表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/39

第27話 どノーマルなカレー

コ○イチのカレーが食いてぇな(トッピングはナスと牛しゃぶ)

 タオルで包んだ飯盒を、邪魔にならない場所の壁際に立て掛けて次の作業へ。マグカップは水を捨ててバックパックに仕舞う。


 次はハムエッグっていうよりは、目玉焼きとハムって感じかな。

 ハムエッグっていうとハムの上に卵を落として焼いて合体させるか、別々に焼いて後でハムの上に卵焼きを載せるかになるが、今回は別で焼こう。


 フライパンに油を少量引き、ハムを焼く。

 異世界に持ち込んだハムはスライスハム、ペラッペラの薄さで真空パックされて1パック4枚入りが【お得用】って書かれたテープで3つ数珠つなぎにされてるやつな。

 コレもテープがやたら強力で邪魔くさい。

 一枚一枚箸で剥がしてフライパンに乗っける。薄いのですぐに火が通る。軽く焦げ目がついたら紙皿へ。全部焼いてしまう。


 二つ折りにされたハムが6枚入った皿と、4枚入った皿と、2枚入った皿ができる。


 次に目玉焼きを作る。卵を2つ使い、目玉を(ダブル)にしたのをハム6枚の皿へ。一個ずつ焼いたのを残りの皿へ。

 フライパンに蓋がなくて白身が固まるまで焼いたので、目玉焼きは半熟だが、下半面の黄身は固まってる状態だろうな。


 最後にカレーを温める。気泡が上がってくるまで温めたら朝食の準備は終わりだな。焦げないように箸で必死に混ぜた。

 時計を見ると6時50分過ぎ。丁度いいくらいだな。少し早いが二人の部屋に行こう。


 部屋の閂を外し、バックパックを背負い、飯盒からタオルを外し、飯盒を持つ。もう片方の手にはカレーが入った鍋を持ってダルシャナ達の部屋へ向かう。




 扉の前で飯盒を一旦降ろし、コンコンコンとノックをすると、返事があり、すぐに扉が開く。


「おはよう!少し早いわね。朝食はもう出来てる?手に持っているソレがそうなのかしら。刺激的な香りがしてるわね!」


 ダルシャナの左腕には腕時計がしっかりと嵌められてる。


「ええ、置きたいので中に入って大丈夫ですか?あと、まだもう一品有るのでもう一回部屋に取りに行きます。」


「大丈夫よ、どうぞ入って。今日も床で食べるのかしら?一応ベッドを片方壁に立てかけておいたけど。」


 部屋に入り、テーブルの上に飯盒と鍋を置き、バックパックを壁際の邪魔にならない所に降ろしながら話す。


「今日はもう料理が出来上がっているんで、テーブルでも大丈夫だと思うのですが、三人で食べるには狭いですよね。」


「あら、じゃああなたの部屋のテーブルと椅子も持ってきましょう。ラジャスも手伝って。」


「勝手に部屋の調度品移動させて大丈夫ですか?」


「そんなの誰も気にしないわよ。宿から出るときまでに元に戻しておけば問題ないわ。」


 そんな訳で三人で部屋に戻り、俺がテーブルを、ラジャスが椅子と一皿持ち、ダルシャナが二皿持って二人部屋に行く。


 テーブルを、ベッドをどかして開けた空間に2つ並べ、椅子を囲う。

 二人は大きい方のテーブルに座り、俺は二人の前に紙皿を置く。


 ラジャスにハム6枚の皿、ダルシャナにハム4枚の皿だ。


「あら、ラジャスの方が多いのね?」


 ダルシャナが不満げに聞いてくるので。


「ええ、昨日の感じだとラジャスさんは結構食べられるでしょ?ダルシャナさんも食べれるなら私の分を差し上げますよ?追加で焼いてもいいですし。」


「うーん。足りなかったら貰うわ。」


 と、納得した。



 次に飯盒の内蓋をテーブルに置き、スプーンを3本取り出し紙皿の上にそれぞれ置く。


 飯盒の外蓋を開けると中から湯気と炊いた米の香りが上がる。中を見た感じでは上手く炊けたようだ。早速しゃもじで米を切るように混ぜて空気を入れ、余分な水気を飛ばしてふわっとさせよう。



 バックパックからしゃもじを取り出す。アレ、しゃもじ・・・。


 うわ、しゃもじまで忘れてやがる!マジか!もうあの米粒がくっつかない表面が凸凹したしゃもじとは永遠に出会えないのか!


 いや、そんなことより今しゃもじがないのが問題だな。仕方がないからスプーンでご飯をよそうか。混ぜるのは諦めよう。スプーンでやると米粒が潰れそうな気がする。


 マグカップを出して水を入れてスプーンを浸ける。おれ、コレ嫌なんだよな。米粒がベタついちゃってさ。でもスプーンに米粒がくっつくのも嫌なんだよな。

 そう思いながらも飯盒の外蓋の半分に山のように盛ってダルシャナに聞く。


「コレ、お米っていう穀物を炊いた物で、私の国ではご飯って呼んでます。こっちの茶色い、カレーっていうソースを掛けて食べます。このぐらいの量でも食べられそうですか?」


「へえ、見たことないわ。量はソレくらいでいいわよ。」


 次に飯盒の内蓋に山のように盛る。とは言っても所詮蓋だからな。普通の皿に盛る程度にしかよそえない。


 皿に持ったら半分くらいご飯が残ってる飯盒をラジャスに見せる。


「すみません、皿がないのでラジャスさんにはこのままコレを食べてもらいたいのですが、よろしいですか?量は食べ切れます?」


 たぶん700~800g位あるんじゃないかな。


「大丈夫だ問題ない。量も平気だ。」


 よし、ではカレーをかけよう。でもお玉がないんだよな鍋から直接注ぐにしても、鍋の八分目まであるから盛大に零しそうなんだよな。


 仕方がないのでマグカップをよく洗い、水気をよく切ってからマグカップでカレーを掛けていく。うーん、やっぱりなんかコップでカレーをよそうのって違和感というか、妙に嫌だな。

 溢れない程度に掛け、ラジャスの飯盒の中にも二杯ほどかけてマグカップを再生成で消す。

 すると、マグカップに纏わり付いてたカレーが鍋にボチャっと落ちて、マグカップは光の粒子になって消えた。


 おおっ、マグカップだけが消えて着いてたものはそのまま落ちるのか~それもそうだよな~、と納得していると。


「ねぇ、今のは何をしたの?」


 と、ダルシャナが食いついてきた。

 そう言えば詳しい説明まではしていないなぁ。


「いえ、後ほど説明しますよ。カレーを冷める前に食べましょう。スプーンで掬って、ご飯とカレーを一緒に口に入れてください。」


 そう言ってマグカップを再び出して、この部屋に置いていった2つのマグカップも合わせて水で洗いでから、ミネラルウォーターを注いで二人の前に置く。カレーには水だよな。


「うーん。見た目は美味しそうに感じなかったけど、食べてみると食欲を唆る香りと共に、刺激的で複雑な美味しさのこのドロリとしたソースが、ご飯と合わさって不思議な食感ね。

 ソース単体でも美味しいけど、ご飯と合わせた方が美味しいわ。ご飯がソースを受け止めて美味しくさせてるのね。

 あら、でもご飯単体ではそんなに美味しくないのね。ほのかな甘味と粘り気があるわ。ご飯にはあまり個性がないから、個性的なソースによく合うのかしら?

 穀物を煮たのかと思ったら、思ったよりもベチャベチャと水っぽくはないわね。煮るのと炊くのではぜんぜん違う料理法なのかしら?」


 ダルシャナはカレーだけ食べたり、ご飯だけ食べたりと色々と試してはぶつぶつと言っている。楽しそうだから放っとこう。

 ラジャスはガツガツと食い。


「これも美味いな。ラーメンもツルツルとあっという間になくなったが、カレーもどんどん入っていってしまうな!」


 お前はよく噛め!鯉かお前は!




 ・・・カレーは飲み物とか、言うなよ?


 ブクマありがとうございます。この場をお借りして感謝を。


 ちょっと話が膨らんで文字数が増えすぎたので中途半端な内容ですが切りました。

 ちょうどいい所にラジャスのセリフが合ったのでオチ扱いに。


 このままだと中途半端すぎるので、今日はもう一本投稿してカレーを食べきります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ