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お兄様の誕生日会の後日、私はお父様にレイナルド殿下への手紙とプレゼントを託した。今日はレイナルド殿下からその時の手紙の返信が届いた。
『先日は可愛らしいプレゼントをどうもありがとう。早速使わせてもらっているよ。
でもせっかくなら金と青じゃなくて銀と紫がよかったかな。いつでも君のことを思い出せるからね。
けれど、君から贈り物をもらえることがこんなに幸せなことだとは思っていなかったから、ちょっと戸惑っているんだ。今の私はとても君には見せられないような情けない顔をしていると思うよ。
もう二度とこの手に戻ってくることはないと思っていた大切なものが、この手に戻りかけている。たとえるならそんな気分だ。
泣きそうなくらい嬉しい。嘘じゃないよ。この気持ちがうまく君に伝えられるといいんだけれど。無理かな。私の文章力じゃこれ以上の思いを伝えられそうにない。
とにかくすごく嬉しかったんだ。本当にどうもありがとう。』
よくわからないけれどすごく喜んでくれたみたいだ。私も嬉しい気分になる。手に持ったお揃いのガラスペンを握りしめた。
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6月も終盤に近付いてくる頃になり、学園生活にもだいぶ慣れてきた。魔法の授業や自主練習、料理の勉強も日々のルーティンとして染みついてきている。そんな慣れてきたことの一つに生徒会活動がある。
生徒会の活動は基本的に週に1回行われる。何もなければ申し送り程度だが、イベント前になればそれなりに忙しくなる。これまではあまり目立ったイベントもなかったため、アドレアン様を見つけ出して引っ張ってくる傍ら細かな作業をこなしたりしていた。
この国では6月の終わりにその年16歳になるデビュタントを王城に招いてのパーティーが行われる。それを受けて夏休みに入る直前、7月の終わりに学内でも納涼会と称したダンスパーティーが行われる。デビューした者達はより社交に慣れるために、デビュー前の者達はこの機にパーティーに参加する予行演習ができるように。そんなパーティーが夏と冬に学園内で行われるのだ。
デビュタントでは年頃の王族と踊ることができる。現在第一王子であるレイナルド殿下は未成年のため、踊るのは王弟殿下だ。レイナルド殿下は成人後に参加することになる。なので納涼会でレイナルド殿下のダンスの相手を希望する生徒達が後を絶たず、生徒会役員はその収拾に苦労するらしい。
そのため今回はスムーズな運営を目指し、レイナルド殿下主導のもと納涼会の準備に追われることになった。
今は納涼会の基本的なマナーを聞いている。
納涼会は基本的にパートナーがいなくても参加できる。もちろんパートナーがいた方が好ましいが、まずはパーティーに慣れるという目的なので、いなくても構わない。ただデビューが近づく上級生ほどより本格的になり、パートナー同伴での出席が目立ってくる。
基本的には学生たちのための催しだが、パートナーや家族など一部の例外は認められる。
正装での参加が義務付けられるため、望む者には学園側で衣装の貸し出しもする。貴族達は自身で衣装を用意するものが殆どだが、参加を希望する平民達は衣装を持たないものが多い。そのための救命措置になる。
この他にも色々。
まずはこれを学園の新入生たちに周知しなければならない。
次に周知の方法に関する議論に入る。そこで決まったのは、各生徒会役員によるホームルームでの説明と校内に掲示するポスターの作成だった。
ホームルームでの説明はただ説明すればいいだけなので、私達は早速ポスターの作成に取り掛かることにした。私はいつものようにアドレアン様と組んで作業をしていく。
ポスターを作成すると言っても、ただ説明を箇条書きにするのでは味気ないし、印象にも残らない。レイアウトが大切だ。去年のものを使えないかという案も出たのだが、細かなところが毎年変わっているらしく新しく作る必要があるということになった。だから私はポスターのレイアウトに悩んでいた。
そんな私をよそにアドレアン様はすらすらとポスターを書き上げていく。イメージにそぐわない流麗な文字で紡ぎだされたのは、何ともこじゃれたセンスのいいポスターだった。それを見ながら、こんなもんだろ、等とつぶやいている。アドレアン様の意外な一面を見た気がする。それと同時に私は奮起した。アドレアン様に作れて私に作れないなんてなんだか悔しい。
そうはいってもそう簡単にアイディアは浮かんでくれず、私は悔しさをかみしめながらアドレアン様の作るポスターを参考にポスター制作に精を出した。
ポスターが書き終わったら今度は学園内に掲示していく必要がある。私はアドレアン様と一緒に生徒会室を出た。私達の担当はわりと校舎の奥の方である。どうでもいい雑談を交わしながら歩く。




