また明日君の声が欲しくなる-ハナガサイタ
あなたが迎えにくるまであと40分。私は一人部屋でソワソワしていた。
明後日は大好きなあなたの誕生日だ。当日は仕事で会えないから今日あなたの家でお祝いをすることにした。
今日はなんだか朝からずっとドキドキしていた。あなたのために用意したプレゼントは喜んでもらえるかな。夜作ってあげる予定のディナーはおいしくできるかな。
夕方私も用事が終わり彼が迎えにくるまで時間があるので誕生日ディナーを何品か作ることにした。料理は大得意ってわけではないけど、誰かのために作るのは嫌いじゃない。
久しぶりに立つキッチンで何をしていいのか戸惑ったが、とりあえず始めてみた。やってみると意外とうまくできるもんで、あっという間におかずとサラダの2品が完成した。
写真を撮ろうとスマホを開くとあなたから連絡が来ていた。
〔仕事終わった!〕
通知を見ると16分前に連絡が来ていたことに気づき、慌てて返信する。
【おつかれ!すぐ気づけなくてごめん】
〔もう迎えにいっていい?〕
【うん、よろしく!何分くらいで着く?】
〔あと40分くらいかなあ?〕
【了解!】
彼も誕生日を祝われるのが嬉しいのか、いつも使わないような「かなあ」が愛おしくて、早く会いたいなあ、と思った。
それから40分間一人でずっとソワソワしていた。プレゼントはちゃんと用意できてるか、料理はちゃんといつでも冷蔵庫から出せるようにしてあるか、荷物の準備はバッチリか。何度も何度も確認した。
その中でも特に最重要確認事項は私が可愛いかどうかだ。繰り返し鏡の中を覗いて服や髪を整えた。笑ってみたり、「お誕生日おめでとう」なんて呟いたりしてみて、あなたを待っていた。
40分後私のスマホに灯りがついた。
〔着いたよ!〕
あなたからの連絡に一気に心臓が跳ね上がる。家を出て、あなたの車に乗り込む。
「お誕生日おめでとう!!」
そう言う私は可愛いかな。あなた、喜んでくれてるかな。そんな不安は彼の笑顔によって一気に消し去られた。
『ありがとう!嬉しいなあ。』
「プレゼントいつ欲しい?いま?おうち着いてからにする?」
『うーん、家ついてからにしよっかな。』
「わかった!」
『なんかいつもより嬉しそうだねえ。』
「もちろん!だって大好きな人のお誕生日お祝いできるんだもん。」
『そっか。ありがとうね。』
いつも会えると嬉しいが、今日は特段に嬉しい。あなたの家に近づくたび心はどんどん踊っていく。
あなたの家に着いた。靴を脱いで部屋に上がり手を洗う。
テーブルの前に座り、少し小さく深呼吸をした。
「じゃあお誕生日プレゼント、どうぞ!」
『ありがとう!開けていい?』
「うん!」
『わあ、何これ!!花束!』
「うれしい?」
『うん、すっごく!しかも好きな色だ!』
「店員さんと相談して決めたんだ〜。」
私がそう言ってる途中にあなたが私に抱きついてきた。
『ありがとう。すっごく嬉しいよ。』
私は単純だ。これだけですごく、すっごく嬉しい気持ちになれちゃうんだから。
「ねえねえ。幸せ!」
『幸せだね。』
私たちは抱き合いながらこの幸せを噛み締めた。
お誕生日おめでとう!来年も再来年も、あなたの誕生日をお祝いできますように。




