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森の創造館の主は、今日も騎士を癒している  作者: 桜桃
癒しの場所を守り続けます

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31/39

騎士と悪魔と終止符と

 二人で王を見上げていると、どこか引きつったような表情を浮かべた王が立ち上がる。

 ま、まさか僕、何か間違えた!?


 びくびくしながら近づいてくる王を見ていると、僕の前でしゃがみ込んだ。

 手をクニーへと伸ばす。


 すると、淡い光がクニーに降り注ぐ。

 目を閉じているクニーの頭を撫でながら、王のやりたいことが終わるのを待った。


 数秒後、淡い光は薄くなり、消える。

 クニーは目を開け、首をかしげながら王を見上げた。


「あ、あの、何を……?」

「次は、君だ」

「え?」


 今度は僕の顔の近くに手を添えられる。

 先ほどと同じく、淡い光が注がれ、目を閉じた。


 クニーと同じく数秒後、光は弱まり消える。

 目を開けると、王は――なぜか呆れていた。


 目を数回瞬きしていると、王が深いため息を吐く。


「あいつの仕業だな」

「あ、あいつ……ですか?」

「世界一の召喚士と呼ばれている名高い魔法使い、サモスだ」


 あっ。

 その名前。


 クニーの本当の主だ。


『なぜ、おぬしがその名前を知っている?』

「く、クニー。王様にそんな口のきき方はだめだよ!」


 すぐにクニーの口をふさぐが、王は立ち上がり、何も咎めなかった。


「サモスは、私の親友だ」

「え、し、親友?」

「あぁ。サモスがお前を呼んだのだろう」


 王の黒い瞳が、僕を映し出す。

 その目は、どこか悲しげだった。


『そうだ。我を使い、主を違う世界から呼び寄せた』

「それなら信用できよう。――クリエントとやら」


 っ、名前を呼ばれた。


「は、はい!」

「今回の事態、大きな戦争になりかねん。そうなる前に終止符を打つ。協力してくれる、でいいのか?」


 改めて問われた。

 そんなの、決まってる。


「私は、私にできることを全力で行います」


 そう宣言した瞬間、辺り一帯に笑い声と拍手の音が響き渡った。


 ※


 リヒトは剣を握り、グラットニーの攻撃を流す。

 四方から迫るアザレア色の髪。捌くだけで集中力が削がれていく。


 サグラモールは、ケントの相手をしていた。

 片腕を失っているとはいえ、シルバーナイフを駆使し、手負いのサグラモールを追い詰めている。


 ――このままではじり貧だ。何か手を打たなければならない。


 考えていると、グラットニーが攻撃の手を緩めぬまま話しかけてきた。


『ここまで攻防を繰り返しているにもかかわらず、聖水は一度きり。もしかして、もう持ってないのかしらねぇ~?』


 グラットニーの言葉に、リヒトは何も返さない。

 ただ剣を握り、襲い掛かる髪を捌く。


『図星かしらぁ~?』

「戦闘中に話しかけてくるとは、余裕らしいな」


 リヒトは急に腰を低くした。

 瞬間、地面を蹴り、駆け出す。


 すぐさま髪が襲い掛かる。

 速度を上げ、剣で斬る。


 距離を詰めた。

 剣を横一線に薙ぎ払う。


 だが、グラットニーは空へ跳び、回避した。


「――ちっ」


 上から突き刺すように、アザレア色の髪が降り注ぐ。


 隙間を縫って避けるが、腕や足に当たる。


 急所は外しているが、動きは鈍り、避けきれなくなる。


 ――このままでは、体力を削られて終わる。サグラモールの方も同じ状況だ。


 リヒトはこのような状況でも焦らず、周囲を見て、相手の攻撃を避けながら冷静に動く。

 思考は止めず、次の一手を考える。


 だが、体力は落ち、血が流れ、体が重くなる。

 攻撃は鋭さを増すばかりだ。


 次の瞬間、死角から鋭く髪が突き刺さる。


 剣で防ぐが勢いが強く、後ろへ吹き飛ばされた。


 姿勢を正し、顔を上げる。

 だが、グラットニーがいない。


 気配を探った瞬間、後ろから鋭い一撃。


 振り向いて避けるが、肩に深く突き刺さった。


「ぐっ!!」


 そのまま地面に固定されてしまう。


『ふふっ。これで終わりねぇ』


 グラットニーの後ろに髪が広がる。

 アザレア色が、視界を覆った。


 ――さすがに、ここまでか。


 目を閉じ、リヒトは諦めかけた。


 サグラモールが叫ぶ。

 だが、リヒトはもう目を開けない。


 ――最後に、クリエントの淹れたコーヒーを飲みたかったな。


 最後と覚悟しているにもかかわらず、最後に頭へ浮かぶのはクリエントの姿だった。


『さようなぁ~』


 グラットニーの言葉に従うように、広がっていたアザレア色の髪がリヒトへと降り注ぐ。


「――リヒトさん!!」

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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