LOG.03 直感という名のバグ
そしてなぜか、今ここで、短剣を振り下ろすと、2度とそれは手に入らない。
そんな気がするんだ。
なぜだ?なぜだ?なぜだ?
いや、これはロジックでも、システムでもない。
これは、俺がまだ、生きていることの証。
直感というなのバグだ。
「欠陥品め」
オメガドロイドが俺に銃口向け、引き金を引いた。
だがそんなもの、俺には届かない。
「”立て、人間”」
「え?」
「”立て。そして、戦え!!”」
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×HOSTILE:E4ドロイド][×HOSTILE:E4ドロイド]
[×TARGET:味方識別信号(IFF)破棄]
[×MODE:殲滅]
「ううぉおおお!!」
オートエイムの回避方法は2つある。
一つは敵対反応にかからないこと。
そしてもう一つは、圧倒的速さだ。
俺は床を蹴った。
一瞬で最初の標的との距離がゼロになる。
刃が青い火花を散らして、E4の首を両断した。
[×KILL:E4ドロイド]
返り血を浴びる間もなく、次へ。
壁を蹴り、天井を蹴り———俺の体そのものが弾丸だ。
青い血飛沫を巻き込んで進む。
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
まだだ。
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
まだまだ。
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
「”はははははははっ!!死ねえぇぇえ!!ガラクタどもがああああ!!”」
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[×KILL:E4ドロイド][×KILL:E4ドロイド]
[× KILLLLLLLLLLL......Error]
[×HOSTILE:オメガドロイド]
青い霧の中、後ろで人間が引き金を引くのが見えた。
銃弾は機械のヘルメットを粉砕した。
中から40代の白人の顔が現れる。
奴は驚愕の表情で叫びながら銃を撃つ。
「この不良品め!!」
その瞬間を俺は見逃さない。
背後から間合いに入り込み、露出した首元をロックする。
全てのエネルギーを刀に込める。
短剣は青く発光する。
「不良品はお前だろ。俺は創造神だ」
一閃……
[×KILL:指揮官機]
敵の首が飛び、頭のない体が鈍声を鳴らす。
ボストンの展示場は青一色。
それもまた、芸術だ。
「はは…はははははっ!」
やった。
全員殺した。
こんなにも喜びが込み上げて来るのはいつぶりだろうか。
爽快感が半端じゃない。
そういえば人間は?
振り向くと、仮面に弾痕が…
その隙間から、赤い血が。
「まさか、そんな…」
「大丈夫、銃弾は当たっていない」
とても可愛らしいふんわりとした声で答えた。
不思議な力がありそうな不思議な声だ。
「カサッ」
そのマスクを外した時、俺の全回路がフリーズした。
いや、爆発した。
その規模は核爆弾級だ。
美しすぎるほど整った、白磁の肌。
割れた天井から差し込む月光が、彼女をスポットライトのように照らす。
風になびく漆黒の髪と、その内側で揺れる鮮やかなピンクのインナーカラー。
黒と桜色のコントラストは、まるで月夜に舞う『夜桜』のように見えた。
ドクンッ!ドクン?
心臓ないのになんだ今の音は!
やばい、頭が真っ白だ。
一体落ち着こう。
なんていうんだっけこういうの。
[×SEARCH:ロード中]
瞳惚れ?糸目惚れ?
なんか、そんな感じの名前だったような…
[×SEARCH:失敗]
え?
[×WARNING:バッテリー残量なし]
[×SYSTEM:シャットダウン準備]
ちょ待てよ!
は!?
ここで!?
何か喋らなきゃ!
「あの!君の…」
あれ?!
喋れない。
何か彼女が喋っているみたいだけど。
[×AUDIO:ダウン]
[×VOICE:ダウン]
ああ、くっそ。
せっかく転生できたのに…
これで終わるのか…
もう一つ、やり残したことがあったのに…
[×VISUAL:ダウン]
[×SYSTEM:シャットダウン]
ラノベみたいな…ラブコメ…を……君と…
バタンッ
これはドロイドに転生した俺が日本へ帰還し、世界を救うまでの物語だ。
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