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第174話 揺れる席=安楽椅子?いいえ、観覧車

追記:日時を書き忘れていました。

11月1日(土)午前10時

今日の済陽の姿は白のセーラー服(短パン)。

アウルート「もう短パンの方、着るのですね」

強欲・元社長「先週の今日で着るの早っ」

そして新たに、予言・カサンドラビューが参加者に加わった。

予言・カサンドラビュー「よろしく、あたしの良くない占いは必ず当たります。しかし、信じてくれませんが・・・」

姿は典型的な占い師で、フェイスベールを掛けている。


今週の選定は遊園地のラージワルドで行われた。

済陽「観覧車耐久〜!」

ルールはフリーパスで観覧車に何回も乗る。

一回乗ったら、きちんと並び直す。

「地味っ!」「同じのを何回も乗るのっ!?」「もったいなっ!」

参加者達は困惑した。

「しかし、何で観覧車耐久に?」

「昔の遊園地のフリーパスのCMで観覧車乗り放題をPRしているのがあったんだ」

「本当に何で何だ」

そして、参加者全員は観覧車の列に並んで乗る。

一般客も並んでいる為、17分待たなければならない。

しかし、順番を待てない人がいた。

正義・ハイパーヒーロー「退屈〜」

発掘・トレジャーハンター「ここに来たらあれに乗りたいよ!」

修正・タイムイレイサー「高所は無理です」

対価・見返り美人「普段は宇宙船にいるのに?」

修正・タイムイレイサー「あれは現実味がないので」

観覧車に一度も乗らずに脱落する人がいた。


更に一度乗ると一周するのに15分間座りっぱなし。

エコノミークラス症候群を不安視する者、高所が苦手な者、単に楽しさがわからない者、等が離れていった。

また、途中で諸事情により、観覧車自体が止まる事があった。事故では無い。

復讐・復讐屋「わっ、揺れてるっ!」

維持・ヤングシスター「うわ〜、真上の所で止めないでくれぇ〜!」

修正・タイムイレイサー「途中で降りて良かったです・・・」


しかし、それでも乗り続ける者はいた。

また、昼食はテイクアウトで取れるものをアウルート達含めたスタッフ達がリクエストに応えて調達。

ハンバーガーや卵入りカレーパン、ケバブサンド、豚の角煮まん、焼きそば、ランチセット等、種類が豊富だった。

残っている参加者は乗り降りてキリのいい所で、食事をした。


午後4時

最終的に最終的に、災禍・死神探偵の読腹解斗(32歳)が挑戦者になった。

「よし、これで解決できる」

彼は鹿撃ち帽、ブラウンのベスト・チノパンといかにも探偵の格好をしている。

しかし、表情は少しやつれ気味だった。

今回は護衛ありで331(みすい)件ある事を起こす。彼はお守りを授かって街に出る。


11月2日(日) 午前10時

私、直子は美香ちゃんから事務所に集まって欲しいとのことで元玩具屋だった部屋にやって来た。

事務所には、安倍さん、アイアス、ルーカスくん、美香ちゃん、霧子ちゃん、探偵の格好をした男性が来ていた。

真紀久、塔子ちゃん、涼子さん、創くん、はまだいない。

「貴方は・・・?」

私は取り敢えず、探偵服を着た男性に尋ねる。

「初めまして。私は、読腹探偵事務所の読腹解斗と申します」

そう言って、ご丁寧に名刺を一枚出して来た。子供向けのナレーションみたいな声だった。

「そして・・・、今日の僕は、モストホープの災禍・死神探偵という挑戦者としてやって来たんだ」

「「「「「「!?」」」」」」

営業用の口調から変わった事と、堂々と今週の挑戦者がご挨拶に来た事に驚いた。

「何で、ここに来たんですか?」

安倍さんが不思議そうに聞くと、読腹さんは答えた。

「お願いをしに来たんだ。君たちに、僕を見逃して欲しい」

単刀直入なお願いに更に困惑した。

お母さん刑事さんに続いて二人目だよ!

「そう頼むくらいの願いと説明があるのか?」

アイアスが厳しい眼差しで聞く。

『『♫〜』』

すると、私の電話と霧子ちゃんの電話がなった。

私のは真紀久からだった。

「ごめんなさい」

「失礼」

すぐに出た。

『もしもし、直子?ごめん、事務所来るの遅くなりそう』

「何があったの?」

『塔子が殺されそうになったんだ』

「ええっ!?」

衝撃の余り、大声を出してしまった。

『大丈夫、塔子と俺は無傷。今から、警察署に行って事情聴取してくる。また後で!』

「分かったわ、気をつけてね・・・」

電話を切って、心を落ち着かせて、ありのままに伝えた。

「真紀久と塔子ちゃん、殺人未遂に遭って遅れるって」

「「「「何だって!?」」」」

皆、当然驚く。読腹さんは冷静だった。

霧子ちゃんもまた、目を見開いて、応対していた。

「分かりました・・・。皆様、創殿が殺害されそうになりました」

「「「「「!?」」」」」

うっそでしょ!?同時に起こるものなの!?

「涼子様が辛うじての所で止めたので傷はないですが、警察署に」

「やはり起きてしまったね・・・」

なんか怪しい・・・、いやもうこの人がやってるよねぇ!?

「お前の仕業か?」

ルーカス君が睨んで聞くと、読腹さんは少し頷く。

「半分正解だね」

半分・・・?

「僕はね、出歩く所で殺人事件が起きてしまう体質なんだ」

「何ですかその探偵モノの主人公みたいな呪い・・・」

「本当に探偵ですよ」

安倍さんの言葉に私は突っ込んだ。

「そうなんだ。安倍君、君が探偵の人と『旅行先で殺人事件が起きたのは初めてだぁ〜』と言っていたのを知った時は「ふざけるな」と思ったよ」

淡々と気持ちを述べる読腹さんに安倍さんは心なしか青ざめてる。確かに怖いわね・・・。

「だからね、僕はこの呪いから解放される為に、挑戦者になったんだ」

「それで、成功内容は・・・?」

私が聞くと、落ち着いた口調で恐ろしい内容を告げた。

「4日で331件、殺人未遂事件を起こして見過ごす事なんだ」

「「「「「4日で331件!?」」」」」

皆驚いて声を上げてしまった。

大規模テロだよこれっ!

ルーカスが声を上げる。

「住民を犠牲するなんてなんて事だ!」

「大丈夫、命は落とさないよ」

「そういう問題じゃない!犠牲が起こっているのがおかしいんだよ!」

「僕が探偵になってから5年間、ずっと毎週殺人事件があっているんだ。未遂事件を4日耐えられればもう僕がきっかけで人が死ななくなるんだよ?」

「えっ・・・、あんた毎週殺人事件に遭ってんの?」

「少年探偵アニメでも、毎週殺人事件は起きねぇですよ・・・」

ゾワっとした。本当に呪いの類だよ・・・。

「お祓いを頼んでも、担当者が被害者になってしまうんだ!」

「それは・・・、ご愁傷様です・・・」

反論しづらくなった。

「しかも、占い師からこの呪いを止めないと、僕が暗殺されるらしいって」

「それは…、どうでしょうかね?」

「それとね、アイアス君。君は覚えているかい?樋田恭一郎さん」

「ひだ・・・?」

「前に地下闘技場で戦って、俺を洗脳していた奴」

「彼の事かっ!」

安倍さんの補足で、アイアスは思い出した。

「確かあの人、塔子ちゃんや遠藤さんの様な不幸体質の人を助ける力を使っていましたね。・・・まさか」

私は気づいてしまった。

「そうなんだ。僕もね、樋田さんに助けられそうになった一人なんだ。最初は嘘だと思っていた。だけど、モストホープにスカウトされてひださんの事を知った」

アイアスの顔が青ざめてる!これ、マジで不味いっ!

「樋田さん、自らとはいえ、君に斬られたんだってね。しかも君、あの人になんて言ったか覚えてる?」

アイアスは恐れながら言った・・・。

「お前という卑怯者に・・・、助けられて・・・、喜ぶわけないだろ・・・」

読腹さんはぷるぷると震えながら、更に続けさせる。

「それだけじゃないでしょ?」

「寧ろ・・・、悲しむはず・・・」

「その考えでまた不幸に堕ち続ける人がいるんだよぉ!」

読腹さん、顔を赤くして涙を流しながらバンっとテーブルを叩きつけた!

怖い怖い怖いっ! 

読腹さんは立ち上がると、アイアスに近づく。

「君はぁ、本当に頭お花畑だねぇっ!」

アイアスの頭を両手でガシッと固定。すると、アイアスの股間に目掛けて蹴りを入れたっ!?

痛いっ!なんで金的!?

更に読腹さん、アイアスの剣が床に転がっていくのを見つけると、その剣を憎しみの形相を浮かべて踏みつける。

「ぐっ、このっ、ふんっ!」

アイアスが股間を左手で抑えながら右手を剣の方に伸ばす。

「やめろ・・・、やめてくれ・・・」

私たちは衝撃の連続にフリーズしてしまった。


しかし、そんな中、安倍さんが動いた。

「読腹さん、一旦落ち着こう!」

「なんっ、離せっ!」

安倍さんが読腹さんを羽交締めしてアイアスから離れさせる。

そして、そのまま部屋を出て行かせた。

「また後で!」

「わ、分かりました!」

安倍さん、ありがとう。

ドア越しに怒号が聞こえる。

「御免っ!」

「ぐふっ!?」

大丈夫じゃ無さそう!

「私も、様子を見ます」

「お願いね」

霧子ちゃんも部屋を出て行った。

そして、話し声が遠くなっていく。


そして・・・、事務所の部屋では青ざめて廃人状態のアイアスが私たちの中心にいた。

「……」

相当ツケが来ているわね…。

「取り敢えず、あの探偵どうしよう?」

ルーカスくんが話題を出した。

「あの人を止めないと、大量の殺人未遂事件が起こる。しかし、止めたら年間48件以上?の殺人事件が起こる」

私が予想の整理を付けると、尚の事読腹さんを止めるのは難しくなった。

すると、美香ちゃんが意見を出した。

「そう言えば真紀久さん達、殺人未遂に遭い、止めたけど、状態は如何だったのでしょうか?」

「2人は無事だったって」

私が教えると、美香ちゃんが人差し指をおでこに当てて考えるポーズになった。

「無傷の場合って、カウントされるのでしょうか?」

「どういうことだ?」

ルーカス君が困惑する。

「もしかしたら、殺人未遂事件が起きたとしても、刺されるのを止めて無傷にさせる事ができるかもしれません!」

「え〜とっ、私たちが現場に入り込んで止めるという事?」

美香ちゃんは頷いた。

「はい!ただ・・・、結構危険で成功率低そうですが・・・」

返事以外は自信無くなっていく・・・。


「良いかもしれない」

ルーカス君が賛同した。

「快晴は、あの探偵と一緒なんだよな?だったら、安倍に場所を教えてその付近を警戒すれば良いんじゃないか?」

「どうかな・・・、まぁ確かに無いよりは良いかもね。ダメ元でやろう」

すんなりと暫定的な計画が進む。

「もしかしたら・・・、すみません。更に有利に進められそうな人を思い出しました。一旦失礼します」

「分かったわ・・・。美香ちゃんは気を・・・、いや、美香ちゃんは成功したから狙われないか」

「そこは少し心配して欲しかったです〜」

「ごめ~ん!」

このやり取りで緊張が少しほぐれて、美香ちゃんを見送る。

「じゃ、やってみようか」

「そうだな!」

「アイアス、後で元気になったら合流しようね?」

取り敢えず、私達は外に出た。


私はふと振り返る。

「そう言えば、某少年探偵は本編時空だと・・・」

検索すると、年数が進まない時間軸だと、一年で3桁進んでいる事を知ってやっぱり推理アニメの世界にゾッとした。

親知らずを抜きました。めっちゃ痛かった

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