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君と  作者: おかピー
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16/16

勘は万物よりも鋭くて

「だーかーらー電流はA、電圧はV!」

「はあ?なんでなん。意味わからん」

「俺もだわ、何が意味わからんねん。知識じゃ」


現在、絶賛翔と意見がぶつかってる。


「じゃあ、Aはどっからきたん」

「Aはアンペアのやつ。ampereな」

「急に発音良すぎ」

「うるさい」


そんなことを話していると、


「はげええええええええ」

「朱羅ちょっとうるさい」

「ああ、すまんすまん」


そんな隼人と朱羅の会話を聞きながら、俺は翔と話す。別にけんかをしているわけではなく、普通に教えているだけ。翔はたまにめっちゃ呑み込みが悪い時がある。思考の問題とかじゃなくて、知識の問題だから別に頑張って覚えてもらうしかないのだが。


「三鷹くん、これはなんなん?」


隼人が口を開く。


「これってなんやねん。全然見えないっすけど。」


すると隼人はあ、という声を出して、訂正する。


「えっと、社会のワークの178ページの問い三。これって何。」

「ちょっと待ってな」


ワークをめくる手が急ぐ。


「あーこれはあれ。三国協商の国の集まりのことやから、あれや」

「どれ」

「あのー、連なって合わさってる国みたいな感じのやつ。」

「あー連合国か。」

「そうそう。」

「あーね。ありがと」


っていうか、隼人さっき、通話越しなのにどうやって俺に問題見せるつもりだったんだ。そんなことが俺の頭の中でふと思い浮かぶ。


「まあ、あほか」

「なんか言った?」

「なんもー」


隼人はたまに、少しの天然がでる。普段は、完璧そうで、完璧でない隼人は、どこか抜けている。それが、俺にとっては少しうれしかったりするのかもしれない。

――完璧な人間には何をしても思いは届かないのだから。


時は着実に流れていく。明るかった空は確かに黒の要素が増えていき、熱烈に輝く玉はいつの間にか空から消えていた。そんな時間にふと通知がイヤホン越しに聞こえた。スマホを見ると、俺がいつも使う連絡アプリからの連絡だった。真似からの連絡だ。しらない内に友達追加されていたらしい。


「なにをしておりますか。」

「今は勉強中」

「一人?」

「いや、隼人と。」

「二人ですか。二人ですよね。二人しかありえない。二人以外の可能性を排除しますね。それで、そんな二人で何をしているんですか。」

「別に、二人じゃないんだけど。翔と朱羅いた。」

「腐腐腐、そうですか。」

「え、そんだけ?」

「それだけですけど。すみません二人の時間をお邪魔して。」

「だから二人じゃないって」


俺が送ったメッセージは、絵文字で返されて、それっきり連絡は来なかった。

…いったい何だったんだろ。


「俺一回ご飯食べてくるわ。」

「はあ、じゃあ、俺も」


隼人と翔がそう言って、通話を抜ける。あのいい方は多分、もう一回戻ってくる。通話は俺と朱羅だけになった。朱羅とは昔からの幼馴染らしい。同じ病院で生まれて、親同士が仲いいんだとか。小学校が違うので、あったのはほんとうに最近で、お互いあんまり覚えていない。


「朱羅さん生きてる?」

「朱羅さんいきてるよ。元気元気。」

「おっけーだ」

「っていうか私思ってんけどさ、」

「うんうん、何を思っていたんですか」

「お前って隼人と話すときだけめっちゃ楽しそうやでな。」


…へ?

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