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「魔王の終活」   作者: クロネコ
52/60

52話 対話と鉱石

ラストル達は坑道で、山中の街サバランでホームレスだった老人ラフと再開し、坑道の奥の不思議な空間に連れてこられる。


ラフは刀身の透ける不思議な剣を一行に見せるが、ラストルが触れられたのを見て目の色を変える。


〜 坑道 ラフの小屋 〜


小屋はランプがついているものの薄暗く、木で作られた机と椅子が4つ。


ラストルを含めた3人は誰一人としてラフの出す「お茶」と称したものを飲もうとしなかった。


「さて。

俺の言った素質とは、何を隠そう勇者の素質だ。


ラストル。お前には勇者の素質がある。」


ラフが神妙な顔で言う。


「またか…アイツも同じ事を…」


ラストルは宿敵デューダが勇者を探していると言っていたのを思い出す。


「アイツ?」


ムンナがが不思議そうに聞く。


「以前言った俺のことを殺そうとしている男だ。


それで、目を見て『どっちだ?』と言ったのはどういう事です?」


ラストルはすぐさま質問する。


「あそこに刺さってるのは紛れもなく、6本ある聖剣の1つだ。

名を''ソート''という。


見ての通り常人では刀身に触れる事ができない。

触れられるのは勇者の素質を持ったものか、魔の者のどちらかでしかない。


魔の者であれば聖剣に触れた時、その瞳に炙り出される。それでお前の瞳を見ていた。」


ラフは淡々と答える。


「なんでそんな事を知っているの?

あなたの目的はなんなの?」


今度はペティが聞く。


「お嬢さん、悪いが俺が何者なのかは言えない。

俺は一切の自分の情報を教える事ができないんだ。

そういう呪いにかかっていると言っていい。

だから誰とも関わらないようにホームレスとして生活していたんだ。


ただ、世界中に俺の事が書いてあったりする書物があるから調べて見るといい。


次に目的だが、俺の目的は勇者にあの聖剣ソートを渡す事だ。」


ラストルはラフがユーズ王国に行きたがらなかった理由が分かった。


「ラストル。

お前を勇者の素質ある者としてあの剣を渡す。


ただ覚えておけ。

あの剣は触れられはするが、斬ることはできない。

あの剣では魔の者や人間を殺すことはできない。


あの剣で斬ることができるのは、偽りの事象み。」


ラフは真剣な目でラストルを見る。

ラストルは首を傾げた。


「偽りの事象?

それってどういう…」


ラストルは不可解な事をいうラフに質問した。


「言葉通りの意味だ。

あの聖剣は選別の剣。真偽を見定める事ができる剣だ。使い方はお前に任せる。


正直あの剣に関しては俺も詳しくないんだわ。ただ、勇者が持ってなきゃいけない剣だってのはわかってる。


なぁに、俺はここにずっといるつもりだから、俺のこととあの剣の事以外で分からないことがあればいつでも来ればいい。」


ラフは自分で入れたお茶を啜る。


「とりあえずアンタが並々ならない人物だという事は分かったよ。

聖剣なんて持ってる老人は世界を探しても他にいないだろうしね。


ところでラフさん。

私達はこの魔界領域の元凶、魔将ヴォーラスを打倒するために必要な耐魔鉱石(たいまこうせき)を探すためにやってきたんだ。


ここらへんで、採取できないかい?」


ムンナは本題を切り出した。

ラストルとペティも頷く。


「耐魔鉱石?

あぁ、あるよ?そこにたくさん。」


ラフは小屋の隅を指差した。

薄暗くてわからなかったが、黒い石が山積みになっている。


「これがそうなの!?」


ペティが驚く。


「そうさ。

ちょっと魔術を(いじく)るのに必要だったんでね。


欲しいなら好きなだけ持っていくといい。」


ラフは気前良く言った。


「いいのか?ラフさん。」


「ああ!

勇者の素質がある人間と分かったなら、その道中を少しでも楽にできるならいくらでも助けるさ。」


ラフは心良く承諾した。

3人とも丁寧にお礼を言った。


耐魔鉱石を袋いっぱいに詰め込み、ラストルはラフから刺さっている''聖剣ソート''を渡された。


「これ抜いちゃっていいんですか?

耐魔の山の力が無くなるんじゃ…」


ラストルは不安そうにラフに聞いた。


「大丈夫大丈夫。

この山はもともと魔除けの山だからな。聖剣も最初からあった訳じゃ無いから問題無い。


魔除けの力が多少弱くなるだけだ。」


不安を尻目にラフは楽観的だった。


「それなら…いいんですけど…」


ラストルは少し困惑しながら、剣を鞘に入れ腰に携えた。


「そんじゃ、世界の加護があらんことを。」


ラフは手を振った。

3人も手を振り、坑道を後した。


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