↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/111

第34話 魔鉱石病と特製もつ煮込み

いつも読んでいただいてありがとうございます!

 大部屋に戻ってきた清十郎とアンガスは椅子に座る。シーラは食事の準備に取り掛かると言って炊事場の方に向かっていった


「なぁ、アンガスよ」


「ん?どうした?」


「魔鉱石病とはあのように体が動かせなくなるのか?」


「あぁ。婆が言ってたように最初は指の先から浸食していくんだが進行すると体の自由を奪われ眠る時間が増える。最後は全身が鉱石のように変えて死んでいくな」


「そうか・・・」


「ただ、さっき飲ませていたトラーナ草を煎じたものを飲めば一時的だが進行を遅らせることができるし苦痛を和らげ眠りからも若干回復する

 だけどな婆だからこそあそこまでの状態で意識を保ってるんだ。ありえないほど魔力操作に長けてるからな。普段は魔力を絞って進行させないようにしてるんだろ

 普通のやつらはあそこまで進行した状態だともうずっと眠ってる状態だな。それにトラーナ草のおかげもあるか」


「ふむ」


「ただ、普通の奴らはトラーナ草なんて手に入らないぜ?」


「なぜじゃ?取りに行けばいいではないか」


「そう考えるよなー。あの草、魔の森にしか生えねえし満月の晩に取れたものしか効果を宿さねえんだよ。それにあれを狙ってる魔物もいるしな。だから市場には滅多に出回らないし一般人じゃ手に入れることは難しいな」


「じゃが、実際、ポーラ殿は飲んでおったではないか」


 清十郎は首を傾げながらアンガスに問うとアンガスは頭を組んで苦笑いしながら答える


「ありゃ俺が稼いだ金で知り合いに声をかけて手に入り次第、こっちに回して貰ってるんだよ」


「そういうことか、すまん」


「気にすんな。お前も覚えておけばいいがあの薬ひとつで金貨1枚とんでくぜ」


「なに?そんなにか」


 清十郎はまさかそんなにいい値段がするとは思わなかった。手軽に飲んでいるように見えたからもっと安いかと思っていた。


「婆には毎日飲ませてる。婆も遠慮していたんだがここの奴らに説得させた。どんなに頑固でもさすがに子供にガチ泣きされれば折れるってもんさ」


「まぁ、子供と女子の涙は強いからのう・・・」


「お、なんだか実感がこもってるな。イリア泣かすなよ」


「泣かさぬわ!まったくお主は・・・」


「はい!シーラさん特製バイソンもつ煮込みできたよ!」


 アンガスの軽口に清十郎は嘆息しているとシーラが料理を持ってやってきた。シーラの後ろにはレリが一緒に食器を持ってきているのをみると手伝っていたようだ


「お!旨そうだな!さすがシーラだぜ」


「おっと、食べるのはまだだよ。レリ、子供たちを全員呼んできて」


「はい、お姉ちゃん」


 シーラに言われてレリは外に出ていった。子供たちを呼びに行ったんだろう。暫くするとめしだー!と叫びながら子供たちが席についていく

 あっという間に大部屋は子供で埋め尽くされるとシーラは煮込みをよそっていく。清十郎の前に野菜や肉がはいったスープの皿がおかれると食欲を誘う匂いが鼻を衝く


「へへ、この匂いたまらんな。清十郎、食べて驚くなよ?後でアルムに自慢してやるか!」


「ほう、そんなにか。アルム殿も食べたことがあるのか?」


「ああ、アルムはここ出身だよ。婆に一番、懐いててな。成人と同時に俺にパーティーに入れてくれって頼みに来たんだ」


「なるほどのう・・・」


 清十郎とアンガスが話しこんでいるとシーラが胸の前で手を組むと子供たちも全員手を組みだした。隣をみるとアンガスも手を組んでいる。清十郎も無宗派だが郷に入れば郷に従えだ。周りがやっている以上真似をする


「創造神マリカ様、あなた様の日々のお恵みに感謝して血肉の一部とするために食させていただきます」


「よし!お祈り終了食べていいよ!」


 シーラが言葉を紡ぎ終わると子供たちが一斉に食べ始める。待ってましたと言わんばかりにアンガスも食べ始めていた


 それを見て清十郎も目の前の料理を一口食べてみる。しっかりとした味つけの中、野菜のシャキシャキ感と肉の歯ごたえのある感触がたまらない。噛めば噛むほど味が染み出てきては清十郎の口の中を蹂躙する


「これはうまい!なんじゃこの歯ごたえにスープの旨さは!噛めば噛むほど味がしみだしてくるしピリッとくるこの辛さもたまらんのう」


 清十郎は気づくと皿は空になっていた


「はは!だからいったろ?うまいって。ほら、おかわりは早い者勝ちだから早くいかねーとなくなるぜ」


 アンガスはそういうとすでに2杯目に取り掛かっていた。鍋の方をみると子供たちも列をなして群がっている


「うむ!儂も後れをとれん。行ってくる!」


 清十郎は皿をもって立ち上がり鍋に向かう。かくして子供たちとの触れ合いの中、下層区での一日は終わりを迎えるのであった



良いなと思いましたらブックマークの登録、評価をよろしくお願いします

感想、レビューもお待ちしております

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。