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【新章開始】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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火照ったカラダを鎮める方法!?

 スキルポイントを割り振って【水探知】を取得した。


 まさに【水忍法】の核となるパーツ!

 様々なシナジーを生み出す最重要スキルだったとは!


 目から鱗とはこのこと!

 目が悪いことに気づかず、初めて眼鏡をかけたような気持ちだ!


 世界はこんなにも素晴らしいものだったなんて!


 今検証を始めたばかりだというのに、消費したのは三ポイントだ。

 ごく短い時間で熟練度が貯まっていたらしい!


 濃厚な経験を積んだからな。

 世界の神秘、最奥の叡智(えいち)を覗き見たのだ。


 水えっち……いや、水探知君とは分かり合える気がする。

 共に経験を積んでいこうじゃないか!


 リンが心配そうに眉を寄せる。


「ゼンジさん……本当に大丈夫ですか?

 のぼせたなら、上がったほうが……。

 ああ、蛇さんのお肉が効きすぎちゃったのかな……!?」


 リンがなにか言っている。

 後半は小声でうまく聞き取れなかった。


 トウコが俺の肩に手を置き、元気に申し出る。


「手ぇ貸してあげるっス!」


 気持ちはありがたいが、それはできないのだ。


 今、湯から上がることはできない!

 諸事情でな!


「いや、もう大丈夫だ。

 水探知の検証はいいとして、次は【濃霧】を試そうと思う」

「あ、水探知はお気に召しませんでしたか?」


 リンが残念そうに言う。

 俺は首を振って断言する。


「お気に召したとも!

 もう取得したから、次の検証に入ろうと思ってな!」


 怪訝(けげん)な表情を浮かべるトウコ。


「あれ?

 店長が迷わずに決めるのは珍しいっスね」


 勘ぐるんじゃない!

 勘のいい子は危険だよ!


 俺は話を先に進める。


「あとがつかえているから、どんどん試すぞ!

 【検証者】に【濃霧】をセット!」

「セーットっ!」


 トウコが復唱してくる。


 リンが不思議そうに言う。


「あの、どうして濃霧なんですか?

 防水のほうが、今の階層では役に立つような……」

「ちょっと思いついてな。

 濃霧が攻略に役立つと、ピンと来たんだ」


 頭に血が上った今だからこそ思いついたとも言える。

 前から可能性は考えていたが、切実に必要だと感じた。


 トウコが頭上に疑問符()を浮かべたような顔になる。


「うぇぇ?

 なんでキリが役に立つんスか?

 もやもやするだけじゃないっスか!」

「暑さ対策だよ!

 霧ってのは、水蒸気(すいじょうき)みたいなものだ」


 リンが理解を表情に反映して、ポンと手を打つ。


「あっ!

 そういうことですね!」


 リンには伝わったようだ。

 トウコがじれったそうに言う。


「だから、どういうことっスか!?」

「霧を操れるなら、蒸発や凝結を操れることになるだろ?」


 トウコの頭上に疑問符(??)が増える。


「じょ、ジョーハツとギョーケツ?

 キリって、じめじめもやもやするだけじゃないんっスか?」


 俺は説明する。


「ジメジメするのは湿度が高いからだ。

 モヤモヤするのは空気中の水滴が光を散らせるからなんだよ」


 トウコがぜんぜんわかっていなそうな声を出す。


「は、はぁん?」

「言い換えれば、目に見えない小さな水滴の集まりが霧なんだ。

 たくさん集まるから目に見えて、視界を悪くする。

 温度が高いとき、水分は空気に蓄えられる。

 それが冷えると水滴に……」


 トウコの頭上でハテナマーク(???)がさらに増える。


「ちょ、店長!

 ムズカシイ話はナシでっ!」


 飽和水蒸気量とか状態変化とか……。

 そんな話をしようと思ったが、このへんにしておくか。


 トウコの頭が限界を迎え、湯気でも出そうな様子になっている。

 まあ、細かいことを理解する必要はないだろう。

 俺がそれを都合よく解釈(かいしゃく)して、使いこなせばいいだけだ。


 スキルは柔軟(じゅうなん)だ。

 間違った知識を思い込むことで強化されることもある。

 正しい知識を前提として細かく運用することもできる。


 しかし自分自身に(かせ)をはめて、効果を制限しては意味がない。

 だから俺も柔軟に対応する。

 リアルとファンタジーを都合よく混ぜて利用すればいい。


「簡単に言えば、霧を操れるってことだ!

 霧を作ったり、消したり、動かしたりできる!」


 まだ試していないが、ひとまず断言する。

 飽和水蒸気量か、温度か、蒸発や凝結、あるいはその全て。

 これを支配し、操る能力。


 そう言うことで頼むぞ【濃霧】さん!

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― 新着の感想 ―
トウコ、小学生の理科レベルで引っかかってどうする(笑) 【濃霧フォグ】は空気中に含まれる水分を液化、顕在化し、霧として操ることができる忍法。 大気中の水分を霧として持ち歩ける可能性も。 敵の視界を遮っ…
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