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君は何度でも嘘をつく  作者: じゅん
モノローグ
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モノローグ 「The Story has Launched」

 よう。

 俺の名前はディープルート(Deeproot)アーサー(Arthur)。ただの宇宙飛行士だ。

 国のやつら、結構無茶な事を言ってくるもんだ。冥王星に行ってこいとか、帰ってきたらおじいちゃんだぞ。

 まあ、こんな感じに自己紹介はしたが、別にいらなかったかもしれない。

 なぜなら、俺はもうすぐ死ぬかもしれないからだ。意識が曖昧としてきている。なんというか、過度な貧血と疲労、睡眠不足が全て襲ってきている感じだ。別に、そんなことした覚えはないんだけど。

 そんなわけで、俺とはここでお別れだ。今までいい人生だった。

 あの子のパンツを覗いたら退学になったこと。サラリーマンの時、社長と話してるときに我慢できずに漏らして退職になったこと。宇宙飛行士になったのに全然宇宙行けなくて部長にずっとぐちぐち言ってたこと。今思うと、俺、やばいことしかしてないな。でも、それも今となればいい思い出だ。

 だが、死ぬことはないだろう。俺はこの宇宙船にとってなくてはならないといけない存在だ。この船の主人公がすぐ死ぬなんて、小説ではありえないことだ。


 ピーピーピーピーピー

 サイレンが鳴った。黒板を引っかかれているような音で、耳が痛い。宇宙飛行士にとってはいつものことだが。

 まあ、また宇宙に住んでいる宇宙人が襲ってきたんだろう。俺達地球人がいつも惑星を支配するせいで、血気盛んな宇宙人はいつも戦いを挑んでくる。迷惑なものだ。

 でも、もう俺には関係ない。だって死ぬんだもん。

 はー。死にたくねー。

 でも、しょうがないのかな。これも俺の運命(さだめ)なのかもしれない。


「おい、アネット。」

 アレンの声が聞こえた。アレンは、この宇宙船の船長だ。そして、俺が最も憎んでいる男でもある。

「俺とお前はここにいよう。サイレンは鳴ったが、他の船員で対処できるだろう。」

「かしこまりました。」

 アネットが答えた。アネットは、この船の副船長を任されている。そして、俺の好きな人でもある。

 死ぬ前に、アネットの魅力だけ語らせてくれ。聞いて損はしないはず。多分。

 まず、アネットは可愛い。ほんっとに。昔の人で言う、クレオパトラとかそんなレベルで可愛い。アネットを入れて、世界四代美女に改定してもいいんじゃないだろうか。後、巨乳なんだ。男が求める理想の大きさ。柔らかそう。もちろん、平たいのも好きだが、デカいのにしかない魅力もある。後々、性格もいいんだよ。優しいのにユーモアもあってノリもいい。たまにきついところもあるんだけど、そこもいいんだよ。

 そのアネットが、アレンに従っているのが気に食わない。噂では付き合っているらしい。

 はあ、僕もモテたかったな。


「船長、なかなかですね。」

「ほんっと、往生際の悪いやつだ。」

 そりゃそうだろ。何を言ってるんだ。誰が死ぬ際に「潔く死にます!」ってなれるんだよ。誰だって生きたいに決まってるだろ。

 あー、でもやばい。ほんとに意識が朦朧としてきた。寿命は、後1分保てばいいほうか。


 ピーピーピーピーピー

 またサイレンが鳴った。今度は前のサイレンよりも音が大きかった。

 多分、味方が押されてるのかな。少し前に、外でものすごい爆発音がしていた。俺らにとっては日常茶飯事のことだが、庶民からしたら怖いものだろう。毎日第三次世界大戦が開催されているような気分だ。

 俺がいないから負けたって知らないぞ。

 でも俺には関係ない。なぜなら、もうすぐ死ぬのだから!


「船長、大丈夫なのでしょうか。」

「大丈夫ではなさそうだな。」

「よし、俺が言ってこよう。アネットはここで待っててくれ。」

「分かりました。」


 アレンが部屋を出ていった。

 いかにも強そうな装備を装着して出ていった。そんなことしても、素の能力が弱いから意味ないのに。

 あいつはもう死んだな。そう確信した。

 あいつと一緒の時に死ぬなんて、不名誉でしかない。悔しい。


「船長!」

 アネットが叫んだ。アレンは、カッコつけて立ち止まった。ああいうところが苛つくんだよ。

「多分、船長が帰られる頃までにはアーサー君のことを終わらせないといけないと思うので、私が終わらせておきます。」

「了解した。」

 よっしゃ。好きな人に殺されるのなら死んでもいい。これでもう、俺の人生に一生の悔い無し。

 そう思っている時、アレンは宇宙船から戦いに出ていった。


 またもう一段階意識が朦朧としてきた。

 もう、アネットの姿はただのモノクロテレビの映像のように見える。

 アネット、早く殺してくれ。そう思ったが、もう言葉を発することはできない。後は全てアネット次第となった。


「ねえ、アーサー君?」

 名前を呼ばれたが、答えることができない。

「そっか。もう喋れないんだね。」

「これは、船長の命令だから、私は従うわ。」

「さようなら、アーサー君。」

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