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天才!トラブルメーカー!

 それから一週間後、今日は、待ちに待ってもいない期末考査だ。千歳も青葉も、この日ばかりは学校に行きたくないと、憂鬱になっていた。

 二人は、学校に来た瞬間勉強を始めた。楽しい事を考えようとしても、その日は考えられない。夏休み直前にこの仕打ちは酷いと、一年生の時から千歳は思っていた。


 りんかは、中間考査は、平均点が学年一位だった。小学校の頃から賢かったりんかだが、そこまでとは誰も思っていなかった。りんかは先生の目の前では、真面目で

だが、不思議と誰もいい子ぶってるとは思っていないのだった。教室で勉強しているりんかを敦也は見ている。それを見て、クラスメイトの男子が横から話しかけてきた。

「あいつ、賢いし美人だよな」

「あぁ…、黙って、じっとしていればな」

敦也がそう、残念がるように呟いた。

 りんかは一年生にして放送部と美化委員を掛け持ちしている多忙な人でもある。そして、ピンクジュエルが現れる度に、アクアマリンとともに現れる。そんな日々を過ごしている中で、果たしていつ勉強しているのか、周囲の人々は疑問に思っていた。

「あいつ、天才なのか?」

「馬鹿と天才は紙一重って言うぜ?」

りんかは、二人の事を全く気にせず、勉強を続けた。




 期末考査は一週間近くある。実技教科を含めて九教科、一日ニから三教科ずつやる。三年生は、そこで受験する高校を決める参考になったりするので、真剣である。一方、一年生と二年生にとっては、夏休みの通過点の山場に過ぎない。

「やっと…、終わった〜!」

千歳は、大きな達成感と脱力感で一杯で、その後の事なんて全く考えられなかった。

考査が終われば夏休みだ。三年生は受験があるので遊べない。二年生が、中学生生活で一番遊べる年だ。

「結果はどうだった?千歳姉」

夏休み前なので、解答用紙は後悔する間もなくあっという間に返ってくる。千歳も青葉も、どの教科も平均点を取る程の成績だった。

「青葉、後で保健体育見せて」

「えっ、熱中症の話だっただろ?」

千歳は、平均点の紙をもってげんなりとした。

「今回実技がすこぶる悪かったの」

「でも、千歳姉はいつも美術は良いだろ?」

「まぁ…伊達に怪盗やってないわよ」

二人は廊下に掲示されているテストの平均点の順位を見た。

「今回も涼平が一位か」

「みたいだね」

「千歳姉、一年生の順位見たか?」

「見てないわよ、わざわざ一年生のクラス行かないし」

青葉は、学校に来る時チラッと一年生の順位を見てきたのだ。

「りんかがまた一位だった」

「えっ?あの子ホントに賢いの?」

「みんなまぐれって言うけど、俺はあいつは本当に賢いと思ってる」

「ふうん…」

千歳は、青葉の話を半分信じて半分疑っていた。

「でも、これで通知表もらったら後は夏休みだね!」

千歳は、夏休みが近づいて、嬉しそうだが、青葉はそうではなかった。

「ところがな、夏休み初っ端から大変な事になったんだ」

青葉はそう言って自分の教室に戻って行った。



 二人は海洋邸に戻った。青葉は自分の机の引き出しにあった紙を千歳に突きつけ、大声でこう言った。

「プリンス・トパーズからの挑戦状だ!」

「えっ…?!」

その内容は、美術館にある呪宝『失楽園のゴブレット』を奪い合おうといったものだった。

「聖杯を奪い合おうとは…、とんだ粋な事をするもんたな」

「…何感心してるのよ」

「トパーズが居るって事は…、グラマラスキャットも来る可能性はあるって事だよなぁ」

青葉は、挑戦状を机の上に置いて、千歳を見た。

「色々敵が多いが、頑張れよ、千歳姉」

青葉はそう言って二階に上がっていった。千歳は、その挑戦状を見ながら、次の計画はどうしようと考えていた。

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