47話 サプライズなオムライス
ダルスは心配だが……まぁ大丈夫だろう。
よし、下準備は整った。
そして俺は店の中央に立ち、手を叩く。
「なぁみんな聞いてくれ! 今日は俺達の仲間、メルダが学会で賞を取ったんだ! みんなで祝ってくれるか?」
メルダへ指をさすと、客達が歓声をあげる。
「すげぇじゃねぇか、姉ちゃん!」
「良いぞ! 姉ちゃん!」
「姉ちゃんやったな! おめでとう!」
「みんな、ありがとう!」
周囲から飛び交う言葉にメルダは笑顔で返した。
そして、俺は手を挙げる。
「みんなありがとう! それでだ。俺はこれからみんなに料理を振る舞おうと思う」
『『うおぉぉぉぉ!!!!』』
凄い歓声が上がった。
今日の主役は料理じゃなくてメルダなんだがな……
「す、凄い歓声ね……」
「あ、あぁ……現金な奴らだな……」
俺とメルダはそんな会話を小声で交わした。
「じゃあ、これから準備するから待っててくれ!」
『『うおぉぉぉぉ!!!!』』
そして、意図しない歓声の中、俺は厨房へと向かう。
※ ※ ※
今日はメルダのお祝いだ。
料理自体はシンプルなオムライスにする。
だが、サプライズを仕掛けようと思う。
そうだな……くす玉にするか。
さて、材料を確認しよう。
卵、コメ、玉ねぎ、塩コショウ、ケチャップ、バター、サラダ油、ナゾ肉だ。
今回は20人前の量を作る為、見た目のインパクトを重視することにした。
まず全身炎化し、玉ねぎをみじん切りにする。
『空間収納』から深い木皿を取り出し、みじん切りにした玉ねぎを盛ると、体内へと飲み込み弱火程度の敵意で加熱する。
加熱している間にナゾ肉を1cm角に切った。
そして、体内から加熱した玉ねぎを取り出すと、切ったナゾ肉とバターを合わせて炒める。
炒めている間に『複製修理』で『空間収納』に保管してある大木を使用し、直径3m程のやや深い木皿を作成する。
皿の見本が無いから少々歪な形になってしまったが、まあ良いだろう。
炒めたナゾ肉と玉ねぎを作成した深い木皿へ移し、コメとケチャップを加え混ぜながら塩コショウで味を整えて山のように盛った。
更に『複製修理』でガチャガチャのカプセルのように縁に溝を掘った木のボウルを2つ作成し取り出すと、片方のボウルに卵を溶きながら塩コショウとサラダ油を加える。
そして、左手から小さな炎の竜巻を卵の入っているボウルの中へ放ち、もう1つの空のボウルで蓋をしてカプセル状の球にした。
球は竜巻の影響でカタカタと震えている。
下準備はこれで完了だ。
あとはフォンとダルスを呼び、最後の仕上げにしよう。
《フォン、ダルス、ちょっと店の中央へ来てくれ!》
《わかったわさ!》
《了解っす!》
俺は店の中央にあるテーブルへ、ケチャップライスの入った3mの木皿を置いた。
その様子を見た客達がテーブルへ集まってくる。
「おっ、いよいよだな!」
「今日はどんな料理なんだ?」
「随分赤いコメである……」
客達の反応はまずまずだな。
ドラムはケチャップライスをまじまじと見つめている。
おそらく異世界にはまだオムライスを作った奴は居ないのだろう。
さて、最終調整といこうか。
《フォン、そこの球を天井まで持ち上げることは出来るか?》
《余裕だわさ!》
《ダルス、フォンが球を持ち上げたら、中央から切ることは出来るか?》
《勿論っす!》
《よし! じゃあ俺が合図するまで待機していてくれ!》
《わかったわさ!》
《了解っす!》
これで全ての準備が整った。
では、始めるとしようか……
今回もお読みくださりありがとうございます。
ブックマークや評価を頂けると嬉しいです。
執筆中に117件目のブックマークを頂きました!
ありがとうございます!
次回の更新は12日の予定です。
広告の下にあるリンク
【小説家になろう 勝手にランキング】
をクリックお願いします。




