華の足元
日本の女子高生だった記憶を持つ町娘リズは、とある式典で公爵夫人の目にとまる。「あなた、とっても可愛いわ。私の娘によく似ている」公爵夫人のご尊顔に見惚れていたリズは、いつの間にか公爵邸へ連れていかれてしまう。そこにいたのは公爵家長女のルクレツィアだった。着ているものや物腰などは天と地の差がある二人の少女だったが、よくよく見れば顔の造りが瓜二つ!とまどうルクレツィアとリズをよそに公爵夫人は花の笑顔でこう告げた。「ルクレツィア、遅くなってしまったけれど貴女へのプレゼントよ。大事になさいね」公爵邸にはしたなくも響き渡る絶叫。こうしてリズは、ルクレツィア様の傍仕え兼影武者になったのだった。笑い上戸の令嬢ルクレツィアと、根性たくましい村娘のリズとその幼馴染の苦労人ケヴィン、得体の知れないどこかの貴族のルーがあっちこっちでドタバタする話。