1月
高校生の少女、七草睦月。
家族や友達に囲まれ、幸せな日々を過ごしていた。
だがある日、謎の男達に誘拐され、死に直面する。
しかしそこに別の人物が現れて……?
「じゃあね〜」
「バイバ〜イ」
通学路の途中で友達と別れ、1人歩く。
人通りが少なく、時折木々が揺れる程度の音しか聞こえない、そんな道。
ガードレールのない道だが、この時間にここを通る車はほとんどいない。
後方から珍しくエンジン音がしたので振り替える
と、見慣れない真っ黒な車が走ってきていた。
あまり広い道ではないとはいえ、車1台と人1人が通るには充分な広さはある。
車は私を少し走り抜いた所で停まった。
不思議に思いながら通ろうとすると、後部座席から真っ黒なスーツ姿の男性が2人降りてきた。
そして、私の口と体を押さえつけて車に放り込んだ。
「やりましたね、ボス」
運転席から別の男が助手席に向けそう言った。
左右の座席に先程の男達が座り、車は再び走り始めた。
「なんなのアンタ達!」
突然の出来事に怯えながらもそう叫ぶ。
「静かにしな、お嬢ちゃん」
助手席の男はそう言い、続けて
「丑、寅。そいつの手足を縛れ」
と命令した。
「了解」
左の男が私の腕を掴んだ。
振り払おうとすると、右の男が刃物を向けてきた。
「動くな」
男達が手足を縛り終えるまで、
私は恐怖で何もできなかった。
助けを求めようとしたが、窓はカーテンで覆われていて外の様子がわからない。
「……アンタ達、一旦何をする気なの」
震える声でそう問う。
「何ってそりゃぁ、金稼ぎだよ」
助手席の男はそう答えた。
「は?意味わかんないんだけど。
アンタら犯罪やってる自覚、ある?」
「静かにしろって聞こえなかったのか?」
助手席の男が溜息混じりにそう言うと、また右の男が刃物を向けてきた。
「丑、猿轡でも噛ませとけ」
左の男から猿轡をさせられ、車内は静まり返った。
車は沈黙を保ったまま、しばらく走り続けた。
「っと、着いたか。丑、足の縄だけ外してやれ。
歩かせなきゃなんねぇからな」
「了解」
車が停まり、足の縄を外されて車外へと降ろされた。
そこは大きな倉庫の前だった。
男達は倉庫へと入っていく。
男の1人に後ろから刃物を向けられ、歩けと命令され、倉庫へ入る。
中は酷くこざっぱりとしていた。
中央に椅子が1つだけ置かれており、それ以外には奥に事務所のようなものがあるだけ。
「お待ちしておりました、ボス」
奥から8人の男達が現れ、そう言った。
「あぁ、ご苦労」
「準備は整っています」
「よし――丑、そいつを椅子に座らせて縛り付けろ。
縄は縛り直して構わん。
ついでにスマホを回収しろ、ポケットにでも入って
るだろう」
「了解」
恐怖でなんの抵抗もできないまま、私は椅子に縛り付けられ、スマホを奪われた。
「よくやった。さてロックは……指紋とパスか」
ボスがこちらに歩み寄る。
後ろに組まれた手を動かされ、スマホのロックが解除される。
「これで良しっと……お嬢ちゃん、
こいつがお前の母親で間違いないな?」
母とのアプリのトーク画面を見せられる。
首を縦に振ると、男は通話を始めた。
「もしもし。どうしたの?睦月」
微かにだが、母の声が聞こえた、
「七草睦月の母親、七草薺で間違いないな?」
「そうですが……どなたですか?」
「娘は俺達が預かった。身代金として現金1000万円を
3丁目の白い屋根の倉庫に持って来い。
この事は他の者には知らせるな。
もしお前以外の奴が現れた場合、娘は殺す」
「………………」
「30分くれてやる。
1秒でも遅れようものなら……わかるよな?」
そう言うと、男は通話を切った。
「奴が来るまでお前らは休んでろ。
こいつの見張りは俺がやる」
ボスがそう言うと、男達は休み始めた。
少し経って、1人がこちらにやって来た。
「ボス、お茶をどうぞ」
「あぁ、ありがとよ」
「それにしても、30分で用意出来るんでしょうか?」
「そりゃぁ出来るだろうよ。
なにせ大企業の社長の嫁なんだ
からな。奴らからすれば大した額でもねぇだろう」
「へぇ、大企業の……」
「七草グループだよ。聞いたことぐらいはあるだろ。
最近じゃ建設に力を入れてるらしい」
「あー、七草建設ってCMでよく流れてますね」
「そうだ。んでこいつがその娘。
いわゆる社長令嬢ってやつだな」
「へぇ……あれ?じゃあもっと高額な要求でも
良かったんじゃ……」
「額なんかどうでもいいんだ、
呼び出す口実に過ぎん。おっと、そろそろ時間か。
卯、こいつを見張っとけ」
「了解」
倉庫の扉が開き、1人の女性が入ってきた。
母だ。スーツケースらしき物を持っている。
「来い」
母が歩く。
「止まって金を置け。そして下がれ。
金が確認出来次第、解放してやる」
母がケースを置き、少し離れる。
2人の男がケースに向かい、中の金を確認する。
「1000万、確かにあります」
「よし。んじゃ、回収しろ」
「約束は守りました、早くその子を!」
「ん?あぁ、そうだな」
ボスがそう言うと、直後に大きな音がした。
そして……母が倒れた。
左胸から血が流れている。
思わず「お母さん!」と叫びそうになるが、締め付けられていてくぐもった声にしかならない。
「む……つ……き……」
母は息も絶え絶えと言った様子だが、私にはどうすることも出来ない。なんとか動こうとするが、見張り役の男に拳銃を突きつけられた。
「騙して悪いが仕事なんでな。
旦那を出迎える準備でもしておくといい」
ボスは更に2発、母を撃った。
母は全く動かなくなった。
私はと言うと、涙すら流れなくなるほどの恐怖に覆われていた。
「亥、死体と血を片付けろ」
「りょ……了解」
亥と呼ばれた男が母を運んでいった。
ボスはまた通話を始めた。恐らく、今度の相手は父だろう。
「もしもし。どうしたんだ睦月」
また、微かに声が聞こえる。そしてボスは、さっきと全く同じ要求をした。
しばらくして、扉が開けられた。
父が来た。
父はボスに見覚えがあるようで、
「やはりお前なのか。なぜこんなことをする!」
と啖呵を切った。
「……黙って金を持って来い。そして下がれ」
父が要求に従う。
「さあ、娘を返してくれ!」
「…………丑、縄を解いてやれ」
「了解」
手足の縄や猿轡が外され、
よろめきながら立ち上がる。
先の発言から察するに、このボスとやらは父も殺すつもりなのだろう。それなら――
父の方へと一目散に駆け出す。
事情を話してる暇なんて無いし、父は私の事を第一に考える。だから、父を連れて逃げるしかない。
しかし、そう上手く行く訳がなかった。
父が足を撃たれ、倒れる。
「お父さん!!」
「父親を連れて逃げようってか?
そうはさせられねぇなぁ」
「何故だっ……要求には従っただろう!!」
「そうだな。だが俺の目的は金じゃねぇんだよ」
「睦月……逃げろ……」
ボスがフン、と鼻で笑う。
「安心しろ、娘は殺さねぇよ」
ボスが父のこめかみに銃口を突き付ける。
「若くて健康な臓器には需要があるからなぁ?」
「貴様っ……!」
「殺すのは──お前だ」
銃声が響いた。
父は死んだ。
その顔に恐怖が焼き付けられたまま。
「……これでいい」
「これで……あぁ、全てが良くなる」
ボスがそう呟く。
「ボス、この娘は?」
「もう用済みだ。後は流通ルートにでも乗せておけ」
「了解」
男達の視線がこちらに向く。
逃げなきゃ──そう思ったが、恐怖で震えて動けない。
突然、扉が開いた。
「誰だ!?」
「誰でもいいじゃん、あんたらにとっては」
そこにいたのは、1人の少女だった。
「なんだか知らんが……お前ら!」
ボスの一声で男達が銃を構える。
「今すぐ立ち去れ、そして何も口外するな。
それなら見逃してやろう」
「やだね」
そう言い放ち、少女が駆け出す。
私とそう変わらないはずの体格で、それに似つかわしくないスピードを出しながら。
「殺れ!」
複数の銃声が鳴り、蚊帳の外の私ですら耳鳴りがする。
少女はと言うとなぜか無傷のまま、私の元へと辿り着いた。
「さ、行こ」
「え……?」
差し出された手を困惑しながら眺める。
「てめぇ!」
男達が放った弾丸は少女を狙ったものだったが、
少女に触れる直前で弾丸が跳ね返った。
「大人しくしててくれない?」
そう言って少女が指を鳴らすと、男達の周りに炎が現れた。
「逃げるぞお前ら!」
ボスが一目散に扉へ駆け寄る。
しかし扉はびくともしない。
「人を呪わばなんとやら。
じゃあ──睦月、しっかり目を瞑って」
「は?なんで急にそんな──」
「いいから!」
気圧されて目を閉じる。
瞬間、私の意識は消え去った。
「ん……」
目が覚めると、木製の天井が広がっていた。
私はベッドに横たわっていた。
しばらく呆けていたが、脳が覚醒し記憶が再生される。
「お父さん!!」
「お、起きた起きた」
先程も聞いた少女の声のみが返ってきた。
「身体の痛みとかある?」
「はあ!?そんなことよりここはどこ!?あの殺人鬼共はどこ!?」
「あいつらはここにはいない、もう死んだんじゃない
かな。んでここは──うーん、説明はまた後で。
先にこれ、飲んで」
水の入ったコップが差し出され、一口で飲み干す。
「威勢は良いし元気そうだね。立てる?」
身体は問題なく動いた。ケガはないようだ。
「良かった。じゃあリビング行こっか」
少女に連れられ、寝室と思わしき部屋からリビングへと移動した。
寝室もリビングも、全く見覚えのないものだった。少なくとも、私の知っている家ではないようだ。
「……意味がわからないんだけど」
「何が?」
「結局ここはどこなの?
お父さんとお母さんはどうなったの?
私はこれからどうなるの?」
「ご両親は死んだよ」
「そんな……」
「そして睦月、あなたにはこれからここで暮らしてもらう。
そしてここは──」
「あなたがいたものと異なる、別の世界だよ」
「…………は?」
あまりにも意味のわからない回答に、私は眉間にシワを寄せることしかできなかった。
「そのままの意味。例えばこの世界に日本なんて存在
しないし、アメリカもロシアもイギリスも存在しな
い。OK?」
「いや、ならなんであんたは私と会話できてんの」
「この国、つまり今私達がいる国で使われている
言語が日本語と同じだから」
「はぁ?ふざけたこと言ってる場合じゃ
ないんだけど」
「ふざけるも何も、これが答えなんだから仕方ない
じゃん。これでも読みなよ」
少女が新聞を渡してきた。
その新聞は日本語で書かれていた。知らない固有名詞が混ざってはいるが、それ以外は問題なく読めた。
「……イタズラ、にしては手が込みすぎてるか」
「多少はわかってもらえたようでなにより。
まあ、これから嫌でも慣れるよ」
余裕綽々な少女に思わず舌打ちをしてしまう。
「そうだ、自己紹介がまだだったね」
少女が軽く咳払いをする。
「私の名前はクリスタル。【魔女】だよ」
「……は?」
長くサラサラとした銀色の髪、宝石のような美しい水色の瞳、己に絶対的な自信を持っているとわかる、地雷系じみた可愛らしい洋服。
そのどれもが現実離れしすぎていた。
ソシャゲのキャラだと言われた方がまだ現実味があっただろう。
だが、彼女は倉庫内で炎を巻き起こしていた。
信じる他にないのだろう。
「…………別の世界とか言ってたけど、
帰る方法はないの?」
「あるにはあるけど……帰られると困るからしばらく
はここに居てもらうよ」
「何日間?」
「んー、少なくとも1年」
「はぁ!?」
耳鳴りがしそうなほど大きな声が出た。
「あなたみたいな人を後11人集めてくるから、それくらいはかかるかな」
1つ、疑問が頭に浮かぶ。
「…………今日って何日?私の世界基準で」
「1月の17日だよ」
「当日中に私をここに連れて来れるのに、
後11人揃うまで1年も待てと?」
魔女は少し考え込むような仕草をして、
「こっちにも事情があってさ」
とはぐらかした。
「そうだ、これ紹介しとかなきゃ」
魔女はそう言うと、キッチンの方を指差した。
「……なに、それ」
そこには、水晶で作られたと思わしき成人男性くらいの大きさの人形が立っていた。
「私お手製のゴーレム。
大抵の家事はこいつに任せていいよ。」
「魔女だのゴーレムだの……自律人形ってこと?」
「そう。仕組みはまた今度話すとして、どこかしらを
触りながら命令すればそれに従って動くから。後で
試してみて」
ゲームで何度かゴーレムと名付けられたモンスターやキャラクターを見たことならあったが、まさかこれも同じようなものだと言うのだろうか。
「……意味わかんない」
「そのうち慣れるって」
「あっそ…………ねぇ、外出たいんだけど」
「んー、まあいいよ」
魔女に連れられ、私は外へと踏み出した。
青々とした植物、曇った空、降り積もった雪、
点在する一軒家。
そして──海。
それだけだった。それ以外何もなかった。
辺りを歩き回ってみたが人気は一切無く、不気味な程に静まり返っている。
「…………は?」
「どう?これが今日からあなたが暮らす島だよ」
島。私はこれから島で暮らすらしい。
「漁村とかないの?」
「ないよ。なんならここには誰も住んでない」
馬鹿げている。
「ライフラインも人手も無い環境で暮らしてろ
っての?」
「人手は無理だけど電気と水道、電波くらいなら。
それと食料は私が持ってきてるし、適宜補充するか
ら心配いらないんじゃないかな」
「私を攫ってるんだし食料はその要領でいいとして、
電気とか水道とか
一個人にどうこうできるの……?」
魔女はクスリと笑ってそれに答えた。
「ただの一個人なら、ね」
「──何らかの権力者?」
「んー、半分正解。それより今日はもう休みなよ。
疲れてるでしょ?」
実際、身体も精神も疲れていた。
脳内の記憶が整理できず渦巻いている。
だが、山積みの疑問を放置しては眠れない。
「……素性のわからない奴に
飼われる気はないんだけど」
魔女は少し考えた後、折れたのかこちらに手を差し伸べてきた。
「わかった。話せることは話すから、戻ろっか」
その手を取った次の瞬間、私達は先程の部屋に戻っていた。
「……私を攫った時と同じ魔法?」
「正解」
そう言って魔女は椅子に座り、私にも座るように促す。
「じゃあまずは──この世界のことかな。
ここは魔法が当たり前にある世界。と言っても、
誰でも魔法が使えるってわけじゃないけど」
「生まれつきの適性があるとか?」
「そう、魔法を使うための力──魔力を持って生まれ
てきた人だけが使えるの。人間以外はその限りでは
ないけど」
「人間以外?」
「魔族とか、獣人とか、ドラゴンとか。よくある
ファンタジーもののRPGみたいなものかな」
「……アンタはこの世界の住人なの?」
「うん」
「じゃあこの世界には私の世界のゲームみたいなもの
があるってこと?」
「いや、ないよ」
「……は?」
ならどうして──そう言おうとしたが、
魔女の言葉に遮られた。
「私はよく他の世界に行ってるってだけ」
「そんな簡単に行けるものなの?」
「まさか。私が特別なだけだよ」
魔女は誇らしげだが、一方で私は困惑していた。
思考がまとまらない。
「んで、私達が今いる場所、と言うか土地。
ここから少し北に行くと大きな島があって、
そこが本島。こっちはオマケみたいなもので
私が権利を買い取ってる」
「……なんでわざわざこっちに連れてきたの?」
「うーん、向こうじゃちょっと不都合だから、かな」
「人目があると不都合?」
「……それ以上は答えられないかな」
目を逸らされた。
「で、私のことだけど──」
話も逸らされた。
「本島にある王国、【ジェニガルド】の
国立魔法研究所。その所長だよ。ま、
役人みたいなものかな」
「国名は一旦置いておくとして、何してるのそれ」
「うーーーん、魔法に関すること全般。
多いのは魔法をかけたりして作る魔道具と、
特殊な植物を素材にした魔法薬の開発かな。」
「魔道具……あのゴーレムも?」
「そうだね、あれも魔道具の1つ。流石にゴーレムなんて
民間には流通してないけど」
「……法に抵触するからとかそういうこと?」
「いや、単に制作と維持のコストが高いだけ」
へえ、と返し質問を続ける。
「アンタってさ、要はそれなりに社会的地位が
あるんでしょ?」
「そうだね」
「そんな人間が人攫いなんて、発覚した日には
ただじゃ済まないんじゃないの?」
「発覚すれば、ね。しないよ」
脅しをかけるも余裕は相変わらずで、再び舌打ちしてしまう。
「この島周辺の海域っていつも波が荒れてるから海路
は無理だし、
一部飛べる奴らはいるけどわざわざここに来る用は
ないから」
「……ってことは、ここから出るには飛ぶしかない
ってこと?」
「将来的にはワープゲートで本島と繋げるつもりだか
ら、それまではそうなるかな」
「あぁ、そう……」
理解に苦しむ。話を聞いてこそいるものの、どれもあまりにも非現実的だ。だが、魔法を目の前で見た以上与太話と一蹴することはできない。
「とりあえずこんなところかな。まだ何か質問ある?
「……今はいい」
「そっか。じゃあ私、帰るから。
何かあったら電話かけてくれれば出るからよろし
く。連絡先は追加しといたから。
たまに様子見に来るけど」
いつの間に、と言う気も起きなかった。
「……わかった」
魔女が帰り、大きな溜息を吐く。
そろそろ疲労も限界だが、なにより喉が渇ききっていた。飲み物は冷蔵庫に──
「(あぁ、そう言えば)」
おもむろに立ち上がり、ゴーレムに軽く触れる。
「飲み物ってある?」
すると、ゴーレムから声がした。
「麦茶、緑茶、紅茶、ほうじ茶、コーヒーが
ございます。どれになさいますか?」
先程の魔女のものとは違う、幼い少女の声だ。
「あー、じゃあコーヒーかな」
「ホットとアイス、どちらにされますか?」
「ホット。それとブラックでお願い」
「かしこまりました」
程なくして、ゴーレムがコーヒーを運んできた。
「ホットコーヒーでございます」
「ありがと」
コーヒーを啜り、一息つく。
飲み終える頃には思考も落ち着いていた。
「……美味しかった」
ゴーレムがコップを洗うと言ってくれたので、その場を後にして寝室へ向かった。
パジャマに着替えるのも億劫で、そのままベッドに潜り込む。
これから私はここで暮らすのだろう。
家族や友達どころか、他に誰一人いないこの島で。
父や母はどうなったのだろうか。せめて誰かに弔われているといいのだが。
後11人集めてくると魔女は言っていたが、もしやその11人も私のような境遇なのだろうか。
私はいつ帰れるのだろうか。
そんなことを考えながら、ゆっくりと眠りに沈んでいった。
大昔に投稿していたものの、途中で投げ出してしまった小説を書き直した作品です。
書くと言いながらも未完のまま6年も放置してしまいました。いかなるお声もお受けいたします。
不始末へのけじめの意味も込め、この作品に関しては必ずや完結いたします。
また、完結後の話ではこざいますがどこかでかつてのキャラクター設定などを公開できればと考えております。
わがままなこととは存じますが、見守っていただけると幸いです。




