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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第二章】

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112/308

2‐13‐2 昨夜はもっと混雑していた

 


 唐突にナギサがボロボロと泣き出してしまうというハプニングはあったが、ナギサ達6人は街へと、屋台巡りへと繰り出した。


「ナギ、もう落ち着いた?」


「ん、ありがとう。すっごく嬉しくて涙が出てきただけだから。カエルもゴメンね。驚かしちゃったよね」


「そんなに喜んでもらえたのなら僕もヴルペも大満足だよ。ちょっと驚いたけどね」


 謝罪と感謝をカエルとヴルペに伝えれば、二人ともニッコリとナギサに笑い返してくれる。


「でも意外だったわぁ。ナギがこんなに涙もろいなんて。いっつも淡々としているイメージがあったもの」


「えっ、モリス、そんなことないよ? 分からないこと多くて、焦っていることも多いから。今も、この人混み! ねぇ、聖都イスって、いつもこんなに人が多いの?」


「ああ、僕も驚いている。収穫祭の時も多かったけど、ここまではね」


 ウルサスも人の多さに驚きの声を上げる。ゴリツィアとモリスもここまで混雑するとは考えていなかったと目を見開いている。


 今6人は大神殿の正門前近くにいる。食堂からは学舎近くの通用門を利用して外へと出た。ぐるっと外壁に沿ってやってきたのだが、近づくにつれて混雑は増し、正門前などとても通れはしないであろうという状態だ。


「日付が変わる頃はもっとすごい人混みだったよ。今年はウーラニア様とミラクルゥム様、それにエクース様が中央広場に現れて、例年以上だって大人達が騒いでいてさ。僕も広場まで行きたかったけど、危ないからって言われて」


「あっ、わたしも。父が危険だからって」


 カエルとヴルペが昨夜の様子を語ってくれる。二人で先ほどの花ランタンを買った後は、それぞれ家族と一緒に祭りを楽しんだという。日付が変わる時間まで外にいたのだが、今年はいつもより降りられた神が多いという噂が流れ始めると、人流が一気に増えた。どちらの家族も危険だからということで、中央広場へは行かせてもらえず帰宅したという。


 そんな話を聞きながら、ナギサは心の内で考える。ウーラニアは面識がある。ミラクルゥムとエクース、どのような神なのだろう? ミラクルゥムは魔法を司り、エクースは確か馬の神だと講義で習った。セラスから聞いた限りではウーラニアとミラクルゥムは人界したにいることが多いとも。エクースはどうなのだろう? 《女神》の件があるから、可能な限り神は見知っておきたい。


「もう、会えないのかな?」


 ナギサがぽそりと呟くと、


「ウーラニア様とミラクルゥム様は探せば会えると思うよ。人界したがお好きなようだから。僕も何度か遠目で見かけたことがある。エクース様はどうかなぁ。ヴルペはどう?」


「わたしもウーラニア様とミラクルゥム様はお見掛けしたことがあるけれど、エクース様は。あまり人界したに来られない神様だと聞いているから......」


 と、カエルとヴルペが返してくれる。エクースが年越しに現れるのはとても珍しく、普段も人界したでは見かけない神らしい。流石街育ち。よく知っている。


「運良く出会えることを願って、屋台巡りに行こう。大神殿詣でに巻き込まれるのはちょっと勘弁してほしい」


「そうよね。ウルサスの言う通りだわ。行きましょう!」




新年です!


明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。


そして、ナギサの物語にお付き合いいただいてありがとうございます。

ブクマや評価、とてもありがたく、ものすごく励みになっております。


ナギサが幸せになれるよう、居場所をここだと思えるよう、物語を紡いでいきたいと思っておりますので、これからもお付き合いをお願いいたします。


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