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6-4

 一方、クイは、半ばパニックになっていた。

(い、嫌じゃなかったら、どうなるのぉぉ~?!)

 突然の情熱的なキス。

 それだけでも十分パニックなのに、その後、一転して、優しい口調で「嫌か?」と問われたら、もう訊かれている事は一つしかない!!

(キ、キスより先を望まれているぅぅぅ~~~!!!)

 確信すると、クイは、がたがたと震えだした。

 いろいろなことが頭の中を駆け巡り、気を抜くと倒れてしまいそうになる。

(落ち着け~。落ち着くんだ、私ぃ~。)

 クイは、努めて冷静に状況を見回した。

 ここは、会議室だ。

 壁側に机と椅子が寄せてあって、殺風景なほど何もない。窓からは、午前の強い陽が差し込んでいて、カーテンなどは一枚もない。扉の向こうには、二人の兵が待機している。そして、もちろん詰め所には、多くの兵が……。

(……え?)

 クイは、失神しそうになった。

(こ~こ~でぇ~~~~?!)

 クイがオレリアスにしがみ付くと、たたみかけるように、

「怖いかい?」

と、問い直された。

 それは、クイにとって、最後通告に等しかった。

 焦るクイ。

(こ、このまま黙っていたら、すべてを黙認したことになってしまう~~ぅぅ!!)

 かつてないほど差し迫る、乙女の危機!

(な、ななな、何か言わなければ。でないと、このまま~、ここでぇ~~!!!)

 わずかに残った正気をふりしぼって、

「す、少しだけ……。」

と、答えると、オレリアスは、意外にすんなり、

「そうか、そうだね。すまなかった。」

と、クイを離してくれた。

(うわぁ。)

 オレリアスの支えがなくなると、クイは、その場に倒れこんだ。

「?! 大丈夫かい?」

 気づくと、クイは、再びオレリアスに支えられていた。


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