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勇者召喚された魔皇帝  作者: 錬金王
ビストリア争乱編
23/40

筋肉

ついに、学校が始まってしまった。


「たいして強い魔物ではないが、ちょくちょく出てきて鬱陶しいな」


シーノ村を昼前に出発して、数時間。


魔物が多くて危険というだけに、幾度も襲いかかってくる魔物達。

そして今襲いかかってきているのは、キラービーというスズメ蜂のような魔物だ。だが大きさは人間の顔くらいあるが。


蜂なら何とか堪えれるが、でかい蜘蛛とか百足とか出たら発狂してしまいそうだ。


「蜂? …ちょっと大きい! トト! 火魔法で全部燃やして!」


「え? そんなに威力ないよ」


「ファイアーランス!」


ルーナの魔法で何匹ものキラービーを串刺しにし、燃やしていく。


負けじとトトはファイアーボールを飛ばしていくが、ルーナのファイアーランスと違いあまり数を減らすことはできない。トトのファイアーボールは大きさがせいぜいバスケットボールくらいだ。キラービーと同じくらいの大きさであり、相手は飛び回っているのだ効率は悪い。


そんな苦戦している三人を俺は、後ろから眺める。


30匹くらい何とかなるだろ。危なそうな奴はさっきから倒しているし。


俺の所には、最初の五匹を瞬殺した時点で相手の本能が危険と判断したのか、近付いてこない。


野性の本能か。虫にそんなのあるのか?

キラービーについて思考していると、ロッテの苛ついた叫び声が聞こえてくる。


「もー! 何であいつの所にはいかないのよー!」


「ずるいです!」


ルーナも苛ついているのか、思わず叫ぶ。


お前達文句を言わずにトトを見習え、一番年下の男の子は文句も言わずに戦っているというのに。堪え性のない奴らだ。


トトは楽しそうに、ファイアーボールを打っている。うん、全然当たってない。

トトは魔法が使えるようになって嬉しいだけかと、思ったのだが違うようだ。戦い時自体が好きなようで少し戦闘狂っぽい。

獣人の血というやつとでも思っておこう。


「文句を言う余裕があったら、一匹でも多く倒せ。トト、魔法が当たってないぞお前の場合剣で斬った方が早いぞ」


「わかった!斬るー!」


トトは元気に剣を両手持ちにし、前に出る。


おいおい、そんなに一人突出して大丈夫なのか?


見ると、ロッテとルーナが慌てて大声を発しながらも援護している。





ーー


辺り一面に広がるキラービーの死骸。使える素材はどうやら毒針だけらしい。戦っていた三人は俺が剥ぎ取っている間に休憩させている。


「 よし、じゃあ行くか 」


最後の毒針を剥ぎ取り、丘の上で休憩している三人に声をかける。


「えー? もうー?」


「僕お腹空いたー!」


「私もですー」


口々にお腹が空いたと駄々をこねる。


「確かにここは見晴らしがいいが、キラービーの死骸も見えるぞ? そんな所で食べるのか?」


「うっ、ほんとだ」


「えー? 僕は平気だよー?」


女性陣は気が付いたのか、キラービーを見て眉をひそめる。


トトは平気なのか…


「他の魔物も集まってくるかもしれんし、もう少し進んでからだ」


「「はーい」」


納得したのか、立ち上がり再び足を進める。



ロッテ


種族 獣人 女性 15歳


LV19


HP90/90

MP75/75


ATK58

DEF46

AGI70

HIT53

INT65


属性 水魔法3


スキル

料理2

棒術3

剣術1

探索2

体術1


種族スキル


獣化


称号 (奴隷)




トト


種族 獣人 男性 9歳


LV17


HP95/95

MP56/56


ATK86

DEF58

AGI68

HIT42

INT40


属性 火魔法2


スキル

剣術3

探索2

体術2

種族スキル


獣化



称号 (奴隷) (戦闘バカ)



ルーナ=ビストリア


種族 獣人 女性 12歳


LV22


HP105/105

MP65/65


ATK70

DEF65

AGI90

HIT65

INT60


属性 火魔法2 水魔法1


スキル

剣術2

体術3

限界突破

料理2

盾1

棒術1

隠密2


種族スキル


超獣化


称号 (ビストリア第三王女) (奴隷)






襲いかかる魔物を振り払い、野宿を繰り返し四日目。


「あれがドーノか」


「兵士の多くがドーノの町に駐在しているんですよ」


ようやく、ドーノの町が見えてきた。ロッテの言うとおり防衛目的なので門というより、要塞の壁のようだ。壁に空いている穴から、弓や魔法を発射するのではないだろうか。

門番が四人おり、ドーノの町に入るための馬車をチェックしている。時々、列を抜かして先に入る馬車もあるが、偉い人や兵隊関係だろう。


最近は魔物に警戒しているのか、チェックや、人に関してはさほど厳しくはない。


俺は簡単な質問に答えた後、銅貨2枚とロッテ達各奴隷一人につき銅貨1枚を払うとすんなり町に入ることができた。


何でも最近は特に出入りが激しい上に、周辺に魔物も出没して大変だと兵士がぼやいていた。


町に入ると目に入るのはでかい建物だ。


「うわー! でっかい建物!」


「さっきの壁とは違った迫力があるわね」


「道が広いな」


「兵士の活動がしやすいように、道幅は広く敵を惑わすために、迷路のようになっているらしいですよ」


兵士から隠れるように、フードを被り俺の背にまわるルーナ。


ここでも隠密なのか。


どうして味方であるはずの兵士を避けているのかは知らないが、何も言わない以上俺にできることは、面倒事を起こさずにさっさと王都に送り届けることだけだ。



気前のいい肉屋のおばちゃんにの店で肉を買いこみ、オススメの宿を教えてもらう。


うちの奴隷達はとにかく食うのだ。特に戦いの後はよく食う。

シーノ村で買ったり、魔物の肉も使っているのだがもう食材が少ない。


「あんたがこんなに美味しいのつくるのが悪いのよ! それに私は少食よ!」


ロッテさんはこんなことを言う。そう言ってお前昨晩のステーキを一人で八キロは食べたよな?


獣人をバイキングとかに連れていったら、店が潰れそうだな。


ってなことで大量の食材費、武器や防具を新調したり出費が多く、懐が寂しくなってきた。


肉屋から五分歩いたところで、肉屋のおばちゃんオススメの宿、『ラルカの宿』につく。


「いらっしゃーい。何泊泊まる?」


机を拭いていた、猫の獣人の少女が振り返り、俺達を迎えてくれる。



「三日、いや念のため四日頼む」


「そんなにこの町に滞在するのですか?」


「早く帰りたい気持ちもわかるが、今回の長い道のり、戦いで疲れているだろ?休息も必要経だ。」


「ですが」


「この町でもやることがある、最低二日は滞在するからな」


「……はい」


渋々といった様子で引き下がるルーナ。


「はーい、部屋はどうする?」


気をとりなおすように、愛想よく宿の娘が聞いてくる。


「二人、二部屋で頼む」


「それでは、朝、昼、晩の食事付きで銀貨五枚、お湯と、蝋燭は一回につき銅貨一枚になります」


「わかった。使うとき頼む。ところでこの町に魔物の素材を売れる場所はあるか?」


現在の懐は厳しいが、なかなかの数の魔物を倒してきた。

もし素材を売ることができれば十分なお金になりそうだ


「うん、中心区画にあるよ。目立つからすぐわかると思うよ」


「ありがとう、行ってみる」



よかった。ちゃんと売れるようだ。


今日ゆっくり休んで明日売りにいこう。










ーー勇者sideーー


片手剣と鉄の丸い盾を持ったリザードマンの首を寸断する。勢いよく血を吹き出し後ろ倒れる。


「よし、レベルアップだ!」


「私もよ!」


俺が声をあげると、近くにいた唯も戦闘が終わったのか、額の汗を拭う。


ここはフォーレン王国から東側にあるドルニエ洞窟。少し熱気が強く、暑さで消耗した時に魔物に襲われて、やられてしまう危険が多い洞窟だ。

メルガナ洞窟でも良かったのだか、なんでもロックドラゴンが出現したらしくドルニエ洞窟にて修行となった。

本当はロックドラゴンと戦ってみたかったが、Bランクの魔物らしく俺達ではまだ敵わない。何でも、変わりに優秀な冒険者が調査に行ったらしい。


俺達が召喚されて10日。俺達勇者は成長力が凄まじいということだったが、本当らしい。


最初は血を吐くような訓練だったが今はそうは思わない。恐ろしい成長速度だ。騎士団のメニューにもついていけているはずだ。


でも、デリックさんにはまだまだ敵わない。


「いくら勇者であろうと二週間もたたんうちに騎士団長の面目がたたんよ!」


がっはっはっは!と笑いながら俺達をぼこぼこにしてくる。


悔しいが、まだ敵わないことは理解できる。いつか追い越してみせる。


不思議と全ての戦闘においては、すぐに体が動くようになる。以前でも運動能力には自信があったのだが、今では比べ物にならない。


その感覚は皆同じようで、お世辞にも運動能力が良いとはいえなかった桃花も驚くような身のこなしをする。


「やりました!私!わ、わわ、キャフッ!」


それなのに、何も無い所でこけるのはどういうことだろう。

宿命なのかもしれない。


「もー、桃花はいつも危なっかしいんだからー。怪我はない?」


「はい! 大丈夫です!」


「桃花、今日はいつになく元気があるね。何かいいことでもあったのかい?」


「いえ! そんな、ただ強くなってくにつれて皆を支えることが嬉しくて」


「ああ、いつも桃花の魔法のおかげですごく助かっているよ」


「そうそう、勇人ってば放っておいたらすぐ前に出ちゃうから、援護も私じゃ大変なのよ。でも桃花なら回復魔法もあるしシールド魔法も得意だから安心だわ」


「い、いえ。ありがとうございます」


「そう言えば、轟は?」


「あっ、轟さんならー」


ードガアアアアアン!


唯が辺りを見回し、桃花が答えようとしたところで、大量の岩が崩れる音が覆い被さる。


「がーはっはっは! やったぞ! 轟!」


「はい!師匠!我々の筋肉さえあればロックゴーレムなんてこんなもんです!」


音の方向を見ると、遠くでデリックと轟が倒したロックゴーレムの上で雄叫びをあげている。



「いいぞー!このまま魔族も魔王も、鍛え上げられた我等の

筋肉による右ストレートで一発だ!」


「「筋肉!筋肉!うほー!」」



「「「………暑苦しい」」」



遠くからに冷ややかな視線を送る俺達。


デリックさんはともかく、轟は普段はクールで落ち着きがあるのに、デリックさんと関わるとあんな風になる。


筋肉の何が轟をあそこまで変えてしまうのだろうか。



赤城 勇人


LV22 人間 男性 16歳


HP370/370

MP280/280


ATK300

DEF267

AGI288

HIT243

INT240


属性 聖魔法2 光魔法2 火魔法2 風魔法1


スキル

剣術4

限界突破

HP回復上昇

魔装

体術3


称号 異世界人・剣の勇者・イケメン



青木 唯


LV22 人間 女性 16歳


HP350/350

MP250/250


ATK300

DEF250

AGI340

HIT216

INT225


属性 聖魔法1 光魔法2 火魔法2


スキル

拳術4

体術3

限界突破

HP回復上昇

魔装


称号 異世界人・拳の勇者・貧乳



室井 轟


LV21 人間 男性 16歳


HP450/450

MP226/226


ATK270

DEF345

AGI190

HIT213

INT186


属性 聖魔法1光魔法1 土魔法4


スキル

大盾4

盾3

挑発

限界突破

HP回復上昇

拳術2


称号 異世界人 盾の勇者 脳筋



椎名 桃花


LV20 人間 女性 16歳


HP260/260

MP420/420


ATK140

DEF136

AGI217

HIT240

INT400


属性 聖魔法3 光魔法3 水魔法2 風魔法2


スキル

杖術3

瞑想

感知

回復上昇

MP消費軽減

MP回復上昇

魔装

体術1


称号 異世界人・杖の勇者・恥ずかしがりや













とにかく前進します。

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