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一方、クイは、半ばパニックになっていた。
(い、嫌じゃなかったら、どうなるのぉぉ~?!)
突然の情熱的なキス。
それだけでも十分パニックなのに、その後、一転して、優しい口調で「嫌か?」と問われたら、もう訊かれている事は一つしかない!!
(キ、キスより先を望まれているぅぅぅ~~~!!!)
確信すると、クイは、がたがたと震えだした。
いろいろなことが頭の中を駆け巡り、気を抜くと倒れてしまいそうになる。
(落ち着け~。落ち着くんだ、私ぃ~。)
クイは、努めて冷静に状況を見回した。
ここは、会議室だ。
壁側に机と椅子が寄せてあって、殺風景なほど何もない。窓からは、午前の強い陽が差し込んでいて、カーテンなどは一枚もない。扉の向こうには、二人の兵が待機している。そして、もちろん詰め所には、多くの兵が……。
(……え?)
クイは、失神しそうになった。
(こ~こ~でぇ~~~~?!)
クイがオレリアスにしがみ付くと、たたみかけるように、
「怖いかい?」
と、問い直された。
それは、クイにとって、最後通告に等しかった。
焦るクイ。
(こ、このまま黙っていたら、すべてを黙認したことになってしまう~~ぅぅ!!)
かつてないほど差し迫る、乙女の危機!
(な、ななな、何か言わなければ。でないと、このまま~、ここでぇ~~!!!)
わずかに残った正気をふりしぼって、
「す、少しだけ……。」
と、答えると、オレリアスは、意外にすんなり、
「そうか、そうだね。すまなかった。」
と、クイを離してくれた。
(うわぁ。)
オレリアスの支えがなくなると、クイは、その場に倒れこんだ。
「?! 大丈夫かい?」
気づくと、クイは、再びオレリアスに支えられていた。




