試作品二号:フライパンのバックラー!
デカくて重い中華鍋大盾のお試しが終わった。
効果だけ見れば、まあまあの印象。
まだ改良の余地はあるが、次の品へ移ろう!
「次はこれだ!
フライパンのバックラー!
こうして持ち手を内側に曲げて固定できるように作ったんだ」
俺はフライパンを取り出し、取っ手を内側に曲げる。
持ち手がフライパン中央の内側を渡すようになる。
そして反対側のへりに固定される。
取っ手が取れて、かちっとハマるタイプのフライパンに似ている。
ややガタつきが残っているが、正式採用されたらもう少し改良するつもりだ。
「あっ、今度のは小さいですね!」
「中華鍋と比べると小さいが、フライパンとしては大きいほうだぞ。
一人暮らしでは使わないようなサイズだ」
内径が三十センチほどの品である。
四人家族とかで使うサイズだ。
「そう言われてみれば大きいですねー?
それに、ちょっと厚みもあります」
「お、そこに気づくとは、さすが料理人だな!」
「ふふ、ありがとうございまーす。
お肉を焼いたりするのに良さそうですねー」
厚みによって熱の伝わり方が違う。
野菜炒めなどを作るなら薄いほうがいい。
「薄いと、すぐ壊れるんだ。
強度強化の付与をかけてあるが、ちょっと怪しいかもな。
壊れても気にしないでくれ。
もし気に入ったら、正式版は材質を改良するつもりだ」
「はい、試してみましょう!」
何しろこれは試作品。
見た目もかなりフライパン寄りである。
「じゃあ、持ってみてくれ!」
「ええと……こうですか?」
リンが迷った様子で取っ手を握る。
ああ、なるほどな。
いつもはトンファー盾だから握り方に違和感があるらしい。
「手の甲を相手に向けるように持てばいい。
握りと、腕の一部で支える感じだな」
「わかりました、こうですねー」
「改良すれば、腕にバンドで固定して手をフリーにできるぞ」
「便利そうですね!」
フライパンの形状を維持しようとすると、ちょっと難しい。
その場合は折り畳み機構を考えないといけないだろう。
ベルトを通す穴をあけたり、取っ手を工夫したり……。
「じゃあ攻撃してみる。
構えてくれ」
「はーい」
リンがフライパンバックラーを構える。
大盾と違って、体はあまり隠れない。
盾を狙って、軽めに叩く。
受けたリンの手がぶれて、ややバランスを崩す。
「あっ!?
難しいですねー」
「こういう感じで自分から動いて、打ち合うようなイメージで使うんだ」
リンの後ろから腕をとってイメージを伝える。
作ったときに分身を相手にテストしたので、使い方はわかっている。
バックラーはパリィ特化みたいなところがある。
どっしり構えて攻撃を受け止めるには小さすぎるのだ。
「じゃ、同じ強さで振るぞ。
受け払ってくれ」
「はーい」
俺の刀を、リンのバックラーが弾く。
タイミングはやや遅れたが、一応防げた。
俺は再び刀を構える。
「じゃあ次は強めに。
ていっ!」
「えいっ!」
今度はタイミングが合った!
きぃん、と音を立てて刀が弾かれる。
「うまくいったな!」
「はいっ!
あっ……!?
でも……へこんじゃいましたぁー」
泣きそうな顔で、フライパンのへこみを指でなぞるリン。
リンがへこんでどうする!?
俺は笑顔を作ってフォローする。
「安物のフライパンだから気にしないでいいぞ。
忍具作成ですぐに直せるし……。
……と、思ったけどリン。
せっかくだから新しいスキルを試してみたらどうだ?」
一瞬リンは考え、すぐにうなずく。
「スキルですか?
あっ、あれですね!
【調理器具・修復】があるんでした!」
これは道具を修復するスキルのはずだ。
さあ、お手並み拝見といこう!




