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冬を越す毎、彼女は幼くなっていく。
笑顔で駆け寄り、一日傍らでおしゃべりをして過ごす毎日。
一体、あとどれくらいこうして過ごせるだろう。
彼女に会う度、これからの事が不安になり気持ちが沈む。
暗い顔をしていると彼女は心配するので、偽りの笑顔で過ごす日々。
きっと今までの彼女もこうして自分と一緒に居たのだろう。
今日も彼女は色々な事を話してくれる。
前後の繋がらない話に相槌を打ち、時にちゃんと聞いているのかと怒られながら、
果たして自分は今、かつての彼女の様に上手く笑えているだろうか。




