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【新章開始】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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操風で送風! 問題を見える化しよう!

 風忍法の初仕事は、風呂上がりに(りょう)を取ることだった。


 手をかざして発動したが、手から風は出なかった。

 ちゃんと風は起きている。

 周囲の空気を動かして前方に流す、という形でだ。


 これは空気を生み出す術ではなく、動かす術だから当然か。

 空気の流れが起きるので、俺も涼しさを甘受できる。


 リンが俺に笑いかける。


「ありがとうございます。

 優しい風で、すごく心地いいですー」

「さすが扇風機の術っス!」


 起こせるのはそよ風程度。

 扇風機の風量なら弱くらいだ。


 どうにも迫力に欠ける。

 涼むにはいいが、戦闘では使えないだろう。


 まあ、スキルレベル一だとこんなものかな。

 水忍法の【操水】はもう少しマシだったが……。


 風を強めても、タオルがたなびく程度でしかない。

 せめて強風……いや、中でもいい!


 こんなものなのか、風忍法!


 いにしえの忍者は、あいさつ代わりに風でスカートをめくっていたと聞く。

 だが濡れたタオルは重く、動かせない。


「うーん。

 【操風】は【操水】と比べてパワーが弱いな」


 生活に便利。

 しかし戦闘では使えない。

 そんな手ごたえだ。


 やはりスキルレベルか……。

 いや、まだ馴染んでいないだけ。


 使い込めばスキルは応えてくれるはずだ!


「なかなか涼しいっスよ!

 このままなら体を拭かなくても乾きそうっス!」

「トウコちゃん。

 髪を乾かすから、ちょっと動かないでねー」


 そう言うとリンはトウコの髪に手を差し入れる。

 トウコは嬉しそうに目を細めている。


 火魔法を応用してトウコの髪の水分を飛ばしているのだ。

 すぐにそれを終えると、今度は自分の髪の毛を乾かしていく。


 髪を乾かす(ドライヤー)魔法だ。

 便利なものだな。

 もはや、ほぼ火魔法じゃないけど!


 【防火】と【ファイアボール】などを絶妙に組み合わせ、髪を傷めないよう扱っているのだ。

 凄いよなあ。リンのコントロール力!

 俺も見習おう!



 翌日。

 二人は学校へ出かけている。

 俺はひとり、自分の拠点で風忍法を試していた。


 トウコの言葉で検証者枠に【操風】をセットしたが、これはいい機会だ。

 ずっと気になっていたんだよね。

 今のうちに練習しておこう。


 俺は人に見せる前にじっくり練習しておきたいタイプなのだ。

 本番一発勝負で運に身を任せる気はない。


 【風忍法】は前々から【検証者】にセットしていた。

 しかし、あくまでも【風忍法】は基礎スキルである。

 関連スキルが取得できるようになる効果しかないのだ。

 実際に使える関連スキルを取らないと意味がない。


 そもそも、使っていないから熟練度だって貯まらない。

 これじゃあ、枠を圧迫しているだけ。


 使わないなら、枠から外してしまえばよいかというと?

 それは、論外!

 外すと風忍法を二度と取得できなくなってしまうからな。

 二系統の忍法を操るロマンを捨てるわけにはいかない!


「よし決めた! 今日は【操風】を使い倒すぞ!」


 間引きを兼ねて、クローゼットダンジョンの低階層を周回する。


 うーむ。

 やはり、風を吹き付けても効果は低いか。

 ダメージは与えられないらしい。

 ゴブリンを驚かせるくらいがせいぜいだ。

 注意を引いてよそ見させるくらいはできるが……。


 もっとこう、ズバッといけないものか。

 むん、と俺は意識に力を込める。


 風を狭めて、勢いを乗せて、風の刃を作るイメージ!

 しかし、発動しない。


「……やはり【風刃(ふうじん)】がないとダメか……」


 なら、風の壁は?

 強風は?


 次に試したのは、敵の攻撃を防ぐような風の壁だ。

 強風を吹き付けるイメージで……!


 むむ……どうにもうまくいかない。


「慣れた【水忍法】の感覚でいけるかと思ったけど、難しいな」


 水と風では感覚が違う。

 風は 透明で、軽くて、形がない。

 目に見えないから、つかみどころがないのだ。


 水忍法でも、水より霧のほうが操りにくく感じるし……ふむ。

 気体を操るのは難しいんだな。


 ふむ。

 イメージしにくいこと、これが問題だな。


 問題点がわかったなら、あとは改善するだけ!


「見えないってことなら……濃霧!」


 霧を発生させ、薄く周囲にばら撒く。

 霧は空気中の水蒸気だ。

 そこには空気も含まれる。


 【水探知】で霧を知覚して……。

 空気中を漂う水分がわかれば、周囲の空気を感じることに通じる。


 そこへ【操風】を発動!

 空気を含んだ霧が動く!


 お!? いいぞ!

 よし! 感じられる!

 風の動きが手に取るようにわかる!


 これで【操風】の精度が目に見えてよくなった!


 【濃霧】は地味ながらサポート能力は高い。

 いろんなスキルの起点として使える良スキルだ。


 これを組み合わせれば【風忍法】も扱えそうだ!

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― 新着の感想 ―
忍者だから寧ろ毒とかを散布する用途が正しそう、、、スキルレベルが上がったらNINJAみたいな派手な感じなるだろうけど今のところ遁術の延長かな?
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