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お喋りすぎた追放聖女、実は魔界を統べる神の愛娘でした〜姿を変える呪宝で理想の美少冷酷な竜騎士団長に「俺の番(つがい)を見つけた」と溺愛されています〜  作者: インフィニティ・G・イプシロン


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プロローグ  私は自分がただの人間だということすら忘れ、鏡から溢(あふ)れ出す圧倒的な魔力を解き放ってしまうのだった

【読者の皆様へ】

ご訪問ありがとうございます!

本作は、「想像力だけが取り柄の孤児少女が、持ち前のおしゃべりとマシンガントークが災いし、修道院を追放されてしまい、生き延びるために足を踏み入れた『死の森』で、古代の遺物『幻影の三面鏡』を拾う。それはなんと、思い描いた通りの姿へ変身できる神の道具だった!」という物語です。

お楽しみいただけますと幸いです!

「本日をもってこの修道院を退去してもらいます!」


「……えっ?」と、思った。気づいたら、こういう流れになってた。


だいたい、お説教というのは、長ければ長いほどありがたみが薄れると思うのだ。


「いいかい、アリア! お前のおしゃべりと突飛な妄想には、もう修道院の全員が耐えかねているんだ!『今日の空の青さはまるで失われた古代龍の鱗のようですね』だの、『かび臭いパンもスープに浸せば妖精の宴の御馳走です』だの! もっと慎みというものを覚えなさい!」


目の前で真っ赤な顔をして怒鳴り散らす院長先生を見つめながら、私——アリアは、心の中でひっそりと溜め息をついた。


(でも実際、今日のスープは本当に妖精が魔法をかけ損ねたみたいな味がしたのだけれど。塩と木の実を間違えたでしょう、院長先生)


口に出したら火に油だということは、17歳になった私にも流石に理解できている。だから私は、できる限り反省しているように見えるよう、頭の上のボサボサな赤茶色の髪を少しだけ垂らして、俯いて見せた。


だけど、ダメだったらしい。


「だいたい、そのみっともない髪色も何とかなりませんか! そんな荒野の土みたいな色の髪をして……とにかく、お前は本日をもってこの修道院を退去してもらいます!」

「……えっ?」


さすがの私も、勢いよく顔を上げた。


「た、退去って……追い出されるってことですか!?」

「そうです! 身寄りのないお前を17歳まで育ててやったのです、もう十分でしょう! さあ、荷物をまとめて出ていきなさい!」


バン!と音を立てて院長室のドアが閉められる。

こうして私は、着替えの服一着と、硬い干し肉二切れ、そして小さな銀のナイフだけを皮袋に詰め込まれ、あっけなく修道院を追い出されてしまったのだった。



「はぁ……まさか人生最大の危機がこんなに早く訪れるなんて。まあでも、考えようによってはこれは大冒険の始まりと言えなくもないわね! どこまでも続く緑の草原、まだ見ぬ未知の街、もしかしたら森の奥で傷ついた美しい王子様を助けて、そのまま運命の恋に落ちちゃったりして!」


修道院を出てから三時間。

私は道端の雑草を蹴飛ばしながら、誰に聞かせるでもないおしゃべりを続けていた。喋っていないと、じわじわと込み上げてくる不安と寂しさに押し潰されそうだったからだ。


私は昔から、自分の想像した世界を言葉にするのが大好きだった。だけど、周囲の人々からはいつも「変な子」「お喋りでお調子者」と煙たがられてきた。

鏡に映る自分は、垢抜けない赤茶色の髪に、そばかすの残る顔。物語の主人公みたいな特別な力なんて何一つない、どこにでもいる……ううん、どこに行っても馴染めない孤児の少女。


「……あーあ。もし私に魔法が使えたらな。誰もが振り返るような綺麗なお姉さんになって、立派な魔法でみんなをアッと言わせちゃったりするのに!」


空に向かって大声で叫んだその時、不意に足元が大きくグラリと揺れた。


「きゃっ!?」


地面が崩れ、私は斜面を転がり落ちていく。視界がぐるぐると回転し、土と枯れ葉の匂いが鼻をついた。

ドサリと激しい音を立てて着地したのは、日の光も届かないような深い森の底——地元の人間が『決して入ってはならない』と恐れる、魔の森の深部だった。


「たたた……痛い……。うう、やっぱり調子に乗るもんじゃないわね……」


膝を擦りむいた痛みに耐えながら起き上がると、目の前の木々の隙間に、異様な光を放つ『何か』が落ちているのが目に入った。


「なにかしら……? ガラスの破片……ううん、鏡?」


吸い寄せられるように近づき、それを拾い上げる。

それは、手のひらサイズの美しい装飾が施された【三面鏡】だった。中央の鏡には自分の冴えない顔が映っている。両脇の鏡は真っ黒で何も映っていない。


「綺麗な鏡……でも、こんな深い森の中にどうして?」


不思議に思いながら手のひらで鏡の表面を撫でた、その瞬間。


『——なんじ、真実の姿を求める者か?』


頭の中に、朗々と響く厳かな声が届いた。


「ひゃあ!? だ、誰!?」

『我は古の呪宝。持ち主の【理想の姿】を具現化し、世界を欺く者。少女よ、汝が望む姿を念じるがいい』


「望む姿……? え、ええっと、じゃあ……!」


私は半信半疑のまま、さっきまで妄想していた『理想の自分』を強く思い浮かべた。

月光のように輝く美しい銀髪。吸い込まれそうな紫の瞳。凛とした大人っぽい佇まいに、誰もが一目で魅了されるような、完璧でミステリアスな大人の美少女——!


直後、三面鏡が眩い光を放ち、私の身体を包み込んだ。


「うわあああ!? な、なにこれ、体が温かい……というか、視界が高くなってる!?」


光が収まり、慌てて自分の手を見る。

そこにあったのは、無骨で傷だらけの私の手ではなく、白く繊細な、まるで芸術品のような美しさを誇る指先だった。

三面鏡を覗き込む。そこに映っていたのは——


「……うそ、でしょ……?」


ツヤツヤと輝くシルクのような銀髪に、妖艶に光る紫の瞳。

そこにいたのは、自分が頭の中で思い描いた通りの、文句のつけようもない『完璧な超絶美少女』の姿だった。


(本当に変身しちゃった……!?)


©2026 [インフィニティ・G・イプシロン]. All rights reserved.


【作者より】

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

正体を隠したいポンコツ変身少女×一途すぎる最強竜騎士の、勘違いから始まる爆笑&胸キュンハイファンタジー・ラブコメ!

「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださった方は、

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ブックマーク登録もぜひよろしくお願いします!

この後、本日、14:10にも投稿予定です。

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