調理器具を使った防具の品評会!
学業を終えたリンと合流し、用意した品を見せていく。
いわば品評会だ!
エントリーナンバー、一番!
本命の中華鍋の大盾である!
「大きいから体を覆うように守れるぞ。
持ってみてくれ、リン」
家庭用のコンロでは扱えないほどのサイズ。
本格的な中華料理屋が使っていそうな品である。
内径七十センチ。
重量は五キロを超える。
リンは左右の取っ手を両手で持って、重そうに中華鍋を持ち上げる。
持ちにくそうだ。
このままでは両手がふさがってしまう。
採用が決まったら、ここは改良するつもりだ。
左右の取っ手に棒を固定して持ち手を作るとかね。
「うーん。
持ち歩くには、ちょっと……重すぎるかもしれません」
ですよね!?
ちょっとどころではなく重いのだ。
頑丈さ重視の品だからな……。
うん、やっぱり重いよなぁ。
「それでも軽量化の付与をかけてあるんだ。
まあ、俺が持っても重いくらいだから、無理しないでくれ」
「はい。
でも重いぶん、安心感がありますね!」
にっこりと笑うリン。
いいところ探しがうまいね!
「じゃあ、スキルが発動するか試してみよう。
構えてくれ」
「はい!
いつでも大丈夫ですよー!」
リンが盾を構え、ひょこっと顔を出して答える。
かわいい。
検証とはいえ攻撃したくないぞ!
しかし、それでは始まらない。
「軽めにいくぞ!
ていっ」
俺は盾に向けて、刀の峰を叩きつける。
こーん、と金属音が響く。
リンが盾から顔を出して言う。
「大丈夫です!
びくともしません!」
「じゃあもう少し強く!
ていっ!」
かーん、と鋭い金属音が響く。
盾が刀の峰を弾く。
へこんだりはしていない。
大鍋が頑丈なこともあるが、それだけでない。
【調理器具・強度強化】の効果もあるはずだ。
「うっ……!?」
「大丈夫か?」
「はい、音に驚いちゃいました。
ぜんぜん大丈夫です!
たぶん、衝撃を吸収しているんだと思います!」
「それは【調理器具・衝撃吸収】の効果だな!」
「はい。
ちゃんと使えましたー!」
よし、鍋風の盾でもちゃんとスキルは発動する!
「手ごたえはどんな感じなんだ?」
「スキルを切ってみるので、もう一度お願いできますか?」
リンが盾を構え直す。
俺は先ほどと同じように盾を叩く。
何度かそれを続け、だいたいわかってきた。
「スキルを使っているときは、ふわっとした手ごたえになります。
叩かれた衝撃が弱まる感じ、でしょうかー。
でも連続で叩かれると効果がなくなっちゃうみたいです」
「常時発動するスキルじゃないってことだな。
クールダウン時間があるのか」
「そうみたいです」
盾で防いだ攻撃の威力を弱めることができる。
ただし、その効果は連続しない。
「とりあえず、中華鍋は調理器具のスキルが発動できたな」
「盾として使えますね!」
「じゃあ、他の品も見てくれ。
次はフライパンをベースにしたバックラーだ!」
「これは使いやすそうですね!」
――品評会は続く。




