エピローグ
「……やっぱり、やめにしませんか」
「どう考えてもそれは無理だよ、シャーリン」
「だって……だって、やっぱり恥ずかしいんですもの……!!」
「そういうものだよ」
____結婚式を無事に終えた夜。
新婚の夫婦に待っているもの、それは……結婚初夜だ。
私は今まで二度結婚をしたことがあるけれど、どちらも初夜を迎えることなく終わってしまった。いえ、二度目は敢えて避けたのだけれども……今は、そんなことはどうだっていい。
私、知らなかったのよ。初夜がこんなに恥ずかしくて、逃げたくなるような儀式だということを……!!
私が真っ赤になって俯いていると、突然アレク様が私の顔を覗き込みながら、「シャーリンは、嫌かい?」と優しく問いかけてきた。
…………ずるい、ずるいわ、そんなの、決まってるじゃない。
「…………嫌じゃ、ないですわ……恥ずかしいだけです……」
「うん、そうだよね。ごめん、わかってて聞いた」
アレク様が少し意地悪な顔をして、私に口づけする。
それから小さな声で「大丈夫。絶対優しくするって、約束するよ」とささやかれてしまったので、私はもう何も言うことができなかった。
その代わりに、私からも軽く、アレク様にキスをする。
「ふふ、驚きました? 仕返し……ですわ」
「…………煽ったのはシャーリンだからね」
____そうして私とアレク様は、広くて大きいベッドの海に深く沈みこんだのだった。
*****
____コン、コン、コン……。
「おはようございます、シャーリン様。朝のお支度のお時間です。入ってもよろしいでしょうか?」
「サラ、おはよう。えぇ、構わないわよ」
翌朝のこと。
いつも通りサラが私の支度をしに部屋に入ってきた。
それから、私の火照った顔を見て、静かに微笑んだのだった。
「シャーリン様、昨日は随分素敵な夜をお過ごしになられたのですね。……ふふ、やっと言えました!」
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