はははははじょうぶだ_その4
歯のケアに関するテクニック集。本日は具体的なケア法と、キシリトールすげえって話。
歯が丈夫になりたい方必見のメンテナンス術についてのお話、はっじまっるよーということで、本日も『堀滋』氏著作『歯のメンテナンス大全 人生100年時代の正しいデンタルケア88のリスト』から抜粋して、わたしなりの解釈や知識を動員しつつお話していこうと思います。
前回は年齢層ごとの歯のケアに関する話をしてきました。乳歯だって永久歯に影響があるんだから治療しようねって話や、高齢者の歯や入れ歯、インプラントなどのケアの話をしました。本日は歯についての全体的なケアや気をつけるべき事などを書いていこうかなと思います。
さて、前回までにたっぷり歯に関するトリビアをご紹介したところ、要点としては『歯は予防が大切・ブラッシングはバイオフィルムを取り去る効果があり、口内環境を整えることが大切になる』といった流れですが、では具体的にどうしていけば良いのでしょうか? さらっと紹介していきましょう。
食後の歯磨きは最も基本かつ大切なことなのですが、これは何度も説明した通り『バイオフィルム』の付着を防ぐためです。虫歯をつくる最も強く凶悪な菌として『ミュータンス菌』が有名ですが、こいつがブラッシングしてない食べかすだらけの環境にいると、やがて歯の表面にある『ペリクル』という、唾液から分泌されるタンパク質に付着して『不溶性グルガン』という物質を生み出します。
不溶性グルガンは、ミュータンス菌が『糖』を栄養分として産出する物質です。これはペリクルにひっつきブラッシングでも取れない頑丈な『バイオフィルム』というのを生み出します。プラークという場合もあるようですが、基本的にはそれらを総称して『バイオフィルム』です。これが、いわゆる雑菌野郎どもの温床になるわけですね。
じゃあこいつらが歯を溶かすのか? と言われるとそうではありません。雑菌野郎のナニが問題なのかというと、こいつらは『酸性の毒素』をたっぷり放出しやがるから有害なんです。ミュータンス菌が主に大活躍して酸性の毒素を放出するのですが、この毒素が歯表面のエナメル質に触れることでそれがどんどん溶かされていくのです。酸性の度合いを表す『pH値』というのがありますが、だいたい5.5より酸性が強くなるとエナメル質が溶け始めます。
ちなみにこの数値、意外と簡単に超えることができまして、例えばワインや梅酒などのアルコールを飲めば口内環境の酸性は一気にこの値をクリアします。他にも炭酸飲料やスポーツドリンク、健康飲料として有名な黒酢ドリンクなども飲みのみすればアッサリとクリアできちゃいます。一気に飲みきってすぐ水でゆすぐとかすれば良いのでしょうが、スポーツドリンクや酒なんかを一気に飲むなんて方はいないでしょう?
そのお口、めっちゃ酸性に傾いてますよ?
ミュータンス菌などの虫歯菌は、主に糖をエネルギー源としますが、糖が虫歯をつくるのではなくて、糖をイロイロした結果口の中が酸性に傾くことで、歯のエナメル質が溶けるから虫歯になるということを覚えておきましょう。
じゃあこまめに歯磨きすれば良いのか? と問われると、その強度とタイミングが重要になってきます。力を入れすぎると歯茎へダメージを与えてしまい歯肉が弱ってしまう恐れがあります。基本的に歯磨きのブラシは『毛先の弾力でシャカシャカ磨く』程度にとどめましょう。
歯磨きは力でなく『どう当ててどう動かすか?』がポイントになります。歯のウェーブに合わせて、歯の隙間に入り込めるような磨き方がベストです。もちろん、強く力を入れすぎると逆に歯肉がイタイイタイになってしまうので毛先でシャカシャカ、にとどめましょう。縦ではなく横に、バイオリンの奏者のように美しく(?)弓を引くような動作でやりましょうね。
歯磨きのタイミングも重要です。結論を申し上げれば『食後すぐの必要はないが、30分~1時間以内』ってタイミングが良い感じですね。
歯磨きの目的は率直に申し上げて『バイオフィルムを作らせない』ということです。バイオフィルムは食後8時間あたりでできるそうですが、じゃあ食後8時間まで磨かなくていいんか? と問われるとそうじゃありません。ちなみに24時間たつと白血球が反応して炎症が起きます。
1食分歯磨きを怠った場合、次の食事まで数時間あります。その間にバイオフィルムを作りやすい環境が整ってしまうことも否めませんし、口の中が酸性に傾いてしまえばそれだけでエナメル質は溶け始めてしまいます。
なぜ30分のラグを用意するのかというと、食後すぐに歯磨きをしていると、歯がすり減ってしまうという報告が歯科業界のなかにあるそうです。歯のケアをしてるのに歯を削るなんて元も子もないので、とりあえず30分待ったほうが良いでしょう。これは参考にしている著書でも勧められている時間帯です。
歯磨きをする時「舌も磨くよ!」という方がいますが、たいへんよろしい意識でございます。ただ、舌の粘膜はデリケートなので磨きすぎると舌がボロボロになり余計に菌が付着しやすくなります。1日1回ほどを目安に、ゴシゴシ磨きはNGでお願いします。
で、これまでさんざん『ミュータンス菌は糖をエネルギー源として不溶性グルガンを作り出している』と書きましたが、実は『果糖』というくだものに多く含まれている糖は材料になりません。「あ、じゃあ果物はたくさん食べていいんだね!」と思われるかもしれませんがちょっとまってください。これはあくまでも『不溶性グルガンの材料にならない』というだけです。虫歯菌というのはミュータンス菌だけじゃなくラクトバチルス菌など様々おりまして、どれもが『糖』をエネルギー源としています。つまり、果糖をエサにする輩だっているんです。
甘いものが大好きなアナタには申し訳ないのですが、食べすぎは控えるようお願いします。ただし、食後にきちんとケアすれば糖を口内から取り払うことはできますので、歯磨きの習慣はきちんとつけましょうね。
そうなると、気になってくるのは『虫歯にならない食べ物』です。これはぶっちゃけ「ねーよ」と言いたくなってしまうのですが、ひとつだけあの『世界保健機関(WHO)』がオススメする素晴らしい材料があるのです。それは――
_人人人人人人人人_
> キシリトール <
 ̄Υ^Υ^Υ^Υ^Υ^Υ ̄
キシリトールの割合が100%のガムなんかはマジでオススメです。主だった効果としては『唾液の分泌・再石灰化の促進』です。虫歯菌のエサにならないし、手軽に噛むことができることから世界中で人気です。ただし大量に噛むとお腹がゆるくなるという報告があるので、噛むなら1日4粒ほどにしておきましょう。食後の口内環境の調整にいかが?
今回は具体的な虫歯への対応策的な内容になりましたね。どれにつけてもまずはブラッシング。口の中が虫歯菌にとって最高の世界にならないよう気をつけることこそが最良の『予防』だということがわかるでしょう。
ここで書き連ねた内容が、アナタの口内環境の改善に繋がれば幸いです。もっと詳しく知りたい! という方は、ぜひ書店にて冒頭にご紹介した著書をご購入してみてはいかがでしょうか? 読むとなんとなく「スウェーデンすげー」ってなるかもしれません。歯を大切にする心をもって、日々感謝のブラッシングをして、キシリトールガムを噛み噛みしつつ、健康的な歯を維持しつつもすごい問題がある風を装って歯医者さんに通ってみましょう。そして歯科医師にこう言われるのです。
「なんで来たの?」
ミュータンス菌だけをぶっ殺す薬ありませんかねぇ……。




