ベットの広さが仇となる
桜と蓮香がお風呂を済ませてリビングに戻って来た。
下着姿のままで、、、。
唖然とする明日香。
とりあえず訊いてみた。
「え~と、、、何故パジャマを着ないの?」
桜が怒った様子で、
「さっき言ったじゃん!」
「似合うか見てもらおうって」
「あ~そんな事言ってたね」と棒読みになる明日香。
桜の下着は上下お揃いで薄い桜色だ。
自分の名前に因んで選んだのだろうか、とても似合っていた。
一方蓮香は、桜と同じく上下セットで紫の下着だ。
こ、これは、、、似合う上に凄くエロ、、では無くセクシーだ。
蓮香は気品があるので、俗的な言い回しは禁止である!
と、何故か自分の中で明日香は決まり事を作ってしまう。
そしてここは正直に2人を褒めておいた方が良いだろう。
何か言ってあげないと桜辺りがうるさい筈だ。
「二人ともよく似合ってるよ」
「でもそう言うのは、好きな男性が出来るまで取っておいた方がいいよ~」
桜がブゥ~と頬を膨らませて不満な様子。
「私、好きな男性いないもん」
「それに私はバイっていったじゃん!」
「明日香さんが相手してくれれば問題無しじゃん!」
『え~~、、、褒めてもうるさいのかよ~』
『てか、、相手って何のだよ~』
と項垂れる明日香。
蓮香はと言うと、明日香を見つめて少し恥ずかしそうにしていた。
「あの~、私を見て何て言うのか、、、」
「ムラムラしませんか?」
明日香は頭を抱えた。
桜がおかしな事言うには問題ない?が、蓮香が言うと問題が有るような気がする。
この二人は私が男って事に気付いてるのでは?、と勘繰ってしまう。
とりあえず服を着て欲しいし、かといってガッカリもさせたくない。
と言う訳で微妙なニュアンスで褒めてみる。
「二人とも可愛くて綺麗だから」
「そんな恰好で居られたら私が変な気持ちになっちゃうでしょ」
「それに風邪でもひかれては困るし、、、」
すると蓮香は嬉しそうな顔をした。
「分かりました」
そう言って手に持っていたパジャマを着だした。
それに倣うように桜もパジャマを着だす。
「あれ?」
「それって、、、」
と明日香はつい不思議に思い言葉が漏れた。
蓮香は明日香に微笑みかけると、
「実はですね、色違いのお揃いにしてみたんです」
桜と蓮香のパジャマは、明日香と同じワンピースで色違いの物だった。
桜は薄いピンクで、蓮香は黒色だ。
嬉しそうな顔で桜が続けた。
「せっかくだからね、仲良くなった記念にお揃いにしようって」
「明日香さんには内緒にして、二人で決めたの~」
何だか笑みが零れてしまう明日香。
この2人は、することも可愛らしい。
まあ、たまに引いてしまう時も有るが、、、。
明日香は二人の頭を撫でると、
「2人とも良く似合ってるよ」
「まさかこんなプチサプライズされるとは思わなかったけど、、、」
そしてリビングを出つつ、
「私は洗濯してくるから、2人はお肌のお手入れでもしてて」
お風呂上がりのスキンケアーは女子の基本である。
なんちゃって女子の明日香もここは怠らない。
「は~い」
と生返事だが2人の嬉しそうな声がした。
褒められたのが嬉しかったのだろう。
脱衣所で3人分の服や下着を洗濯しながら、ふと思った。
『明日は日曜だし、桜と蓮香は私と一緒にいるつもりなのかな、、、?』
『出かけるなら同じ服は嫌だろうし、、、』
『ここで過ごすにしても部屋着は要るよね、、、』
明日香は衣装部屋が有るほど服を沢山持っている。
なので最悪、明日香の服を2人に貸す手もある。
そう勝手に考えだす明日香。
そしてそんな自分に少し呆れる。
無駄に世話焼きだからだ。
本来、そんな心配は個々で勝手に解消すべきなのだから。
自分が好意を寄せている相手に何かしてあげたい、と言うのは至極普通の事の筈。
でも限度を弁えなければ嫌われてしまうかもしれない。
”嫌われてしまうかも”と思ってしまった自分に再び呆れてしまう。
いままでこんな想いを持った事など無かったのに。
『他人に対する”気持ち”と言うのは人を変えてしまうのだな』
洗濯をかけてリビングに戻ると、2人は少し眠そうな様子でソファーに座ってテレビを観ていた。
もう深夜2時である。
「2人とも歯磨きしておいで」
「そのまま寝ちゃったら虫歯になるよ」
と桜と蓮香に優しく声をかける。
桜は眠そうに立ち上がると明日香を見つめた。
「明日香さんって、私の理想のお母さんみたい~」
「優しくて美人で、世話焼きで~」
蓮香も立ち上がると苦笑した。
「フフフ、、、でも私は明日香お姉様の世話をしたいです」
「出来れば同棲したいくらいに、、、」
おいおいおい、、、それは困る。
お母さん扱いも困るし、同棲も困る。
明日香は2人の背中を優しく押して、脱衣所にある洗面台に向かうよう促す。
「分かったから、早く行きなさい」
明日香は洗濯をしに行ったついでに、歯磨きも済ませて来た。
なのでそのまま寝室のベットに倒れ込む。
「疲れた、、、、」
そして気が付くといつのまにか眠っていて、無防備な自分に驚く明日香。
2人が明日香に悪戯する事は無いだろうが、裾がめくれ上がってアレの膨らみがバレる可能性もある。
まぁショートパンツを履いてるので大丈夫だろうが、それでも心配だ。
寝室の照明は消されていて、薄っすらとしか周囲が見えない。
それに何故か身動きもとれない。
横を向いて眠っていた明日香だが、何と正面に蓮香が、背中には桜が抱きついて眠っていたのだ。
両面から温かく柔らかい感触が明日香を覆う。
更に女の子の甘くて優しげな香りが、明日香の鼻孔をくすぐった。
『これは不味い、、、』
何が不味いかと言うと、明日香の男の子が反応したのだ。
生理現象だけに、どうしようもない。
蓮香に密着し過ぎるとバレてしまうので腰を引く。
2人は眠っているのでバレる訳が無いのだが、焦っている明日香にそれを冷静に考える余裕は無かった。
少し動いたせいか蓮香が朧げだが起きてしまう。
「ぅ、う〜ん、、、」
と何だか色っぽい声を漏らす蓮香。
そして蓮香は明日香を抱き枕と勘違いしているのか、手を回して来た。
その上先程よりさらに密着し、明日香の胸に蓮香の顔が埋まる。
桜も無意識なのだろう、少しもぞもぞと動いた後、明日香の腰に手を回して来た。
明日香はそれ以上、桜の手が下に来ないよう願うばかりだった。
しかし疲れていたせいか慌てるのも束の間、直ぐに微睡みに落ちてしまう。




