出血大サービス
興奮して気絶しちゃった、てへ。それにしても、なんにもない大陸ってつまらないね。ゴミが落ちてなくて寂しいと思う日がくるとは。ドラグ君、掃除機の才能あるよ。
「ラーニャ、楽な死に方を教えてくれ。こんな世界に用はない」
「ドラグ君に食べられるのが一番楽だよ。お願いしてあげようか」
「ドラゴンに食われて死ぬ趣味はない。美少女の胸に挟まれて窒息死といかないものか」
「エルファさんにお願いしてあげようか」
「彼女に頼めば剣で殺される。想像するだけにしておこう」
想像するんだね、兄さん。あたしで想像したことあるのかな? 聞くの恥ずかしい。
「にっ、兄さん」
「そんな上目遣いではダメだ。私の義妹像には程遠い」
「ひっどーい。まだ何も言ってないのに」
「見てればわかる。兄妹だからな」
悔しい。あたしなんて眼中にないってことじゃん。なーに空見上げて黄昏ちゃってんの。画になるのがムカつく。
「これからどうするのだ二人共」
「どうしたらいいと思う? エルファさん」
「それが思いつかないから聞いたのだ。転移者の二人ならば名案があるのかもと思ったのだが」
「力になれなくてごめん。あたしも兄さんも文明の力に頼りっぱなしだったから、ゼロから考えるのが苦手なんだよ」
「そうか。進化は時に残酷なのだ」
「便利なものに頼るのは自然なことだろう。何も恥じることはない。むしろ、布一枚でいる今を恥じるべきだと思うがね」
「ばっ、馬鹿者っ!? ジロジロ見るでない!」
エルファさん、照れちゃって可愛いなぁ、もう。でもでも、可愛さでいったらドラグ君も負けてないんだよ。
『お姉ちゃん、どうかした? もしかして、ぼっくをぶってくれるの』
「悪いことしてないのにぶたないよ」
『そうか……そうだよね』
しょんぼりしちゃうドラグ君可愛い。なんなのこの生き物は。ドラゴンでドMで美少年で――ぐはん! ヤバい、ハナジブシュー。
「ぐへへ」
『お姉ちゃん、大丈夫?』
「大丈夫だよ。ちゃんとドラグ君で興奮してるよ」
「興奮する元気があるから心配するだけ損だぞ、ドラグ。それよりも思ったのだが、ラーニャの理想のイメージでその姿になったのだったな」
『それがどうかした』
「ラーニャが思いさえすれば女性になることも可能なのか?」
『外見はね。心までは変わらないよ。ぼっくは男なんだからね』
「そんなことはわかってる。エルファを犯そうとしたのだからな。いくら外見が変わろうとも君に欲情はせん。ラーニャのイメージが反映されるということが重要なんだ」
「げふんげふん。兄さん、どういうこと?」
「もういいのか? 鼻血は出し切ったか」
「あたしを殺す気か!」
「鼻血で死ぬ妹の兄にならずに済んだようだな」
『右手、何が言いたいの』
「ドラグ。君の魔術の能力は、イメージの具現化か?」
えっ、ドラグ君の魔術は、あたし専用の着せ替え人形になることじゃなかったの?
『どこまで可能かわからないけど、そう言われればそうかもね。で、ぼっくに何をさせたいの?』
「ラーニャのイメージを具現すればいい。というわけで頼んだぞ、ラーニャ」
「ちょっとちょっと! あたしにいったい何をイメージしろってのよ!」
「決まっている。君の理想の異世界だ」
意味わかんないだけど。いきなり世界を作れって言われて作れますかって話だよ。たまに兄さんはわがままになるんだから。
兄さんはわかってるのかな。あたしに任せたらとんでもない世界になっちゃうよ。いいの? いいの? ショタだらけの世界ができちゃっても。
「ぐへぇ」
「おい、妙な世界にしたら許さんぞ。ショタだらけの世界などお断りだ」
「な、なんでわかっちゃったの!?」
「見てればわかる。兄妹だからな」
『それなら元の世界に戻せばいいんじゃないの』
「私もラーニャも元の世界を知らん。君の契約者がラーニャである以上、ラーニャの想像力に頼るしかない」
「日本を想像した方が早いんじゃない? 兄さん」
「君の思う日本とはなんだ?」
「ツリー、タワー、富士山」
「足りなすぎる。日本は諦めろ」
「そうだね……あはは」
だってしょうがないじゃん、地理に弱いんだもん。空で日本列島書けないよ、絵心皆無だもん。
『ぼっくにできることがあるなら頑張るよ。お姉ちゃん、一緒に頑張って作ろうね』
一緒に頑張って作ろう!? ちょっと待ってよドラグ君。まだ心の準備ができてないよ。可愛い顔して大胆なんだからっ! きゃー!
「何を興奮してるんだ。そんなに欲求不満か」
「不満に決まってるでしょ。彼氏できたことないし」
「モテるんじゃなかったのか」
「誰のせいだと思ってるの」
兄さんの馬鹿、意地悪、二次元オタク!
いいもんいいもん。こうなったらドラグ君と愛の結晶作っちゃうもんね。
「わたっしには難しいことはわからないが任せるのだ。みんなにはうまく話しておく」
「助かる。私もラーニャも人付き合いが苦手なんだ。こうして君と話せているのが不思議なくらいでね」
「わたっしときさっまは気が合うのかも」
「ならば付き合おう」
「そっ、それとこれとは別なのだ!」
兄さんとエルファさんの仲、どうなるんだろう。気になるなぁ。でも今は集中しなくちゃだね。契約したときと要領は一緒かな。
『お姉ちゃん、早くしよ。ぼっく、もう我慢できないよ。二人で……作ろう』
「どどどドラグ君、なんで全部脱いじゃってんの!?」
柔らかそうな――いや、絶対に柔らかい体がああああっ! なで肩反則っ! 熱を帯びたオッドアイ反則っ! 恥ずかしそうに大事なところを隠すの反則ううううっ!!




