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瞬殺

大剣を勢いよく振りかざし、僕のことを殺そうとしてきた。


「あなた!危ない!!」


女は何を言っているんだ?どうして僕が殺される前提で話しているんだろうか。この程度の魔獣にやられるわけがないだろうに。


「生と死、忘却と執念。現世と黄泉路。境界崩れて交わり落つ。――曼珠沙華(まんじゅしゃげ)。」


二本目の愛刀を異空間から呼び出し、魔獣へと向き直る。この魔獣は知性がないタイプなのだろう。神格級の中には、こちらの言語を話すことのできる者もいる。


知性がないということは、神格級に至ってすぐなんだろう。自分が強くなったと勘違いして、勢い任せに都に侵略した。そんなところだろう。


そんななにも考えなしな魔獣に倒されるほどやわではない。正直、この場から動かず、片腕だけでも倒せるだろう。


そんな呑気なことを考えていると、目と鼻の先に大剣が近づいていた。


「おっと。」


紙一重で大剣を避け、愛刀を振りかざした。


〈抜刀・三式:現世虚妄(うつしよこもう)


そう言い、刀を薙いだ。魔獣には刀が届いていなかったから、まだ僕を殺そうとしていた。


「はぁ。気づいてないのか。まあいい。」


〈……彼岸〉


すると、刀の届いていなかったはずの魔獣の体にいきなり傷口が現れ、赤い花弁が散って存在そのものがあの世へと転じた。


そうして、魔獣が消えたのを確認して刀を鞘へと納め異空間に戻した。


「この程度だったら期待する必要はなかったな。じゃあ、やることもすんだし帰らせてもらう。今後僕に関わるなよ。」


そう言い放ち、都を離れた。





おかしいな。なぜ神格級の魔獣がこの世界にもいるんだ?普通こういうテンプレのような状況じゃあ新しい魔獣のランクがあったりするんじゃないのか?


「あいつ。普通に前の世界にいた敵と同じ権能と武器を持ってたよな…。」


まあ、どうせ僕には関係ないしな。そんなことよりも、呪いを解呪するための方法を探さないとな。


人間とかかわらなければ寿命が増えていく。これならまあ関わらなければいいし、寿命が増えることにはあまり悪いことはないしな。しかし、もう一つが問題だな。


”愛するものからの死”この呪いが最も問題だ。僕が人間を好きになる。そんなことはありえない。人間を好きになるくらいだったら死んだほうがマシだ。それに、僕が人間に好かれるとも思えないしな。


だが、どうやって呪いを解呪するか。正直僕には呪いに対しての知識は殆どない。だからといって、都に降りて新たな知識を蓄えるというのも嫌だな。最悪、モンスターの呪いやダンジョン報酬などを漁るしかないか。


神格級の魔獣を相手にすれば、呪いの解呪方法とかも知ってるかもな。まあ、それは最終手段として一旦寿命は無限に増えていくわけだから呪いの研究を何処かにこもってしよう。


さて、住心地のいい場所はないかな。

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