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【新章開始】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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スキル検証【濃霧】! 操るのは温度か、それとも……!?

「簡単に言えば、霧を操れるってことだ!

 霧を作ったり、消したり、動かしたりできる!」


 トウコが頭上のハテナを消し、ぴこんと感嘆符()を浮かべる。


なるっ!(なるほど)

 完全に理解したっス!」


 わかってなさそうだけど、ヨシとしよう。


「じゃあ、早速やってみるぞ!

 ――【濃霧】!」


 【検証者】にセットした【濃霧】が発動する。

 発動にかかったのは一秒程度だ。


 なにもない空中に濃い霧が発生して、漂う。


 リンがうれしそうな()みを俺に向けて拍手する。


「わあ、霧が出ました!

 成功ですね!」

「発動まで一秒くらいか。

 無から霧を作るイメージでやってみたんだけど、うまくいったな。

 術を解除してみよう」


 術を続ける限り、霧はどんどん増えて範囲を広げていく。

 その間、魔力は消費され続ける。

 【水噴射】や【水生成】と比べればコストは軽いな。


 術を解除すると、霧は文字通り霧散してしまった。

 これは【水噴射】で出した水が消えるのに似ている。

 魔力によって無から生み出した一時的な水は、すぐに消えるのだ。

 分身が(ちり)になって消えるのとも似ている。

 納得した。


「じゃあ次は、水を蒸発させるイメージでやってみるぞ!」


 意識を術に集中する。

 そして風呂の水を一気に蒸発させるようなイメージを浮かべる。


 術を発動……成功!


 都合のいいイメージが実を結ぶように、水面からモクモクと水蒸気が立ち上る。


「おお、うまくいったぞ!

 しかもクールダウン時間がないから、連続で使える!」


 集中には時間が必要だが、次の発動まで間を置く必要はない。

 ま、濃霧は連発するような術じゃないけど。

 使いやすいに越したことはない。


 トウコが目を丸くして、湯船からわき上がった霧を手で扇ぐ。


「おーっ!?

 おフロからキリがでてきたっス!」

「すごいですー!

 蒸発も操れちゃいました!」


 大物演歌歌手のステージでも始まりそうなスモークが立ち込める。

 無から生み出すより魔力消費量は少ない。


「ふむ。

 さすがに一気に風呂の水がなくなったりはしないようだな」

「店長がんば!

 もっと水位を下げるんスよ!」


 トウコがリンを凝視しながら鼻息を荒くする。


 水を減らして裸を拝もうって?

 ふ、幼稚な奴。

 俺はそんな段階はとっくに超越している!


 リンはトウコの目論見をスルーして続ける。


「霧に必要な水分はそんなに多くないんですよねー?」

「水が蒸発すると体積は千七百倍になる。

 つまり少しの水があれば霧を作れるんだ」


 逆に言えば、風呂の水位が減るほどの速さで霧にはできない。

 それを確認した俺は術を解き、満足げにうなずく。


「よし!

 術を解いてみるぞ」


 あとは、作り出した霧がどうなるかだな。


「んー。

 すぐには消えないっスね」

「少しずつ風で散っていく感じだな」


 ここは広々とした草原だ。

 霧はわずかな風に流されて、拡散して消えてしまう。

 無から霧を出したときとは消え方が違う。


「消え方がゆっくりなのは、本物のお水を変化させたから、ですよね?」

「ああ、たぶんそうだ」


 不思議(ファンタジー)効果によって、現実的(リアル)な物理法則に干渉している。

 その物理法則の結果として発生した霧は本物(リアル)だ。

 物理法則に従ってそのまま残る。


 とはいえ風に吹かれて散ってしまうし、いずれは空気に溶けるように消える。


「んじゃ次だ。

 空気を冷やして飽和水蒸気量を下回らせて……」


 トウコが目をぐるぐる回しそうな顔で言う。


「店長!

 もう細かい話はいいっス!

 さっさと次どうぞっス!」


 トウコは知恵熱を出しそうな様子だ。

 では理論は置いておこう。


 実際にやってみせよう!

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― 新着の感想 ―
空気を冷やして飽和水蒸気量を下回らせて… 普通は、風魔法の系統だけどねぇ。 【水中呼吸】【濃霧】【天候操作】【雷】【嵐】【雹】って概ね水•風の複合魔法のケースが多いよね。 (某気象精霊みたいに)旋風…
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