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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第六章 歩みを始めた2人を
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第七話 幕切れ ハンコ作業をしながら

 縁はとてもぐったりとしていたも神様と本格的に打ち合わせほしたからだ、と言っても神社が建設されてからの話でまだまだ先だ。


「本当に疲れた」

「お疲れ様だよ~」


 執務室のドアをノックする音がした、扉が開き地獄谷の父親の形白(かたしろ)が一礼して入室する。


「失礼します縁様」

「いや、様はいらないですよ、どうしました?」

「いえ、縁さんが知犬に戦争仕掛けると聞いたんでね? 是非とも俺を前線に立たせてほしいとお願いにきました」


 縁が見てきた形白は優しいお父さんという印象だったが、今は父親としての顔ではない。

 冤罪で地獄に落とされた猫の顔、つまりは怨み辛みが明らか顔に出ていた。


「ああ、構わないですよ、俺の怒りより貴方の方が怨み辛みもあるでしょう」

「形白さんの一族は何で犬を恨んでるんだっけ? 根本的な所を聞いてなかったような、原因は犬ってのは聞いたけども」

「改めて簡単に言いますと、犬が猫が気に食わないという理由で、他の神を騙して俺のご先祖様を地獄に落とした、ですね」

「……もしかしてさ、知った様な口な言い方になるけど」

「どうしました?」

「犬って猿と喧嘩したって神話にあるよね?」

「ええ、犬猿の仲の元ネタですね」

「まさか話題そらし? 猿と喧嘩してさ」

「はい」


 犬猿の仲、それは十二支のレースの最中に犬と猿が喧嘩して、順位が最下位付近になったという話で、ニワトリが間に入って仲裁をした。

 神話に残る程の出来事ならば、猫を騙した事を隠れみのにするなど容易いだろう、歴史的なレースで喧嘩をする、これほど大きく馬鹿げた事は無いからだ。


「後世に犬猿の仲というのも残せますし順位も下の方、まさか猫を本当に騙したのは犬とは考えないでしょう?」

「なるほどねぇ、つまりは色んな神様騙したって事ね?」

「手を貸した神も居ますがね」

「まさか猿とか?」

「いや、本当に仲が悪かったようです」

「まあつまりは、犬は何でも使って地獄谷さんの一族を蹴落としたと」

「はい」

「根本的な原因って何なんですか?」

「ああ、本当にくだらないですよ?」


 形白の表情からはこんな事でと言いたそうだった、つまりはそれだけくだらない理由なのだろう。


「……ああ、男か女か知らんけどそういう関係?」

「ええ、初代猫恨視(ねこうらみ)はとても美人の女性の神に気に居られていたそうです」

「聞きたいんだけど、初代様はその気が有ったの?」

「いや、可愛がるといってもペット感覚の可愛さでモフモフしていたとか」

「なるほど、恋愛感情ではないと……ああ、犬はその関係が羨ましかったと」

「そうですね」

「いや……他人の行動原理って理解出来ない時はあるけどさ、つまり犬の初代は本気で嫉妬して猫に嫌がらせしたと」

「そうですね」

「なるほどね」

「あ、他に聞きたい事がありまして、結び先生に」

「あら? 先生呼びって事は学校関係? 何でしょうか?」


 形白はちょっと緊張した表情で質問をした。


「娘は学校ではどうでしょうか?」

「何が聞きたいですか?」

「授業態度とか、友達はちゃんといるかのとか」

「私は担任じゃないけども、彼女の授業態度はかなりいいですよ、評判もいいしなによりも」

「何よりも?」

「初見で生徒用の本気の蹴りを耐えられた時はビックリしたよ、かなりの素質を感じたね」

「あ、あの、大丈夫だったんですか? 娘は」

「もちろん、彼女からは愛する人を侮辱したコイツは怨み殺すって希薄を感じたね、ま、煽り倒した私が悪いんだけども」


 地獄谷に正論を突き付けた時、天空原を結果的に煽った事になり流れで手合せになった時の事。

 その時地獄谷は結びの蹴りを耐えたのだった、結びは表情ではその時出さなかったが、心底驚いたようだ。


「で、桜野学園で戦い方を学んだ結果……彼女は私の本気の蹴りをいとも簡単に避けた」

「……本気ですか? 先ほど言った生徒用のですか?」

「いや普段の私の本気、正直言ってちょっと手加減したけど……全然要らなかったね、一瞬なら私を簡単に追い越せる速度があるね」

「なるほど……一般教養とかはどうでしょう?」

「担当している先生方に聞きましたが中間より上らしいですよ、むしろ戦闘科の中では素直でいい子との評価です」

「そうですか……やはり後気になるのは……友達が居るのかですね」

「それも問題無いね、元々明るい性格ですし」

「そうですか……人の世で楽しくやっているなら良かったですよ」


 地獄谷は元々親子喧嘩で家出をした、そして巡り巡って今は桜野学園に居る。

 仲直りしたとはいえ娘が1人で人の世に居るのは気が気ではないのだろう。

 だが本人に直接聞くのも子離れが出来てないと思われるかもしれない、親というのは大変だ。


「良かった、聞きたい事は聞いたので私はこれで失礼します」

「はい、また今度」


 形白は一礼して執務室を去った、そして結びはハンコを押している縁の方を見た。


「そして縁君」

「どした?」

「実はそろそろ桜野学園の試験が有るのだよ」

「試験か」

「うん、で、各先生方に何をするかは任されているんだけどさ」

「ふむ」

「私のクラスの試験どうしようかなと」

「各生徒に合わせて準備するしかないよね」

「んじゃ今考えるか」

「ハンコ押しながら?」

「ああ」


 縁達は生徒に合わせて試験内容を考えるのだった、ハンコを押しながら。

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