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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第二章】

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2‐12‐3 皆への報告

 

「本当? 外出許可が出たの?」


 今朝の神官長からの話を食堂で皆に伝えると、モリスが身を乗り出す勢いで顔を寄せて聞いてくる。


「ん、今朝、そう教えてもらえた。だから街に出られるよ。今までいろいろ誘ってくれても一緒できなくてごめんね」


「何言っているのよ。ナギが悪いわけじゃないよ」


「そうそう。それより、年越しは一緒に街で遊べるね」


「そうよ、年越し! 皆はどうするの?」


 モリスが年越し─年末年始をどう過ごすのか聞いてきた。年末年始の学舎は短いながら冬休暇である。秋休暇は2週間あるので学舎寮の生徒は基本帰省する。ただ、この冬休暇は1週間、しかも学生のみで街の外には出られない。送迎がある生徒は帰省できるだろうが、そんな生徒はまずいない。モリス、ゴリツィア、ウルサス、三人とも冬休暇は学舎寮にとどまるという。カエル、ヴルペは街暮らしなので帰省もなにも関係がない。


「わたしは錬金で化粧水を仕上げるつもりなの。だから、休暇の最後に街に行こうと考えているの。街でお世話になっている小物屋さんが少しなら化粧水を置いてくれるっていうから。だからレシピ開発者のナギには是非とも一緒に来てほしいの。もう、許可いらないんだよね?」


 モリスがさっそくナギサに話を振ってくる。件の化粧水であるが、素材集めと保存瓶に目途がついたのだ。

 先日の街外でのモリス達の採集と、先日の林での採集。これで必要な素材の半分以上が用意できた。

 そして野豚である。これがなかなか良いお値段で引き取ってもらえたのだ。他にもキノコや小動物も素材として期待以上の高値で引き取ってもらえた。

 換金分は皆で分けたのだが、モリスとナギサはそのお金で足りない素材や瓶を購入し、あとは錬金するのみという状態までもってきている。


 余談だが、学舎の休みに魔法の練習や錬金が行いたい学生はどうするのか。それは学舎ではなく学院内を利用することになる。ただ、基本は神官や神官見習い達が学ぶ学院。利用してもよいと言われても、なかなかそれは難しい。しかし、そこはモリスである。ちゃっかり、神官のフィデューシにお願いして学院内にある調合室を利用できるように顔をつなげている。既に何度か利用しているとも聞いている。


「もちろん。錬金も手伝うよ。ただ、洗濯場の手伝いの予定を聞いてからになるけど大丈夫?」


 ナギサの言葉にモリスは問題ないと嬉しそうに頷いてくれる。


「二人の予定はそれでいいかも、だけど。せっかくだから年末か年始の屋台巡りに皆で行かないか?」


 ウルサスが皆の顔を見回しながら聞いてくる。


 年越しも収穫祭と同様に街には屋台が軒を連ねる。元の世界同様、年末最終日はカウントダウン的なものがあると聞いている。大神殿前の一番大きな市場、そこの中央広場に舞台が作られる。本来なら《女神》がそこにいるのだが、そこはまぁ皆スルーしているようで、その時、人界したにいる神々が何柱か舞台に上がり、年の変わり目に言祝いでくれるという。

 カエルとヴルペに聞いた話では、とにかくものすごい人。やはり神々を直接拝めることは貴重な体験。特に珍しい神が来ているとうわさが流れると、人込みを避けていた人々まで集まってくるので日が昇るまで大変な状態になるそうだ。


「そうね。でも年末は我ら寮生には厳しいかな。徹夜は咎められないけど、夕べの祈りと朝課がね」


「収穫祭の時と同じかな。年始に昼から。集合場所はどうしようか」


「大神殿の入り口付近は?」

「え、それ混雑で無理でしょ。神殿詣でに巻き込まれるよ」

「だけど、街中も混雑ひどいだろ」


 いろいろ案を出しあったが、結局無難にここ、食堂での集合に決まった。




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