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0‐00 狭間にて
主は耳をすます。
そして、
彼方の声を拾う。
此方の声を聴く。
遥か、遥か遠くから、
すぐ近く、足元からも。
喜びの声、感謝の声。
子が生まれた、
病が癒えた、
想いが伝わった、と。
悲しみの声、怨嗟の声。
子を失った、
不治の病にかかってしまった、
永遠に生きると誓ったはずなのに、と。
主が創った様々な世界。
上にも下にも。
あちらにもこちらにも。
ひたすら聞こえてくる声に主はただただ耳を傾ける。
そこに拾う価値のある声を見つける為に。
お読みいただいてありがとうございます。
2025.02.21
少しだけ表現や表記を変更しました。内容の変更はありません。