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クラスメイトを全員殺された俺はその魂を武器にして復讐する  作者: アキライズン
幕間 その8

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79話 死闘 

 

 柊木ひいらぎに向けて、『大吾だいご』を真横に振る。

 同時にさらに『大吾』の倍率を三倍から五倍に上げた。

 柊木は、避ける動作もなく、ただそこに立っている。

 巨大な大剣が、柊木の上半身と下半身を両断するはずだった。


「レンタル、瞬間移動」


 柊木がそう呟いたと同時に、その姿が消えた。


 ゴーグル『安藤あんどう』に仕込んだ片眼鏡『橋下はしもと』を装着し、ピット器官のスキルを使って、熱を感知する。

 俺のすぐ背後から、激しい温度の上昇を感じた。


「レンタル、機関銃マシンガン


 柊木が両腕を前に突き出すと同時に、それが機関銃に変化していた。

 轟音と共に、一秒間に15発の速度で銃弾が飛んでくる。


 黒鎧『鰐淵わにぶち』による硬質化をするが追いつかない。

 柊木の弾丸は、俺の身体に確実にダメージを刻み込んでいく。


「……十四個目のスキルを確認。片眼鏡『橋下はしもと』。熱を感知し、相手の位置や攻撃動作を探る」


 シャルロッテに俺の能力を報告しているのか。

 機関銃を撃ちながら、柊木がブツブツと、俺のスキルについて呟いている。


 背負い袋『森山もりやま』から、大盾おおたて中野なかの』を取り出した。

 身体をすっぽりと囲むほどの大きな盾は、機関銃の弾丸を跳ね返す。

 俺は、『中野』を構えたまま、柊木に向かって突進する。


「レンタル、瞬間移動」


 再び、そう呟いた柊木だが、今度は移動できない。


「……これはっ!?」


『中野』を使うと同時に、もう一つスキルを発動させていた。

 付け爪『鈴木すずき』だ。

 蜘蛛が獲物を捕らえるように、指先から糸を出し、気付かれないように柊木の身体に巻き付けておいた。


 柊木は、俺がスキルを使うのを感知できるようだが、さすがにここまで連続で使えば、すべては把握できないようだ。


 がんっ、と大盾『中野』を柊木にぶち当てる。

 ぶちぶち、と柊木を捕らえていた『鈴木』の糸がちぎれて、柊木が城の壁までぶっ飛んでいく。


 一気に片付ける。

 こちらのダメージも大きいが、回復を後回しにして、『森山』から手榴弾『根岸ねぎし』を取り出し、ピンを抜く。


「レ、レンタル」


 柊木がスキルを使う前に、手榴弾『根岸』をその足元に投げ込んだ。


 ぼんっ、という大きな爆発音がして、城の壁が崩れ、煙が舞い上がる。


「……仕留めたか」


 再び、『橋下』のピット器官を作動させると、熱源は感知されなかった。

 だが、念のため、部屋中に『鈴木』の糸を張り巡らせた。


 煙が晴れ、崩れた壁の奥を確認する。

 そこに柊木の姿はなかった。


「レンタル、影移動」


 その声は、俺の真下。

 自分の影から聞こえてきた。


 その影からにゅるっ、と柊木が出現する。

 手には、ゆがんだ形の、毒々しい赤黒い短剣を握っていた。


 大盾『中野』も黒鎧『鰐淵』も間に合わない。


 柊木の短剣が俺の胸の中心に、深々と突き刺さった。



 

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