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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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はははははじょうぶだ_その5

歯に関する大切な話。これまでに読んだ内容を覚えていますか?

 歯を人生かけて守りたい方必見のメンテナンス術についてご案内。やってきました本日も『堀滋』氏著作『歯のメンテナンス大全 人生100年時代の正しいデンタルケア88のリスト』から抜粋して、わたしなりの解釈や知識を動員しつつお話していこうと思います。


 さて、前回は具体的にどうすりゃええの? って話をしてきましたね。もう書くことなくなっちゃったんじゃないかな? と思いつつもまだやっていきたいのでやっていきます(語彙力)。今回は知識系の話題や、歯科治療の最新情報なんて書けたらいいなと思います。




 日々の予防が大切だって話をずっとしてきたわけですが、事実としてお口の病気対策に最も有効なのは『予防』に限るんですよね。歯科治療先進国でいらっしゃるフィンランドなどの北欧諸国はとても予防に力を入れているようで、そうでなくても、国によっては生活水にフッ素やらキシリトールやらを含ませてるなんて話もあったり。とはいえ、日本の水道水は塩素消毒を行っているので飲料水としても使える世界でも名だたる安全性を誇っております。ああでも、残留塩素とかを気にしている方はとりあえず煮沸してから飲むとか、ミネラルウォーターにするとかしてくださいね。


 お茶が出る水道ないかなぁ。あ、麦茶でお願いします。


 お口が酸性に偏らない環境であれば虫歯菌は発生しないと前回までにしつこく申し上げてきましたがここでももういっかい。記憶ってのは同じことを『2週間で3回使う』ってくらいじゃないと定着しないのでまた書きます。しつこく書きます。


 虫歯菌とされているのは『ミュータンス菌・ラクトバチルス菌』をはじめとした様々な輩ですが、こいつらはまず歯(エナメル質)の表面にひっついている唾液に含まれるタンパク質『ペリクル』にひっつきます。このペリクル、実は雑菌野郎による多重層を形成しておりまして、ペリクルにくっつくのはとくに害の無い菌で、そいつらが出す酵素を食べる菌がその上にひっついて、さらに――ってな感じでわりと整った層ができあがります。


 しかし、これをブラッシングで除去しないと次第に下層にいる菌が増殖を続け、やがて悪さをするようになります。地球にはびこる人間とおなじだね!


 ミュータンス菌などがペリクルを媒介として不溶性グルガンを生み出し、数多の雑菌野郎を住まわせるバイオフィルムを形成します。こうなったらブラッシングでもしつこくて取れないくらいになるのですが、ここまでのタイムリミットはだいたい『8時間』と思ってください。なんだ、いがいと余裕あるじゃん。と思われますが、これは昼ごはん後に歯磨きしないと普通にアウトな時間です。心当たりありませんか?


 もちろん、8時間というのは目安に過ぎません。たとえば糖質の高い食べ物を間食としてだらだら食べたり、強い酸性(pH5.5以下)の物を口に含んだりすればエナメル質はどんどん溶かされていきます。あとストレスや唾液の分泌不足などでもよろしくない口内環境になってしまうので、8時間経ってないから大丈夫、なんて甘い考えは甘くない結果をもたらしますぞ?




 歯を失いたくないのなら、虫歯だけでなく『歯周病』にもお気をつけください。歯周ポケットから歯肉に侵入し炎症を起こす歯周病。こいつは自覚症状がほとんどなく、動脈硬化や認知症を進行させることから『サイレント・キラー』なんてオシャンティーな名前をつけられてます。やってることは全然オシャレじゃないんですがそれは。


 歯は表面から『エナメル質・象牙質・歯髄』とありますが、歯肉は歯茎のすぐ下に歯槽骨というものがあります。ここが溶ける、つまり『歯の土台をぶっ壊す』のが歯周病の正体です。ちなみに、歯周ポケットが4ミリより深いと歯周病と判定されるので、試しに歯科医師に看てもらってはいかがでしょうか? 自覚症状でも、たとえば歯がグラグラするとか、口臭があるとか、歯肉がたまにむず痒くなるとか、食べ物が歯の隙間に挟まりやすくなったとか……これ、複数覚えがある方は至急う病院に行ってください。ヤバイです。


 で、歯周病の主役(?)なのが『ジンジバリス菌』という大物で、これは前回までに紹介しましたね。でももういっかい、大切なことだからもういっかい書きます。こいつの存在いかんによって身体の状態が変化すると言っても過言ではないので。


 認知症の原因とされる脳の腫瘍、アミロイドβの形成に関わっているとされるこのジンジバリス菌は、パンチパーマ型とも呼ばれるかわいいヤツです。ただし、こいつが検出されたお口の環境は、歯周病のリスクが44倍にも膨れ上がるのでかわいくないヤツだってことは理解しておいてください。


 先の通り、こいつは脳のアミロイドβ形成に深く関わっているとされます。それだけじゃなく、動脈硬化などを促進しその後の人生に多大なるリスクを負わせてくる憎い存在です。好中球に攻撃を加え活動を抑制し、白血球全体の活動も鈍らせます。口の中から容易に体内へと侵入し、さらに脳を外敵から保護する最強の砦、血液脳関門をもすり抜ける説もあるとかいうマジでこいつ◯ねばいいのにってくらい厄介な雑菌野郎です。


 ちなみに、ジンジバリス菌は現在絶賛大人気の『PCR検査』でチェック可能です。まあコロナと同時に検査してもらえるのかは未知数ですが、まあコロナ対策でやってる場合のPCR検査は『採取したDNAを増殖させまくって虱潰しにDNAに侵入したコロナウイルスを探す』って流れなのですが、それで発見できるってことは、ジンジバリス菌ってDNAの格内部に侵入するの? それとも――まあ、このあたりはソース不足なので書きすぎないようにしましょう。


 こいつらの対策は、歯肉から侵入する雑菌野郎なので歯間ブラシが非常に重要になります。歯の間を磨くための道具としてデンタルフロスと歯間ブラシというものがありますが、著者がオススメしているのは歯間ブラシのようです。あの、ドリルみたいな形をしたヤツが歯間ブラシで、のこぎりみたいな形をしたヤツがデンタルフロスです。


 やり方も気をつけてください。ドリルっぽいからって歯と歯の間に入れてグルグルまわすのは、それ単なる歯肉イジメです。歯間ブラシは押し引きでやさしく磨きましょう。それだけでなんとかなりますし、それ以上を目指すというなら大人しく歯医者に行ってください。もし、デンタルフロスを使うのならば糸オンリーのヤツにして、隙間から引っ張るようなやり方にしましょう。取っ手つきののこぎりみたいなヤツはキュキュッと歯をこする行為がどうしても入るのでオススメできません。




 意外な口内環境対策としては『鼻呼吸』があります。鼻には雑菌を吸着させる粘膜があり、菌が内部へ侵入するのを防ぐ働きがあることはみなさんもご存知ですよね? 口呼吸だとその効果が得られない上に、口の中が乾いてしまいます。粘膜が少ないので雑菌が表面に届きやすくなり、唾液の成分が口に行き届かなくなるとう惨事。ちなみに、口呼吸がクセになっている人は舌を動かす筋肉が弱くなっていると思われますので、口の中で舌を360度回す運動をすると良いかと存じます。ちなみにですけど、あの舌を回す運動わりとキツめの"筋トレ"なので覚悟してやってください。


 口の健康はすなわち全身の健康。とくに歯周病をそのままにしておくと、やがてジンジバリス菌がアナタの世界(身体)を蹂躙しつくし、はたらく細胞BLACK以上の凄惨たる世界を生み出してしまうかもしれません。そんな世界に導くことのないよう日々のブラッシングをこなし、キシリトール100%のガムを噛み、歯間ブラシで歯周病を追放して、そして真っ白で健康的な歯をひっさげて歯医者さんにこう言われるのです。




「なんで来たの?」

歯を残そうとするから大変なんだ……そうだ、いっそのこと全ての歯を抜いてしまえば――は、ははは、はははは……。

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