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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第二章】

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111/304

2‐13‐1 花ランタン

 


「今年もよろしく~」


 食堂に皆が集まってくる。カエルとヴルペが既に来ていて、寮組が遅くなってしまった。そして、最後にやってきたのはウルサス。


「皆、早いな! 今年もよろしく!」


「よろしく~!」


 ガヤガヤと年始の挨拶らしき言葉を掛け合い、いったん席につく。


「街に出る前に、僕とヴルペからコレ!」


 とカエルが話す横で、ヴルペが手荷物袋から何かを取り出してテーブルの上に置いた。


 黄色とオレンジの色が鮮やかな小さなランタンが6つある。

 鬼灯を思わせる形状で、丸みを帯びた四角錐のような形だ。4枚の葉っぱのようなものが、中央の小さな魔石を包み込んでいる。


「「花ランタン!」」


 モリスとゴリツィアが嬉しそうに声をあげた。


「? 花ランタン?」


 だが、ナギサとウルサスは知らないものだと小首をかしげる。


「年越しの祭りで、初日だけに買うことができるの。自分用に買ったり、人に贈るために買ったりするわ」


「この覆いの部分、色に意味があってね。僕とヴルペで友情と絆の意味を持つ、黄色とオレンジの二色使いの花ランタンを探して買ってきたんだ」


 ヴルペとカエルが簡単に説明してくれる。


「お揃いだ!」


「ありがとう! でも、いいの? 6人分ってけっこうしない?」


「大丈夫だよ。ごくごく普通の花ランタンだから。気になるなら来年は君達の番で」


 そんなことを話しながら、カエルとヴルペが4人に花ランタンを一つずつ手渡してくれる。


「ありがとう。とっても可愛い。この覆いの部分って、葉っぱ?」


 ナギサは手渡された花ランタンを見つめながら、何でできているのかが気になってしまう。


「ナギったら。 これ、一応魔道具でね。ランタン草が元になっているのよ。で、ナギが言うように覆いは葉っぱ。葉脈だけ残るようにして、そこに色をつけるの。何も加工していないと緑色になるわ」


「流石、モリスは魔道具に詳しいね。でも、わたしの村もそうだったけど、村では売っていないよね?」


「まぁね。ほらお土産で。わたしの村は街に近いから、わりと年明けにお土産で見ることが多かったの。でも、こうやって友達から贈られるって、初めてだからすっごく嬉しい!」


「そうやって言ってもらえると嬉しいわ。カエルと頑張って屋台をまわったもの」


「ん、とっても嬉しい。友情と絆、すごく素敵で嬉しい......」


「よかった、って、あれ? ナギ...... ねぇ、なんで泣いているの! モリス、そんな目で見ないで! 僕、泣かしていないよ!」




ナギサの物語にお付き合いいただいてありがとうございます。


ブクマや評価、とてもありがたく、ものすごく励みになっております。


一足早く、ナギサ達は年明け、新年です。

お話の内容的には、年明けに合わせてアップしてもよかったのですが、更新できるときにと。


引き続きよろしくお願いいたします。

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