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大震災の元凶、地龍を倒して日本を救ったのに異界に追放されたので我流六気操術で無双します。  作者: 坂井ひいろ
第5章 城塞都市ミート編

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05-14 魔眼カメラがギロリ

パタ、パタ、パタ、パタ。


五匹の蝙蝠は七階層、八階層と角付き化け物が徘徊する廊下を進む。


九階へ下りた時、景色が変わった。


廊下には沢山のドアがズラリと並んでいる。取り付けられた窓から中が伺え、寄生魔蟲の鬼角をつけたゴブリンたちがせわしなく働いている。


ガラスケースの中にはヤドカリのように脚を蠢かす鬼角型の寄生魔蟲がガサガサと音を立てている。


帝都トキオ剣術魔法学園の生徒会室の机の転移階段の先にあった魔蟲飼育室そのものである。


「っ……。ここにつながっていたか」


解は小さく呟く。廊下には巻貝型の鬼角魔石からこぼれ出た鬼の妖気が漂っている。


パタ、パタ、パタ。


ドラキュラ伯爵蝙蝠が解の肩に止まって囁く。


「なっ、ホテルで言った通り、真っ黒だろう?」


解は一瞬、三回制限のあるマユの『浄化(ピュリフィケーション)』を使うべきか逡巡(しゅんじゅん)するが放っては置けない。


ここで作られる魔蟲がどれだけの人や亜人種を鬼(オーガ)化するか考えただけで取るべき選択肢は決まっている。


「殲滅するぞ」


解は居合斬りの構えで腰を落とす。


ズサッ!


ズサッ!


ズサッ!


妖刀『鬼神解(きじんかい)』から発した斬撃波が廊下に並ぶ壁を切り裂く。


ドッドーン。


未知の金属壁が切り刻まれて崩れ去る。


突然のことに慌てふためく鬼角を頭に乗せたゴブリンたち。


「マユ、頼む」


「わかりました」


マユはコクンと頷き、両手を合わせて高く上げる。


「神の御霊よ、光となりて彼らを救い給え。『浄化(ピュリフィケーション)』」


回復師(ヒーラー)の最上位魔法が水平な光の輪となって衝撃波を伴いながら広がり走る。


飼育器に入った鬼角型の寄生魔蟲もゴブリンの角も全て浄化されていく。


力を使い果たして解の腕の中に倒れ込むマユ。


これで今日は一回目。残り二回。


解はミートの薬屋でエルフの美人お姉さんから買った回復薬をマユに飲ませる。


青白かったマユの顔に血の気が戻っていく。


その間に永久、人狼ガルム、鬼女ベニの三人が部屋の中の設備を破壊して回る。


正気を取り戻したゴブリンたちはあたふたと逃げ回るが、敵意もないので放置する。


解たちはこうして階下に降りる階段の前に集まった。


階段上に取り付けられた魔眼カメラがギロリと動いて監視を続けている。


階段を下りた十階層でパーティーが見たものは九階層と同じ鬼角量産研究施設だった。


更に十一階層も同じ……。地上世界の裏社会にどれだけ鬼角型の寄生魔蟲が出回っているか計り知れない。


解は桜龍会(おうりゅうかい)女親分サキを中心とした各城壁都市の闇組織連合がどこまで対応できているか心配になる。


階層ごとにマユは『浄化(ピュリフィケーション)』使用して疲弊する。


やはり、三回が限界だったのだろう。回復薬を飲ませても顔色が良くない。


そうして迎えたのが十二階層目。ボス部屋の扉の前に立つダンジョンアタックパーティー。


メンバー全員が疲労を抱えた状態でダンジョンボスとの最終決戦が始まろうとしていた。


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