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1.孤独な老人からの依頼

探偵事務所を閉鎖して、「何でも屋」の新しい事務所を開いた翔と百合。

ポルターガイストを思わせる不思議な事件です。

ある日、小汚い爺さんが、新商売「オールジョブ」へ現れた。

事務所の中を見回しながら、

「あれっ?探偵事務所と聞いたのに違ってるね・・・」

「は?はい、この場所にありました探偵事務所は閉められたようです。

もし私どもに何かできることがあれば・・・」

「うーん、何でも屋だから同じようなものかなあ。

 わしの住んでるアパートに幽霊みたいなものがいるみたいで困っている。

夜中に部屋がガタガタして、人のような声が聞こえてくるじゃ」

「幽霊なら祈祷師がいいのでは?」

「頼んでも駄目だから来ているんだ」

「わかりました。まあとりあえず調べて見ます。

少し準備するので先にアパートへ戻っていて下さい」

「わかった。楽しみにしておるぞ」

「了解しました。ただあまり期待しないで下さいね。ただ調査するだけですから。

もし本当に幽霊しかないとわかればお手上げですからね」

「そうか、でも何とかしてほしい」

老人のアパートの場所は奇遇なことに翔が大学時代住んでいたアパートの近くだった。


【依頼内容】

依頼人氏名:宮本顕一郎様。80歳。

依頼人状況:無職、年金暮らし。

種類:お化け被害

経過:夜中になると部屋で男性や女性の声が聞こえて、細かい振動で部屋がゆれる。

調査方針:現場の状況調査。犯人の特定。


翔は偵察用具及び調査道具一式を詰めて、バトルバイクで出発した。

クライアントの部屋の隣が空いていたのでそこに一時入居した。

窓からは翔が学生時代住んでいたアパートと

その向こうに銀行や証券会社の入ったビルが見える。


早速クライアントの部屋を訪れた。

六畳一間に簡単なキッチンが備え付けられている。

部屋の片隅にある箪笥の上に亡くなった奥さんの写真が立てかけられている。

部屋の中を撮影し、壁などを調査するも特に怪しいところはない。

部屋の隅の畳がポコポコとして歩きづらいが

クライアントがそこに座布団を引いて座っている。

とりあえず夜にまた訪問することを伝えて、事務所へ戻った。


Ryokoにクライアント近辺でのお化け騒動の情報を検索した。

隣のアパートの学生が、つぶやきネットで、

クライアントの爺さんが、祈祷師を呼んだ話をつぶやいている。

彼女といる時でも細かく揺れることもあり

集中できなくて困っているともつぶやいている。

何かが起こっていることは確かなようだった。


何日間か待ったが一向にその怪現象は起こらなかった。

3日も経った金曜日の夜中、爺さんの部屋でじっと待つ。

爺さんは亡くなった奥さんの写真に向かって手を合わせて拝んでいる。

ふと郵便受けに奥さん名の年金振込書が入っていたことを思い出して

「奥さんは亡くなったのですよね?」

「いや、あいつは生きてる。今はいないだけ、もうじき帰って来るはず」

翔は奥さんに逃げられた爺さんを可哀想に感じ、それ以上は聞かなかった。


遠くから車のクラクションや人の話し声が聞こえてくる。

しばらくして、部屋に振動が出始めて奥さんの写真が倒れた

『ミシ、ミシ、ミシ・・・ザクザク、ザッザッ・・・ミシミシ』

『・・・いつまでこんな・・・まだ・・・そん・・・もうじ・・・がんば・・・』

「だろ?聞こえるだろ?俺、怖いんだ。

 きっとカ・・いや化けて出てくるつもりかも」

「しっ、静かにして」

翔は、地中から漏れて来るように聞こえてくる音声を録音している。

1時間もそんな様子が続き、やがて静かな夜が続いた。

爺さんは音と振動が無くなって安心したのか眠り始めている。


翔は、部屋に戻るとドローンを窓から飛び立たせた。

このアパート500メートル四方を探査し始めた。

X線、赤外線撮影も同様に行った。

そしてRyokoにここら一帯の地下鉄や地下道・下水道の走行を検索させた。

そして、これらの画像を3D処理してアパートを中心とした画像を作成した。

そこでわかったことは、

近所の大きな一軒家の庭にあるプレハブの納屋から

地下道が掘られていて下水道に繋がっていた。

深さも5メートルととても深いものだった。

方向としては、このアパートの地下を突き進んでいる。


翌日から一軒家の監視をすることとなった。

もちろんクモママ、クモ助を出動させてのものですべて録音録画されている。

この家の夫婦は、大きな屋敷に住んでいる割には貧乏そうな服装で暮らしている。

そして庭にはフォークリフトがなぜか置かれている。

庭を良く見ると、大きな袋がいくつも置かれており中身は土だった。

たまに主人らしき男が庭にトラックをつけて

フォークリフトで荷台にその袋を積んでどこかへ出かけていく。

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