2‐13‐1 花ランタン
「今年もよろしく~」
食堂に皆が集まってくる。カエルとヴルペが既に来ていて、寮組が遅くなってしまった。そして、最後にやってきたのはウルサス。
「皆、早いな! 今年もよろしく!」
「よろしく~!」
ガヤガヤと年始の挨拶らしき言葉を掛け合い、いったん席につく。
「街に出る前に、僕とヴルペからコレ!」
とカエルが話す横で、ヴルペが手荷物袋から何かを取り出してテーブルの上に置いた。
黄色とオレンジの色が鮮やかな小さなランタンが6つある。
鬼灯を思わせる形状で、丸みを帯びた四角錐のような形だ。4枚の葉っぱのようなものが、中央の小さな魔石を包み込んでいる。
「「花ランタン!」」
モリスとゴリツィアが嬉しそうに声をあげた。
「? 花ランタン?」
だが、ナギサとウルサスは知らないものだと小首をかしげる。
「年越しの祭りで、初日だけに買うことができるの。自分用に買ったり、人に贈るために買ったりするわ」
「この覆いの部分、色に意味があってね。僕とヴルペで友情と絆の意味を持つ、黄色とオレンジの二色使いの花ランタンを探して買ってきたんだ」
ヴルペとカエルが簡単に説明してくれる。
「お揃いだ!」
「ありがとう! でも、いいの? 6人分ってけっこうしない?」
「大丈夫だよ。ごくごく普通の花ランタンだから。気になるなら来年は君達の番で」
そんなことを話しながら、カエルとヴルペが4人に花ランタンを一つずつ手渡してくれる。
「ありがとう。とっても可愛い。この覆いの部分って、葉っぱ?」
ナギサは手渡された花ランタンを見つめながら、何でできているのかが気になってしまう。
「ナギったら。 これ、一応魔道具でね。ランタン草が元になっているのよ。で、ナギが言うように覆いは葉っぱ。葉脈だけ残るようにして、そこに色をつけるの。何も加工していないと緑色になるわ」
「流石、モリスは魔道具に詳しいね。でも、わたしの村もそうだったけど、村では売っていないよね?」
「まぁね。ほらお土産で。わたしの村は街に近いから、わりと年明けにお土産で見ることが多かったの。でも、こうやって友達から贈られるって、初めてだからすっごく嬉しい!」
「そうやって言ってもらえると嬉しいわ。カエルと頑張って屋台をまわったもの」
「ん、とっても嬉しい。友情と絆、すごく素敵で嬉しい......」
「よかった、って、あれ? ナギ...... ねぇ、なんで泣いているの! モリス、そんな目で見ないで! 僕、泣かしていないよ!」
ナギサの物語にお付き合いいただいてありがとうございます。
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一足早く、ナギサ達は年明け、新年です。
お話の内容的には、年明けに合わせてアップしてもよかったのですが、更新できるときにと。
引き続きよろしくお願いいたします。




