お風呂上がりに欲しくなるのはあのスキル!?
【水圧】は【操水】と似ている。
圧力の差で水流を作ったりできる。
【操水】や【水生成】と併用すれば水の勢いが増す。
ホースの先端を指でつまんで絞るような感じだ。
強化すれば単体でも攻撃や拘束に使えそうだ。
敵を水で包んでから、圧力を高めて締めあげる。
水の万力だな。
トウコが推していたように、高圧ウォーターカッターも可能だろう。
とはいえ……。
「【水圧】はなかなか便利だが、やや力不足だ。
戦闘に使うなら他の術を強化したほうが早いだろうな」
「【操水】で【水圧】に似たことができちゃうんですねー?」
「そうなんだよ。
これはむしろ、【操水】が凄いんだけどな」
「スキレベを上げてよかったっスね!」
【水圧】を鍛えれば、高圧水流で切断できるだろう。
【水刃】は水を硬化して刃を作る。
【操水】なら、この両方が実現できる!
水を固めることはこれまでもやってきた。
強化したことでより硬く、より鋭くできるのだ!
「よし、水を固めて刃も作ってみるぞ。
……【操水】!」
風呂の水面に、サメの背ビレのような刃が現れる。
「ちゃんと鋭いみたいですねー」
「【水刃】ナシでコレっスか?」
「ああ、【水刃】は併用せず、【操水】のみだ」
鍛えた【操水】でどこまでできるかを試している。
併用すればもっと硬く鋭くなるだろう。
「これなら【水刃】はもういらないっスねー」
なに!?
【水刃】がいらない子になってしまうって?
「そんなことはない。
【水刃】を使った経験があるからこそ【操水】で刃を作れるんだぞ。
無駄にはならないさ」
とはいえ、ポイントを振ってまで育てたりはしない。
今後、【操水】でまかなえるスキルは最低限でいいだろう。
「【水壁】も取らなくて良さそうだな。
壁も【操水】で作れる」
「スキルポイントが節約できましたねー」
「【水面歩行】もいらないな。
相変わらずよくわからない【水潜み】を試してみるか」
【水中呼吸】【水中行動】あたりは、今のところ使う予定がない。
検証者枠の残りで、一気に試してしまおうかな。
と考えていると、トウコが元気よく手をあげた。
「ん、どうしたトウコ」
「店長店長、風忍法を取るなら今だと思うっス!」
「ふむ。
たしかにトウコの言うことにも一理ある。
キープしてるだけじゃ、もったいないってことだろ?」
忍法は本来、一系統しか取れない。
【水忍法】を取得するとき【風忍法】を【検証者】にセットしてキープした。
これは選択肢を残すための措置だ。
上級忍術である忍法は取得するスキルポイントが高い。
二系統を同時に育てるのは無理があるので、これまで手をつけずに来た。
【風忍法】は長らくベンチを温めているだけだった。
ついに出番が来たか!
「まー、そーっスね。
それより、もうのぼせそうなんで上がるっス!」
「そうだねー。
私も少し、のぼせちゃったなー」
リンが上品に手で顔を仰ぐ。
そういえば、かなり長風呂になってしまった。
熱中しすぎたか。
トウコがざばりと波を立て、湯から上がる。
雑にタオルを巻いてはいるが、もうちょっと隠せ!
恥じらいってものが足りないぞ!
「で、店長!
お風呂上りの今こそ、扇風機の術が欲しいっス!」
「おいっ!
濃霧で冷やせるからいいだろ!」
扇風機て!
トウコの言うことにも一理あるな……とか言ってた俺がバカみたいだろ!?
トウコが腰に手を当てて、なにかを飲むジェスチャーで手をクイクイ動かす。
「風情が違うんスよ、風情が!
やっぱ、お風呂上りは扇風機とコーヒー牛乳っス!」
俺はあきれ顔でため息をつく。
「せっかくだから試してみるが……。
なんか腹立つな!」
そう言いながら俺は【操風】を検証者枠にセットする。
これで枠は埋まった。
効果は……。
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【上級忍術】
【風忍法】
【操風】
レベル1:風を操り自在に移動させる。
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これは【操水】とほぼ同じ説明だ。
つまり風忍法における基本であり、司令塔に当たる。
最初に試すなら当然このスキルだ!
まさか初陣が扇風機扱いとは思わなかったけど!
「というわけで【操風】!」
腰に手を当てたまま待っているトウコに、ばっと手を向ける。
術が発動。
そよそよと風が吹く。
ほう、こういう感じか。
風呂から立ち上る湯気がわずかに風に流されていく。
「お、いいっスねー!
今、風はあたしに吹いているっ!」
トウコはご満悦の表情。
「私も、いいですかー」
リンがタオルをしっかりと押さえて、トウコの横に立つ。
おや?
隠すべきところを隠したほうがエロくなるのはなぜなんだろう。
「もちろんいいぞ!」
空気はどこにでもある!
これは強みだな!
俺が術を強めると、はたはたとタオルが風にたなびいた。
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