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第102話 弟子が増えた?

いつも読んでいただきありがとうございます

 キヨマルがオープンした翌日の朝いつものように鍛錬に向かうとゴルドとビットを後ろから叱咤し走るライラの姿があった


「ライラさんもう限界だよ!」


「・・・」


「まだまだいける!さあ、もっと走るんだ!」


 ビットの叫びにライラが叱咤する。すでにゴルドは話す余裕もなく半目になりながら必死で走っている


その様子があたかもいつもの光景とでも言わんばかりに庭の端ではテーブルをはさんでニルティーナとイリアが紅茶を楽しみながら楽しそうに話をしていた


「なんじゃこの光景は・・・」


 思わず唖然とする清十郎にビットが気づき泣きが入る


「師匠やっときた!助かったー!」


「・・・」


 清十郎に気づいた瞬間、ビットが走るのをやめると同じくしてゴルドが無言でその場に頽れた


「まあ、今日はここまでだな。おはようございます」


「あ、ああ。おはよう・・・」


 清十郎は声を掛けられ返事をするが目の前の事態に頭が追い付いていない


 目の前で倒れるゴルドに立ったまま天を仰ぎ息を乱すビットそこまでは分かる


 だが以前のような刺々しい感じなど微塵も感じさせずに爽やかに挨拶するライラとその光景をまったく気にせず紅茶を楽しみながらうふふと笑い合うニルティーナとイリア。清十郎が来た事させ気づかず話に花を咲かせているようだ


 時々、清十郎様のハンカチがとか洗濯物がとか匂いがなどなんだか怪しげな言葉が聞こえてくるが話しかけると危ないと清十郎の直感が囁くのでそのままにしておくことにする


「・・・ふむ。なぜそなたがまたおるのじゃ?」


「またとはひどい言い草ですね。でも、そう言われても仕方がないのかもしれません。どうか今までの無礼を許していただきたい」


突然、ライラに頭を下げら清十郎は困惑する


「ま、まあ、儂は気にしておらぬ故、頭をあげられよ」


「本当ですか!では今日からよろしくお願いします。先生!」


「は?」


「うれしいなぁ!これでまた一段私はニルティーナ様の為に強くなれる!」


「こ、これそなた何を言うておる?」


「うふふ。それでいつかはニルティーナ様と一緒に師匠と・・・」


 なんだかうっとりとどこか妄想しているライラに溜息を吐くと清十郎は見なかったことにして素振りを始める


「はっ!あ、先生、私もご一緒いたします!さあ、お前たちもはやくしろ!」


「ライラさん性格変わってない?」


「・・・」


 ビットの呟きにゴルドは無表情のまま素振りを開始する

 あわててビットも後を追うように素振りを始めるのであった


 稽古も終わりなぜかニルティーナとライラも同席したにぎやかな朝食を終えた後、ビットとゴルドを送り出し清十郎は紅茶を口にしながら口を開く


「のう・・・いつの間にそなたらは仲良くなったのじゃ?」


 目の前で紅茶を同じように楽しんでいるニルティーナとイリアに声をかける


「あら?私たちは最初から仲良しですよ?ねぇイリアさん」


「ええ。ニーナさん私たちは最初から仲良しですね」


「ニ、ニーナ?」


「ええ。私の愛称ですわ。清十郎様もニーナと呼んでいただいて構いませんわ」


「そ、そうか・・・」


 お互いに笑顔で顔を見合わせながらうふふと笑いあう姿を見て清十郎は苦笑いだ。つい数日前、自分が覚えている限り反目していた記憶があるがここで口にすると藪蛇になりそうなのであえて口にはしない


「清十郎、女性には女性の世界があるのさ」


 すでに悟りを開ききったように紅茶を口にしながらウェインが清十郎に声をかける


「ふむ。そういうものか」


「ああ。下手に口を出すと大変だよ?」


「お主、妙に実感がこもっておるな」


「うん・・・。昔にね」


 どこか遠い顔をするウェインに清十郎はかける言葉が見つからない


「ふふ。お兄様はたくさんの女性の方に言い寄られていましたね」


「イ、イリアその話はいいじゃないか」


「ほう・・・」


「あら。ウェイン卿が大変人気があったのは知っていましたがそれほどでしたか」


「ええ。私とウェイン卿は同期で王都の学院で一緒でしたがそれはそれはすごい人気でしたよ」


「ちょ、ライラばらさないでよ!」


 ライラが口を開いた途端、ウェインが慌てだす


「ふむ。お主やはりおなごに大変もてたのじゃな」


「ほら、清十郎が悪い顔してるよ」


 にやりと笑う清十郎を見てウェインが嘆息する

 その様子にみんなが笑うとウェインは苦虫をかみつぶしたような顔をした


「さ、さて僕は仕事があるからそろそろ行くね」


「ふむ。そうじゃのう。儂らもそろそろいくか」


「ええ。そうですね」


 そそくさと食堂を後にするウェインに続き清十郎もイリアに声をかける


「では、ライラ、私たちも清十郎様達と一緒しますよ」


「はい。殿下」


「え?」


「清十郎様、今日はニーナさんとライラさんも一緒にお店にいくんですよ


「そ、そうか・・・」


 すでに自分のあずかり知らぬところで決定事項となっていることに清十郎は自分もウェインのことは笑えぬなと苦笑いするのであった


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