をしてるのですよ。そのクセあれはあれでしっかり整っているというね。


 腸は大きく分けて『小腸・大腸』に別れます。胃を抜けて迷路っぽくなってるあの小道が小腸。そこを抜けてぶっとい管が小腸の周りを覆うようにあるのが大腸です。小腸にも領域がありまして、まずは『空腸』という領域にさしかかります。名前の由来は『食べ物がすぐ通り抜けて空の状態であることが多い』という意味から。筋肉が発達していてよく"うねる"んですね。


 ちなみに、腸は『パイエル板・リンパ管』などの免疫専門部隊が常駐する領域があります。っていうか腸って免疫の6割くらいが集まっていたりするんですよ。なんてったって外敵が多いからね。もちろん、この空腸にも存在します。しかしより数が多くなるのはその次の『回腸』から――。


 回腸は空腸の次に通る道です。とはいえ、実は空腸と回腸を分ける明確な境目はなく、とりあえず十二指腸を抜けて小腸にやってきた初めの5分の2を空腸。残りを回腸だよ、みたいな曖昧なイメージでけっこうです。空腸と回腸を足した(つまり小腸の)長さは約6メートルにもなり、ここでは消化しやすい栄養が消化されていきます。膵臓に溜め込んでいる液もここで威力を発揮して3大栄養素の『糖質・脂質・タンパク質』も吸収できるようになっています。仕事を終えた膵液は元の場所にもどる。まざんないのかなぁ。


 さて、これらの過程を終えた食べ物はわりとドロドロのどろんこになっています。とはいえまだ『う◯こ』にはなっていません。次は『大腸』の領域にさしかかります。


 大腸も複数の領域がありまして、入り口周辺とその下は『盲腸』なんて呼ばれていますね。草食動物においてはけっこう重要な役割を担っているようですが、我々は人間なのでほとんど役割を失っているようです。盲腸はささっと切っちゃうってのも使われてない理由からですね。一部それはマズイんじゃないか? っていう意見もあるので気になる方は各自でググってみてください。


 ちなみに、そのさらに下部の先に『虫垂』があります。ここも草食動物にとっては重要な器官であり、マウスの実験でも善玉菌の存続に関わる実験結果があるようですが、盲腸と同じように人間にとっては(以下略


 本番はここから。大腸はなぜか重力に逆らいまず上のほうに進んでいきます。この道を『結腸』と言い、上がる。横に移動する。下がっていく大腸のそれぞれの部位を『上行結腸・横行結腸・下行結腸』と読んでいます。そのままだなオイ。


 で、実は大腸が分泌する液は消化的な機能はあんまないです。ここで主役になるのはみなさまご存知『善玉菌』たちで、彼(彼女)らが自ら分泌する酵素で食べ物の栄養を分解して、人間に都合の良い栄養分をつくってくれます。逆に悪玉菌はその逆のことをします。


 善か悪か、それは『人間にとって都合の良い物質を作り出してくれるか?』に関わってるのですね。ヨーグルトなどに含まれる菌は都合良くしてくれるヤツなので善玉菌です。基本的に、これらの消化が頻繁に行われているのは上方結腸のようです。


 善玉菌が栄養を作ってくれる一方、悪玉菌は例えば嫌な匂いの元になる物質や、身体の毒になる物質を作り出します。善玉菌のなかには免疫を助けてくれるヤツらもいるので、いかに善玉菌を増やして悪玉菌をへらすかが腸の健康のカギになるわけですね。


 ちなみに、ここで善玉菌が生み出してくれる良い物質の主役になるのは『短鎖脂肪酸』というヤツです。覚えておきましょう。で、消化が進むごとに水分も吸収されて完全な泥状になります。下行結腸へ移行していきその先にある『S字結腸』に至った時には半固形になっており、これこそがみなさんが期待していらっしゃる『う◯こ』の正体です。ぶっちゃけ腸内細菌がいなかったらここまでなることはなかったり……。



 S字結腸に至ったソレはなにするかっていうと、ひたすら『待機』です。こいつが動くのは条件がありまして、例えば『新しく食べ物を食べる』とか『朝起きて水を飲み刺激を与える』とか『一定量たまる』とか。そうすると『胃・結腸反射』という動きにより一気(ここ重要)に直腸へと送り込まれます。う◯こしたくなって急にお腹がぎゅるるるぅってなる瞬間、アナタのS字結腸は躍動しているのです。


 我慢しすぎるのは便秘の元だから気をつけてね!


 で、直腸は排泄物がやってくると即座に筋肉の収縮がはじまります。これがいわゆる『直腸反射』というヤツで、こうなったらもう『出す』しかないでしょうね。ガマンしているアナタ、ちょっと往生際が悪すぎんよ~。


 まあでも、ガマンできないこともないです。お尻の筋肉は直腸反射のように意志ではどうしようもない筋肉と、意志で閉じることのできる筋肉とがありますから……ただし、さっきも書いたけど我慢しすぎは便秘になるからね!


 さて、直腸反射で収縮された後はもうオシマイです。あとは肛門に至った便が括約筋などの弛緩によって身体から排出されます。こうして食べ物は身体の中で消化し終え、下水道へと流されていくのですね。




 要約しましょう。消化器官は次の通りです。


 『口 → 食道 → 胃 → 十二指腸 → 空腸 → 回腸 → 盲腸(虫垂) → 上行結腸 → 横行結腸 → 下行結腸 → S字結腸 → 直腸 → 肛門』


 ――わりと長い旅路ですね。ここまでトータルの消化時間は1日ちょっと。体内時計が狂ったらそれもおかしくなるのでしっかり睡眠とって、朝の散歩や食生活の見直しなどをしましょうね。


 腸の健康はアナタの身体の健康にも繋がります。みなさんが普段気をつけて食べている食べ物はなんですか? 毎日運動していますか? お腹がぽっこりすることはありませんか? ――ちょっぴりでも心当たりがあるのでしたら、軽い気持ちで消化器科のお医者さんに通ってみてください。で、お医者さんに質問攻めしましょう。どんな食べ物が良いのか、どう食べれば良いのか、食べる時間は、量は、必要な栄養素は――。


 やりすぎると出禁になるかもしれませんのでほどほどにね!

腸ってすごいんだぜ? え? うちょー!

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